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第十七夜 怪談 工場に出るモノ

2009-08-25 07:16:59 | 不思議夜話
 おはようございます。


 前回は、町工場に出る幽霊の話でした。
今回も工場つながりで綴っていきます。


 兄貴の勤める会社には、幾つかの工場が転々とあって、この話しは、前回のに登場した所とは違う工場での出来事。


 それは各社の工場が立ち並び、近くに新幹線の高架がある場所で、会社の中でも一番古くからあった工場だ。


 ある日、夜中1時をまわった頃に深夜勤務で働いていた従業員が、工場の敷地内で子供たちの遊び声を聞いた。
声のする方へ行ってみると、数人の子供たちが花火をして遊んでいる。


 工場内は、大きなトラックが頻繁に出入りしていたり、危険物も置いてあるため、敷地内は一般の人は立ち入り禁止。
しかも夜中の1時に子供たちだけで遊んでいるのは、どう考えても不自然なので注意をした。


 「危ないよ。ここは立ち入り禁止。もう遅いから家に帰りなさい」
と話しかけた。
すると子供たちの姿が、すぅ~と消えて辺りに子供たちの笑い声が響いたという。


 そして「夜中に子供たちが花火をして遊んでいた」とか、「子供たちの笑い声が聞こえる」など、何人もの従業員たちが同様の体験をした。


 その幽霊話は、大きく広がって地元の地方紙にも取り上げられるまでなった。
会社側は、事態を沈静化するために神主を呼んでお払いをしたのだが、どうやら効き目はなかったようである。


 それからしばらくして、その工場は大きな火事になってしまい、全焼してしまったのだ。
大きな工場だったので数時間も燃え続けて、近くを走る新幹線が、安全のために徐行運転になったほどの火事だった。


 当時の地方紙やTVでも火事の模様が放映された。
出火原因は、火の粉が排気用のダクトに燃え移ったとのことだったが、その火の粉がどこから発生したのかは判らなかった。


 もしかしたら、あの花火をしていた子供たちの幽霊の仕業かもしれない。


 そんな不思議な話でした。




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