・三幕五場
雷鳴が轟く荒地にて、マクベスに予言を与えた3人の魔女が、魔女の女王であるヘカティーに出会う。
前場が、マクベスと超自然的な敵(亡霊)との闘争を見せる場であったならば、この五場は今回の悲劇の元凶になった魔女たちを登場させて、今再びマクベスの運命を翻弄させるのであるのだ。
ヘカティーは、魔女たちが勝手にマクベスを喜ばせるような予言をしたことに腹を立て、今度は彼を破滅させるために動き出すのだった。
・三幕六場
スコットランド内のとある城、レノックスともう一人のある貴族が登場する。
前場を受けて、ここからマクベスに対して風向きが変わる。
'draw him on to his confusion: He shall spun fate, scon death, and bear His hopes 'bove wisdom, grace, and fear: And you all know, security Is mortal's chiefest enemy.' (奴を破滅の淵に引きずり込むのだ。 奴は狂うて己の運命を足蹴に掛け、 死をも嘲り、あだな高望みに全てを賭けて 神の恵みも、分別も、恐怖心すらそっちのけ、 知っての通り、生き身の人間、 自惚れこそが、何より大敵なのさ)
・三幕六場
スコットランド内のとある城、レノックスともう一人のある貴族が登場する。
前場を受けて、ここからマクベスに対して風向きが変わる。
ここまでマクベスの行為が臣下の疑念を招くことがなかったが、レノックスは彼がダンカンの二人の家来を殺すところを目撃した人物で、このことについてもう一人のある貴族と語りだす。
レノックスは、マクベスの一連の行動に理解を示すのだが、余りにもことが彼に対して上手く運び出す。その偶然に対し疑惑を呼び起こしたのだ。
'My former speeches have but hit your thoughts, Which can interpret further: only, I say, Things have been strangely borne: the gracious Duncan Was pitied of Macbeth:―― marry, he was dead:―― And the right valiant Banquo walked too late; Whom, you may say, if't please you, Fleance killed, For Fleance fied. Men must not walk too late. We cannot want the thought, how monsterous If was for Malcolm and Donalbain To kill their gracious father ?―― damned fact! How did it grieved Macbeth ! did he not straight, In pious rage, the two deliquents tear, That were the slave of drink, and thralls of sleep: Was not that nobly done ? Ay, and wisely too; For 'twould have angered any heart alive To hear the men deny it.' (私が以前に申し上げたこと、一々お考えと一致します。 その先も解釈次第で色々と見方はあろう、自分としては、 ただ一言、諸事不可解のまま、そう言いたいだけだ。 仁徳高いダンカン前王を、マクベス王が哀悼する、 ―― それも結構、ダンカン前王は亡くなりましたからな。 一方、猛将バンクォーの夜歩き―― もちろん、考えようでは、 フリーランスが手を降したとも言える。逃げてしまいましたからな。 とにかく、うっかり夜歩きもできない。ま、誰だって怪しまざるえまい、 マルコムやドルヌベインが、情け深い父親を殺したと言われれば?―― 忌まわしいにも程がある! マクベスがどんなに怒り悲しんだことか! 怒り狂って、その場で犯人二人を滅多斬り、これも当然、酒や眠りの 奴隷になるような奴なら、マクベスの果断はむしろ称すべきと言えようか? その通り、また賢なり明なり、なぜなら、もし奴らが犯行を否定したなれば、 生き身の人間、誰だって腹が立つ)
レノックスは、マクベスの一連の行動に理解を示すのだが、余りにもことが彼に対して上手く運び出す。その偶然に対し疑惑を呼び起こしたのだ。
'So that, I say, He has borne all things well: and I do think, That, had he Duncan's sons under his key (As, an't please heaven, he shall not), they should find What 'twere to kill a father; so should Fieance. But, peace !―― for from broad words, and 'cause he failed His presence at the tyant's feast, I fear, Macduff lives in disgrace.' (要するに何もかも 王は万事上手く片付けたものだ。思うに、こうとも言える、 もしダンカン前王の息子たちも、マクベス王の掌中に落ちたとしたら、 (まあ、そうも何もかも都合よく運ばぬだろうが)しかし、万が一そうなったら、 父殺しの大罪が如何なるものか、思い知ったことだろう。 フリーランスとて同じこと。しかし、待て!―― 例のマクダフ、噂によれば、 余りにも大っぴらに喋りたてたうえに、僭王の宴会にも出席しなかったので、 ひどく不興を蒙ったとか)
ここである貴族は、そこから一歩進んで、新事実を述べる。
マクダフらマクベスに追われた者たちがは、マクベスの不興に堪えられずイングランドから逃げ出して、僭王マクベスを糺すため外国の援助を求めようとしているということであった。
これで三幕が閉じる。