城外でバンクォー親子の殺害が行なわれている時、宮殿内の広間では酒宴が開かれていた。
客たちは円卓の周りに着席し、マクベス王夫妻が登場する。
客たちは円卓の周りに着席し、マクベス王夫妻が登場する。
マクベスが円卓の席に着こうとする時、殺し屋の一人が入り口に現れると、マクベスは殺し屋の元に赴いて、バンクォーの殺害は成功したが、息子のフリーランスは失敗した報告を受ける。
その間、酒宴の開会が遅れていることをマクベス夫人が夫に思い出させ、夫のマクベスは咄嗟にバンクォーが遅刻して、この場にいないことに対する遺憾の意を述べる。
肝心のフリーランスが逃げたとあっては、マクベスはがっかりするのだった。
'Then come my fit again: I had else been perfect; Whole as the marble, founded as the rock, As broad and general as the casing air: But now I am cabined, confined bound in To saucy doubts and fears.' (そうだったのか、また不安の発作が襲い掛かってくる、 それさえ上手くいけば、俺は完全だったのだ。 大理石の硬さに岩のような揺るぎなさ、万物を蔽う 大気の伸びやかさ、それらを身に着けたであろうに、 それが今は、息苦しい穴倉に閉じ込められてしまった)
その間、酒宴の開会が遅れていることをマクベス夫人が夫に思い出させ、夫のマクベスは咄嗟にバンクォーが遅刻して、この場にいないことに対する遺憾の意を述べる。
'Here had we now our country's honour roofed, Were the graced person of our Banquo present; Who may I rather challenge for unkindness Than pity for mischance.' (これで国中の名門が一堂に会したわけだが、 バンクォーだけが欠けているのが、その不実も、 なじって済まされるものなら、これに越したことはない、 彼に不慮の災いなど起こらぬように)
よく言う。すでにバンクォーは、この世にいない。ただし彼は違った形で参加していたのだが……
この辺りはシェークスピアの皮肉さを感じるところだ。
さらに言えば、もうひとりマクダフが参加していない。ここではそのことには触れておらず、後でマクベスと夫人の会話によって判明し、そのことにマクベスは、マクダフに対して強い不興を抱くのだ。
この辺りはシェークスピアの皮肉さを感じるところだ。
さらに言えば、もうひとりマクダフが参加していない。ここではそのことには触れておらず、後でマクベスと夫人の会話によって判明し、そのことにマクベスは、マクダフに対して強い不興を抱くのだ。
主君のマクベスが愛想が良いことに勇気付けられて、ロスが開いている席にマクベスを座るように勧めるのだが、その場所には死んだはずのバンクォーが座っていた。マクベス以外は気がつかない。当然マクベス夫人も見えなかった。マクベスのみが真っ赤な血に染まったバンクォーの亡霊の姿に恐れおののく。
本来国王たるマクベスが座る場所なのだが、そこにバンクォーの亡霊が座っているということは、魔女たちの予言のとおり、何時かはバンクォーの子孫のための場所であるという暗示なのだ。
周りの人たちはバンクォーの亡霊に気付かないので、不安がるがマクベス夫人が機転を利かし、その場を取り繕い、夫を嗜めるのだった。
Lady M.: My worthy lord: ―― Your noble friends do lack you. Macbeth: I do forget: ―― Do not muse at me, my most worthy friends; I have a strange infirmity, which is nothing To those that know me. Come, love and health to all; Then I'll sit down; give me some wine, fill full. マクベス夫人: 陛下…… お客さまが貴方をお待ちですよ マクベス: そうだったな…… いや、お歴々、お気になさらぬように。 妙な持病だが、よくこれにやられる、 知っている者は、少しも驚くまいが何でもない。 さあ、酒をくれ、並々と注いで貰おう。 では、ここにおいでのお歴々全てのために乾杯しよう
この直後にバンクォーの亡霊が再びマクベスの前に現れ、彼は狼狽するのだ。
ここに集まった者たちは、マクベスが亡霊を見ていることなど露にも思わないので、マクベス夫人の言葉を真に受けて、散会することになるのだった。
バンクォーの亡霊が消えると、マクベスは我に返る。人間の策略に対しては、それに対応する策略を持って臨むことが出来た。
警戒を怠らず、また悔悛の念によって行動を阻むこともなかった。
警戒を怠らず、また悔悛の念によって行動を阻むこともなかった。
'I am in blood Stepped in so far, that, should I wade no more, Returning were as tedious as go o'er.' (俺は血の流れに ここまで踏み込んでしまった以上は、今さら引き返せるものではない。 思い切って渡ってしまうのだ)