「なんとか生きている。一睡もできないまま、朝が来た」

なつかしい。あの人と、
今ここで、ふたり
並んで窓辺に佇んで、この町
の眺めを、

ただ、一緒に見たらいいなと思う。

あの頃と同じように、ただ黙って、
同じものを（お互いの顔などでは
なくて）、

同じ方向を見つめているだけで
いい。
今、どこで、どうしているの
だろう。

胸より胸の中を見せるほうが、恥ずかしかったりする。

見せて自慢できる胸と、でき
ない胸があるように、見せて
恥ずかしい胸の中と、恥ずか
しくない胸がある。

その恥ずかしい中身のひとつ
がシタゴコロ。

ボクは、君にバカです。

いったん人を好きになると
男の人はおバカさんに
なって、まっしぐらに暴走
します。

女の人はお利口さんだか
ら、かけひきなんかでき
ちゃいます。

「少しずつ、結婚しようよ」。

結婚はスタートなんです。
一緒に暮らしながら、お気に入り
のものを、少しずつ揃えていけば
いいじゃないですか。

「君がいるから、恋をした」。

なんてロマンチックな愛の告白。
女の子は待っているんです。
こんな言葉を。

「恋愛の花がはらはら散ってゆく分別くさい男の前に」

結婚生活が途中から地獄の
ように変わってしまったり、戦場に
なってしまうのは、性愛のせいなのだ。
性愛が、二人の関係から言葉や
ユーモアや、勇気や優しさなどを
奪ってしまうのだ。

さよならしたばかりなのに、また、君に会いたくなりました。

これぐらい好きになってもらえ
ると本望です。

「はじめは恋、あとで愛」。

恋は、アバタもエクボ。
相手のことはなんでもOK.
でも恋が愛に変わったとき、束縛
したり、嫉妬したり、いろいろ許せ
なくなることが増えてくるのかもし
れません。

「一年かけえも女を描けなくて画（え）の筆捨てて詩にかえた君」

彼も彼女と同様、夫婦の性愛が
常に最も深い信頼とか、親密さの
中で行われるものとは、もうとっく
に考えなくなっていたし、性愛とい
うものが、二人を近づけるという
よりは、むしろ遠ざける方向に作用
することにも、今では薄々気づいている。