「地の底に潜み、屍肉を喰らう忌まわしい鬼たち。彼らの多くは、人肉の味を覚え、堕落し尽くした人間の成れの果てである」
・「Ghoul(食屍鬼)」は、墓場を荒らして屍体を喰らう、文字通りの鬼のような存在である。
・ゴムのような弾力性のある厚い皮膚は、一見、腐乱死体のように爛れており、犬を思わせる顔立ちと、鉤爪を備えた手を持ち、常に前屈みで移動する。
・彼らは人間社会に寄生し、その残飯や排泄物、時には屍体を得て生活をしているため、常に人間の街に程近い場所に潜んでいる。
・古い時代には、墓所の納骨堂の奥などに潜んでいたものだが、20世紀に入って、こうした場所が失われていく中で、世界中の大都市の地下に張り巡らされた地下鉄トンネルに棲みつくようになった。
・時に列車事故を誘発させて、餌とする死体を狩る事件も起きている。大都市の地下鉄を運営している一部の企業は、彼らの存在に気が付いていて、私設警備隊を設置し、彼らとの間で地下の覇権を争っている。
・「Ghoul(食屍鬼)」の多くは、かつて人間であった頃の記憶を多少なりとも残しており、言葉を介してコミュニケーションをとることも可能である。
・「Ghoul(食屍鬼)」のコミュニティは、地球の「Dream Land(夢の国)」にも存在し、「Ghoul(食屍鬼)」たちが饗宴の残肴を投げ捨てるナスの谷間を登り続けると会うことができる。
・そこには、広大な墓地が広がっており、かつて「Richard Upton Pickman(リチャード・アプトン・ピックマン)」という名前を持っていた「Ghoul(食屍鬼)」もそこに棲んでいる。
・「Dream Land(夢の国)」では、顔面の上から下まで縦に裂けた口を持つガク族の屍体一つで1年間は「Ghoul(食屍鬼)」の社会全体を養うことができるといわれ、「Ghoul(食屍鬼)」たちは、時折り危険を冒してガク族の墓から屍体を掘り起こすという。
・猶、「Ghoul(食屍鬼)」たちは、モルティギアンという神を崇拝していると言われているが、この神性については余り多くのことが分かっていない。