佐々木謙著。
以前、何となくチャンネルを変えたテレビに映ったドラマでした。二回連続の第二回目で、初回を見逃しました。
それが「警官の血」をテレビドラマ化したものだとは知りませんでした。
その時のことは忘れていました。
時は過ぎて、現在。
予備知識がない作品だと思って、タイトルに惹かれて手に取りました。
しかし、下巻に入り「高級腕時計を支給される」シーンを読んだとき、あのとき見たテレビドラマのことを思い出しました。
この作品のおもしろいと思ったところは、戦後の日本の歩みを事件中心に捉え、それに登場人物である親子3代の警官の人生を絡めているところです。世相や、思想の移り変わりも分かりやすく描かれています。また、物語の要である「警官」という仕事も分かりやすく描かれています。
制服の警官と捜査の警官の仕事への取り組み方というか心構えの違いも描かれたいます。
祖父の代でなぜ警官になったのか、そしてその素朴な思いが2代目にも引き継がれ紆余曲折があって念願かなって父と同じ駐在所警官になることが叶います。しかし、父の死の謎を追うことと自分がたどった過酷な潜入捜査の後遺症で自ら命を落とすことに・・・。
3代目である孫も警官になります。しかし彼は駐在警官ではなく巨悪を叩くことを目的に捜査の警官になります。でも、結局は祖父の思いを実践する警官になることができました。
祖父の思いとは「善良な市民に起こる犯罪を取り締まる」という素朴な正義感です。祖父はそのために不審な死を遂げてしまいます。
2代目は父の死の謎を追います。それと同時に「父のような駐在警官になるのが自分の性に合っている」という思いを持ちながら過酷な潜入捜査を経て、駐在警官になります。
3代目は警察機構の中で自分の意志に反する仕事を命ぜられますが、それを何とかうまくこなした後自分の考える警官になろうと動きます。しかし、途中で横やりが入りそうになりますが、それを防いでくれたのはなんと皮肉なことに「父と祖父の死」だったのです。
世の中に数多の職がありますが、親から子へと引き継がれるという給料取りの職業はそんなに多くはありません。警官という職業はその中のひとつです。
作品でも触れていますが親子2代警官になると言うことは、その親がよい育て方をした結果であって警察の組織にとっても良いこと、だそうです。
少なくともこの安城家の場合はそうだと言えるでしょう。
私はこの作品を読みながら、それぞれの安城巡査が取ったちょっと規範からはずれた行動も分かるような気がします。法律や建前だけでは世の中が動かないのは百も承知で、そこをすりあわせるのは人間の度量なのかもしれません。
あっ、そういえばこの作品は謎解きのミステリーなのでしたね。私は警官の人生ばかりに目が向いていて、謎解きの方はあまり関心がありませんでした。
被害者は二人ともオカマさんぽい事、戦地帰りの元将校が刑事として影を見せた時点でなんとなく・・・・。
でもそんなことを抜きにして、この作品はおもしろいです。
警察の仕事は何か、と言うこと、そしてそこで働く警官は何を考えているのか、おそらく綿密な取材があったのだと思います。
以前、何となくチャンネルを変えたテレビに映ったドラマでした。二回連続の第二回目で、初回を見逃しました。
それが「警官の血」をテレビドラマ化したものだとは知りませんでした。
その時のことは忘れていました。
時は過ぎて、現在。
予備知識がない作品だと思って、タイトルに惹かれて手に取りました。
しかし、下巻に入り「高級腕時計を支給される」シーンを読んだとき、あのとき見たテレビドラマのことを思い出しました。
この作品のおもしろいと思ったところは、戦後の日本の歩みを事件中心に捉え、それに登場人物である親子3代の警官の人生を絡めているところです。世相や、思想の移り変わりも分かりやすく描かれています。また、物語の要である「警官」という仕事も分かりやすく描かれています。
制服の警官と捜査の警官の仕事への取り組み方というか心構えの違いも描かれたいます。
祖父の代でなぜ警官になったのか、そしてその素朴な思いが2代目にも引き継がれ紆余曲折があって念願かなって父と同じ駐在所警官になることが叶います。しかし、父の死の謎を追うことと自分がたどった過酷な潜入捜査の後遺症で自ら命を落とすことに・・・。
3代目である孫も警官になります。しかし彼は駐在警官ではなく巨悪を叩くことを目的に捜査の警官になります。でも、結局は祖父の思いを実践する警官になることができました。
祖父の思いとは「善良な市民に起こる犯罪を取り締まる」という素朴な正義感です。祖父はそのために不審な死を遂げてしまいます。
2代目は父の死の謎を追います。それと同時に「父のような駐在警官になるのが自分の性に合っている」という思いを持ちながら過酷な潜入捜査を経て、駐在警官になります。
3代目は警察機構の中で自分の意志に反する仕事を命ぜられますが、それを何とかうまくこなした後自分の考える警官になろうと動きます。しかし、途中で横やりが入りそうになりますが、それを防いでくれたのはなんと皮肉なことに「父と祖父の死」だったのです。
世の中に数多の職がありますが、親から子へと引き継がれるという給料取りの職業はそんなに多くはありません。警官という職業はその中のひとつです。
作品でも触れていますが親子2代警官になると言うことは、その親がよい育て方をした結果であって警察の組織にとっても良いこと、だそうです。
少なくともこの安城家の場合はそうだと言えるでしょう。
私はこの作品を読みながら、それぞれの安城巡査が取ったちょっと規範からはずれた行動も分かるような気がします。法律や建前だけでは世の中が動かないのは百も承知で、そこをすりあわせるのは人間の度量なのかもしれません。
あっ、そういえばこの作品は謎解きのミステリーなのでしたね。私は警官の人生ばかりに目が向いていて、謎解きの方はあまり関心がありませんでした。
被害者は二人ともオカマさんぽい事、戦地帰りの元将校が刑事として影を見せた時点でなんとなく・・・・。
でもそんなことを抜きにして、この作品はおもしろいです。
警察の仕事は何か、と言うこと、そしてそこで働く警官は何を考えているのか、おそらく綿密な取材があったのだと思います。