今月16日で、コウがうちに来て3年が経ちました。
コウは野良犬の子として
2015年10月に生後1か月(推定)で保護され
保護犬ボランティアさんのおうちで
生後4か月までの3ヶ月間を過ごしました。
幼犬期を、お姉ちゃん犬や他の成犬たちと共に過ごしたので
わんこ界の社会性(挨拶のしかた等)はちゃんと学んでいたし
トイレも90%はシートで出来ていました。
この頃に、私が里親募集サイトでコウをみかけて応募。
コウは香川県にいたので、事前に会いに行けず
電話で細かなやりとりをして
「初対面の日」 = 「一緒に暮らす日」になりました。
⇧当日、すごく不安で泣きそうな表情のコウ。
私と目が合うと「コワイ! こっち見ないで!」って
言っているかのように、震えが止まらなかったコウ。
ごはんは、私が近くにいると食べず
でも目を離したすきに、ペロリと平らげていたので一安心。
翌日に出たうんちを見て、感動するほど嬉しかったのを覚えています。
翌日から毎日、朝と晩に1時間ほど抱っこして
のんびりマッサージしながら、たくさん話しかけました。
抱っこするときは毎回震えます。
しばらくすると落ち着いて、まったり。
でも次に抱っこするときは、またブルブル震え、一からやり直しです。
そんな日が続き
うちに来て10日目くらいからやっと以下の状態になりました。
・ベッドの周りのもので遊びだす。
・見ていてもごはんを食べる。
・話しかけると、目を見て理解しようとする。
(段ボール箱のふちを噛んで遊ぶのでボロボロ)
そんなある日、驚くべきことが起きました。
外出から帰ると、なんと!
クッションごと箱の外に出ている!!
(↑その時の写真)
遊んでいてちょっとはみ出したのではなく
明らかに、自分でクッションを引きずりだして、レイアウト変更している
少し前から、起きている間はずっと箱から顔を出して
私の行動を観察していたので、箱が邪魔になったのかもしれません。
これを見たときは
「こんなに小さくても、いろんなことを考えて行動しているんだな」
と感心しました。
その後、箱にはいっさい入らなくなったので撤去。
(お姉ちゃんわんこ達の匂いのついたタオルと一緒)
その後、2週間が過ぎてやっと
・抱っこしても震えなくなり、少し甘える。
・自分でサークルから出てくる。(が、まだビクビク)
・抱っこして一緒にうたた寝する。
・窓の外の鳥に反応して少し吠える。
1か月~1か月半すると
・廊下でひとりで遊ぶ。
・部屋の中をトコトコ歩き回る。(が、私が急に動くと怯える)
・私がサークルに入っても怯えなくなる。(が、正面から面と向かうと怯える)
・サークルの外でくつろぐ。(私が近くにいなければ)
生まれたときから人間に慣れているわんこなら
初日から人懐っこく遊んだり
人のあとを追ってくるのが当たり前かもしれませんが
保護犬や、警戒心が強い子にとっては
何てことない事、一つ一つに時間がかかります。
コウはこれでもすごく早い方で
もっともっと時間のかかる子は沢山います。
慣れたと思ったら、また警戒され
距離が近づいたり遠ざかったり
一進一退の繰り返しです。
でも、そうやって時間をかけて一つ一つクリアしていく過程が
「喜びの階段」であり「親子になる」ということだと思います。
その後、2か月経過したくらいから
外の世界に慣らせようと
初めてお庭に出たときは、ビビりしょん。
初めて隣のおじさんに会った時も、ビビリしょん。
初めて車に乗った時は、私めがけてちっこジョージョー
初めて病院に行った時も、ちっこ&うんP~で
お医者さんがオムツをつけてくれました。
(ちょっと情けない顔が可愛い)
ちなみに、畑や
海は
初めての時から全く怖がりませんでした。
人工物に対してとても臆病ですが
自然に対しては、とても心地よさそうにその場に馴染んでいました。
なので、コウのオモチャやおやつは
人間が見て楽しいものやカワイイものよりも
自然に近いものを与えるようにしています。
オモチャは、鹿の角やロープ、畑にあるもの(枝・石・野菜…etc.)。
