イングランドのエドワード懺悔王の宮殿前にてマルコムとマクダフが登場。
魔女たちによって予言された運命が、マクベスの敵たちの動向いかんに関わらず動いている。
マクダフはイングランドに援けを求めるためマルコムの下へ赴いていた。
マクダフはイングランドに援けを求めるためマルコムの下へ赴いていた。
ところが、マルコムはマクダフの真意を疑っていた。彼はマクダフがマクベスの命を受けて、自分を誘き出しに来たと考えていて、マクダフが妻子をスコットランドに残して逃げて来たことを、人質として残して来たものと解釈した。
マクダフは自身の誠実を疑われて悲しむが、それを見てもマルカムの疑いは解けない。彼は王位簒奪を説くマクダフに向かって、自分がどんなに国王として不適格であるかということを誇張して話す。
マクダフの悲嘆の真実の言葉によってマルコムの心を揺り動かして、とうとうマクダフに対する疑惑が解ける。いま言ったことは全て嘘である、と言い、すでにマクベスを討つための軍備を整えていると打ち明けた。
'The king becoming graces, As justice, verity, temperance,stableness, Bounty, perseverance, mercy, lowliness, Devotion, patience, courage, fortitude, I have no relish of them; but abound In the division of each several crime, Acting it many ways. Nay, had I power, I should Pour the sweet milk of concord into hell, Uproar the universal peace, confound All unity on earth.' (国王にふさわしい美徳、 すなわち正義、真実、節制、信念、寛容、 忍耐、慈悲、謙譲、敬虔、我慢、勇気、 不屈の精神など、これらすべて一切、 私は持っておらず、それどころか、 この胸の内には、ありとあらゆる 種類の罪に満ちている。もしこんな男が権力を握ったら、 心を和ます甘い乳を地獄に注ぎ込み、 内外の平和を掻き乱し、 地上の調和をぶち壊してしまうだろう)
マルコムの言葉にマクダフの勇気が挫けてしまう。暴君マクベスか、怪物マルコムか、どちらを選ぶにしろ、スコットランドに未来はない。栄光の日々への再生は望み薄であるからだ。
'Fare thee well ! These evils thou repeat'st upon thyself Have banished me from Scotland. ――O, my breast, Thy hope ends here !' (もうお暇を! マルコム様ご自身がが今お挙げになった悪徳の数々、 おかげで、このマクダフも、スコットランドに 二度と帰れなくなりました。 ――ああ、この私の胸よ、 お前の希望は、ここで費えた!)
マクダフの悲嘆の真実の言葉によってマルコムの心を揺り動かして、とうとうマクダフに対する疑惑が解ける。いま言ったことは全て嘘である、と言い、すでにマクベスを討つための軍備を整えていると打ち明けた。
しかし、今度はマクダフが疑いを持ち、沈黙してしまった。
'Such welcome and unwelcome things at once, Tis hard to reconcile.' (希望と絶望とが同時にやって来て、 どうしたらよいのか)
マクダフの回復に時間を与えるために、ここで一見、劇とは全く関係ない話が入っている。
この劇の上演当時のイギリス国王・ジェイムズ一世へのお世辞である。
ジェイムズ一世は、King's evil(るいれきに触れる)だけで病気を治す力があると信じられていたのだが、その話が挿入されているのだ。
この劇の上演当時のイギリス国王・ジェイムズ一世へのお世辞である。
ジェイムズ一世は、King's evil(るいれきに触れる)だけで病気を治す力があると信じられていたのだが、その話が挿入されているのだ。