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「マクベス」 舞台内容 三幕四場

2009-12-01 09:27:21 | 「マクベス」

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 城外でバンクォー親子の殺害が行なわれている時、宮殿内の広間では酒宴が開かれていた。
客たちは円卓の周りに着席し、マクベス王夫妻が登場する。


 マクベスが円卓の席に着こうとする時、殺し屋の一人が入り口に現れると、マクベスは殺し屋の元に赴いて、バンクォーの殺害は成功したが、息子のフリーランスは失敗した報告を受ける。
 肝心のフリーランスが逃げたとあっては、マクベスはがっかりするのだった。


 'Then come my fit again: I had else been perfect;
   Whole as the marble, founded as the rock,
   As broad and general as the casing air:
   But now I am cabined, confined bound in
   To saucy doubts and fears.'
 (そうだったのか、また不安の発作が襲い掛かってくる、
 それさえ上手くいけば、俺は完全だったのだ。
 大理石の硬さに岩のような揺るぎなさ、万物を蔽う
 大気の伸びやかさ、それらを身に着けたであろうに、
 それが今は、息苦しい穴倉に閉じ込められてしまった)


 その間、酒宴の開会が遅れていることをマクベス夫人が夫に思い出させ、夫のマクベスは咄嗟にバンクォーが遅刻して、この場にいないことに対する遺憾の意を述べる。
 'Here had we now our country's honour roofed,
   Were the graced person of our Banquo present;
   Who may I rather challenge for unkindness
   Than pity for mischance.'
 (これで国中の名門が一堂に会したわけだが、
 バンクォーだけが欠けているのが、その不実も、
 なじって済まされるものなら、これに越したことはない、
 彼に不慮の災いなど起こらぬように)


 よく言う。すでにバンクォーは、この世にいない。ただし彼は違った形で参加していたのだが…… 
この辺りはシェークスピアの皮肉さを感じるところだ。

 さらに言えば、もうひとりマクダフが参加していない。ここではそのことには触れておらず、後でマクベスと夫人の会話によって判明し、そのことにマクベスは、マクダフに対して強い不興を抱くのだ。




 主君のマクベスが愛想が良いことに勇気付けられて、ロスが開いている席にマクベスを座るように勧めるのだが、その場所には死んだはずのバンクォーが座っていた。マクベス以外は気がつかない。当然マクベス夫人も見えなかった。マクベスのみが真っ赤な血に染まったバンクォーの亡霊の姿に恐れおののく。
 本来国王たるマクベスが座る場所なのだが、そこにバンクォーの亡霊が座っているということは、魔女たちの予言のとおり、何時かはバンクォーの子孫のための場所であるという暗示なのだ。




 周りの人たちはバンクォーの亡霊に気付かないので、不安がるがマクベス夫人が機転を利かし、その場を取り繕い、夫を嗜めるのだった。
Lady M.:                    My worthy lord: ――
       Your noble friends do lack you.

Macbeth:                             I do forget: ――
       Do not muse at me, my most worthy friends;
       I have a strange infirmity, which is nothing
       To those that know me. Come, love and health to all;
       Then I'll sit down; give me some wine, fill full.
マクベス夫人:            陛下……
      お客さまが貴方をお待ちですよ

マクベス:              そうだったな……
    いや、お歴々、お気になさらぬように。
    妙な持病だが、よくこれにやられる、
    知っている者は、少しも驚くまいが何でもない。
    さあ、酒をくれ、並々と注いで貰おう。
    では、ここにおいでのお歴々全てのために乾杯しよう


 この直後にバンクォーの亡霊が再びマクベスの前に現れ、彼は狼狽するのだ。




 ここに集まった者たちは、マクベスが亡霊を見ていることなど露にも思わないので、マクベス夫人の言葉を真に受けて、散会することになるのだった。


 バンクォーの亡霊が消えると、マクベスは我に返る。人間の策略に対しては、それに対応する策略を持って臨むことが出来た。
警戒を怠らず、また悔悛の念によって行動を阻むこともなかった。
            'I am in blood
   Stepped in so far, that, should I wade no more,
   Returning were as tedious as go o'er.'
             (俺は血の流れに
 ここまで踏み込んでしまった以上は、今さら引き返せるものではない。
 思い切って渡ってしまうのだ)

 




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