ダンシネイン城前で、いよいよ両軍が激突する。
城門の前ではマルコム、シェアード、マクダフら兵士たちが枝をかざして登場する。
城門の前ではマルコム、シェアード、マクダフら兵士たちが枝をかざして登場する。
つまり「森が移動することがない限り大丈夫である」が覆ってしまった。
魔女たちが予言した託宣は、すでにあと一つで全て実現してしまう。
すなわち「女から生まれた者にはマクベスは倒せない」のみである。
マクベスが鎧に身を固めて城門から登場する。そこにシェアードの息子である小シェアードが立ちはだかり、剣を激しく交えるのだった。
しかし、「女から生まれた者にはマクベスは倒せない」不死身なので、小シェアードでは刃が立たず、斬り倒されてしまった。
マクベスは、ジュリアス・シーザーを倒したブルタースのように自害にしない。
'Why should I play the Roman fool, and die on mine own aword ?' (誰がローマの馬鹿者どもの真似をして、己の剣で死ぬものか?)
マクベスは、ジュリアス・シーザーを倒したブルタースのように自害にしない。
そこでマクダフが登場する。不死身のマクベスであったが、マクダフは自然分娩ではなく、月足らずで帝王切開で生まれた者であり、つまり「女から生まれた者」ではなかった。
ただ、これは少々こじつけになっているが、シェークスピアの時代では、殆ど自然分娩が普通で、帝王切開などは稀で、しかも月足らずとあれば、そのまま生存して成長することは難しかった。
よって、このような子供は不思議な力を持っていたと信じられていたのだ。
よって、このような子供は不思議な力を持っていたと信じられていたのだ。
終にマクベスは最後の望みも絶たれてしまうのだが、彼は最後の最後まで運命に刃向かおうと、マクダフとの戦いに臨んでいった。
そしてマクベスは、マクダフに討ち取られた。魔女という超自然的な存在によって翻弄された人生になってしまった。
'Though Birnum wood be come to Duncinane, And thou opposed, being of no woman born, Yet I will try the last. Before my body I throw my warlike shield. Lay on, Macduff, And damn'd be him that first cries 'Hold, enough !' (たとえバーナムの森がダンシネインの城へ迫ろうとも、 女から生まれぬ貴様が立ちはだかろうとも、 これが最後の俺の運試しだ。さあ、このとおり、 武勲に輝く盾も投げ捨てる、打ってこい、マクダフ、 途中で「待て、降参だ!」と叫ぶ奴は地獄行きだ!)
そしてマクベスは、マクダフに討ち取られた。魔女という超自然的な存在によって翻弄された人生になってしまった。
まさに「消えよ、消えよ、束の間(短い)の蝋燭(命)! 人生は歩く影法師、哀れな役者だ、出番の時だけ舞台の上で、見得を切ったり、 喚き散らしたりしているが、芝居が終われば、それまでだ。人の一生なんて阿呆の語る物語。やたら激しく騒がしいが、何ら意味などありはせぬ」なのだ。
ある意味、目に見えない世界の傲慢な力との闘争であったともいえる。最後は人間の勝利にはならなかった、もちろん彼は悪人であり、当然の報いかもしれないが、その善悪を超えて、死に際して彼の姿勢は偉大であったと思う。
ある意味、目に見えない世界の傲慢な力との闘争であったともいえる。最後は人間の勝利にはならなかった、もちろん彼は悪人であり、当然の報いかもしれないが、その善悪を超えて、死に際して彼の姿勢は偉大であったと思う。
マクベスのいない軍勢は力を失い、マルコムら率いる軍が勝利を収め、ダンシネイン城に入城し、マルコムが新たなスコットランド王になるのだった。
全ての幕が閉じた(完)