・四幕一場
とある洞窟の中、中央に穴が開き、火焔が立ち上っている。その上に煮えたぎる大鍋がある。
雷鳴とともに、火焔の中から三人の魔女が一人ずつ現れた。
魔女たちは魔法の大鍋に様々なものを入れながら掻きまわす。魔女の女王であるヘカティーに言われたとおりにマクベスを刺激して向こう見ずにすると同時に、心を惑わす新たなる託宣をもたらそうとしていた。
マクベスはバンクォーの亡霊によってもたされた彼にとって気になる暗示に神経質になっていた。そこで今一度洞窟に訪ね、魔女に事の真意を問い質す。
すると魔女たちは、大鍋からそれぞれ幻影を呼び出し三つの託宣を語りだした。
'Beware Macduff; Beware the thane of Fife.' (マクダフに気をつけろ、 ファイフの領主に気をつけろ) 'Be bloody, bold, and resolve; laugh to scorn The power of man, for none of woman born Shall harm Macbeth.' (どんな残酷なことも臆せず大胆にやってのけるのだ 高の知れた人間の力など鼻先で笑ってやれ、 女の産み落とした者にマクベスを倒す者はいない) 'Be lion-mettled, proud; and take no care Who chafes, who fret, or where conspirers are: Macbeth shall never vanquished be, until Breat Birnam wood to high Dunsinane hill Shall come against him.' (獅子の心を身につけ、傲然と構えているがよい、 誰が怒ろうとも、誰が悩もうとも、 裏切り者が何を企もうとも、一切気にかけるな、 マクベスは滅びはしない、大バーナムの森が ダンシネインの丘に攻め寄せて来ぬ限り)
つまり、
1.ファイフの領主マクダフを警戒する。
2.女から生まれた者にはマクベスは倒せない。
3.森が移動することがない限り大丈夫である。
と、予言したのだった。
とくに2、3を満たす条件などありえないので、マクベスは万全なのではないかと思わせるのだが、話の展開上そうとはならないのが見ものなのであるのだ。
1.ファイフの領主マクダフを警戒する。
2.女から生まれた者にはマクベスは倒せない。
3.森が移動することがない限り大丈夫である。
と、予言したのだった。
とくに2、3を満たす条件などありえないので、マクベスは万全なのではないかと思わせるのだが、話の展開上そうとはならないのが見ものなのであるのだ。
マクベスはどうしても気になることがあった。それはバンクォーの子孫(フリーランス)たちのことであった。
マクベスの要請に応える形で、新たなる幻影を呼び出す。そしてその幻影を八人の王の影が現れ、その後に血だらけのバンクォーが続いていた。
つまり先の予言は、いまだに有効であるということなのだ。マクベスはバンクォーの血の系統に怯え続けるということである。
これだけの事を告げると、魔女たちは忽然と消え去り入れ替わるようにレノックスがやって来て、マクダフがイングランドへ逃亡したと告げに来たのだった。
そしてマクベスは魔女たちの下した託宣通りマクダフを始末するため動き出す。
・四幕二場
ファイフのマクダフの居城、マクダフの妻と子供、そして使者のロスが登場する。
ロスはマクダフがイングランドに落ち延びたことをマクダフ夫人に知らせに来たのだった。
マクダフ夫人は、夫の不甲斐なさを嘆いているところへ、新たなる使者が危険を知らせ、退去するようにと訪れるのだが、時すでに遅く、刺客たちによって城内の者たちは、皆殺しにされてしまう。
マクダフ夫人は、夫の不甲斐なさを嘆いているところへ、新たなる使者が危険を知らせ、退去するようにと訪れるのだが、時すでに遅く、刺客たちによって城内の者たちは、皆殺しにされてしまう。
前場によってマクベスが考えたことは、自身を妨げるすべての者に、徹底した鉄槌を下すことであった。
最初の犠牲になったのがマクダフであるのだが、彼はイングランドへ逃亡してしまったので、その怒りの矛先がマクダフの妻子へと向けられたのだ。
最初の犠牲になったのがマクダフであるのだが、彼はイングランドへ逃亡してしまったので、その怒りの矛先がマクダフの妻子へと向けられたのだ。