使ったあとゴミにならないのが良いです
おやつは、かぼちゃ↑・サツマイモ・煮干し・骨・乾燥牛タン皮など
素材だけで添加物がないものです。
全然、写真映えしないけど (笑)
コウが満足して健康でいれば良いと思っています。
そういえば当時
「赤ちゃん犬のしつけと育て方」なる本を買ったのですが
あまり参考になりませんでした。
というのも
警戒心のない、ビビリではない子を対象としていて
子犬は「人のあとをついて歩く」とか
「ボールを追う」とか「食べ物につられる」という事を
前提として書かれているのですが
これらすべて、コウには当てはまらなかったからです。
それに
「犬はマズル(口周り)を触られるのを嫌がる」
と書いてあったけれど
コウは逆で、ソワソワ不安そうな時に
マズルを手やタオルで優しく包むと安心していました。
コウがよく自分の前足でマズルを包んでいるのを見て思いついたことです。
(もちろん、他人が触ろうとしたら嫌がると思いますが)
なので
犬を飼うときは、本に書いてあることを鵜呑みにせず
そういう場合もあるのね。と参考程度にして
第一に、目の前にいる子をよく観察し、細かな反応をみて
その子のペースに合わせて (←ここ大事)
おおらかに、柔軟に対応するのが良いのかなと思います。
人間と同じかな。
しつけ法とか、教育方針とか、教育理論よりも
目の前にいる子どもをよく見ることが一番大切ですよね。
そして、コウが2歳~3歳になる頃に
他人や他犬に対しての反応に、変化が現れました。
それまでは、他人に対してビビリながらも
何をされても、ひたすら静かにやり過ごしていたことが
嫌なことや、不審なことに対して
軽くですが、唸ったり吠えたりして、意思表示するようになり
いつも吠えながら畑の前を通り過ぎる犬に対しては
じーっとただ眺めていたのが
相手が吠える前に、先に吠えて牽制するようになりました。
派手に威嚇することや、噛むことはないし
たいていのことは静かに受け入れることができるので
特に問題とは思っていませんが
反応がエスカレートしないように注意して見ています。
ある記事によると
犬の「身体的」な成長が、1歳半位までなのに対して
「精神的」に成熟するのが、だいたい3歳前後で
その頃までに性格の変化があるのだとか。
この3年間、コウの成長と共にいろいろなことを経験して
「犬を飼う」ということの責任を実感し
最低限の「オイデ・マテ・スワレ・オテ」ができる事は
コウを危険から守るために
とても重要だということも学びました。
そのおかげで、リードが外れてしまっても、呼び戻すことができるし
コウとの信頼関係は、更に強くなったように思えます。
これからも、少し大人になったコウ(まだまだ甘ったれだけど)
と共に、沢山の楽しい時を過ごしたいと思います。
もちろん、コウの大好きな空にぃも一緒にね。
(コウを見る空の優しい眼差しが好きです)
<保護犬を迎えたいと考えている方へ>
昨今、保護犬の認知度が上がり
「命をお店で買う」のではなく
保護犬を家族として迎える方(里親)が増えているのは
とても喜ばしい事だと思います。
しかし「可哀想だから引き取ってあげる」とか
単純に「かわいいから欲しい」といった気持ちで
安易に引き受け
「全然懐かない」とか「言うことを聞かない」
などの理由で「やっぱりいらない」と返したり
ひどいのは、飼育放棄や、再び捨る人もいると聞きます。
保護犬の生い立ちや経験によっては、扱いが難しい子もいるし
里親との相性もあり
そこは引き渡す側のマッチング能力も必要かと思いますが
受け入れる側としては
・自分はどんな子を受け入れることが可能なのか
・「命を引き受ける」ということ
・どんな状況でも、共に前向きに生きていく覚悟があるか
里親になる決断をする前に
一度、冷静になって考え
今の状況では難しいのであれば
思いとどまることも、とても大切だと思います。
そして、里親になったなら
その子と共に「喜びの階段」をゆっくり上りながら
いっぱい愛を注いで
いっぱい楽しい時間を満喫しましょうね!