ジニーの、今日も気まぐれな感じで・・・

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若竹七海 『プレゼント』 読了

2019年09月29日 06時12分32秒 | 読書
おはようございます、ジニーです。


やっぱり、若竹七海さんは面白いですね。
今回読んだのは、「プレゼント」。
以前このコーナーで書いた「静かな炎天」と同じ、葉村晶シリーズです。
シリーズ最初の作品である、本作。
最初から葉村晶のハードラックな性分を楽しく事ができました。
そして僕としては、はじめましての小林警部補も、その独特なキャラクターに
どっぷりつかってしまいました。


本作は、前述の葉村晶と小林警部補を交互に主役にした短編集です。
この作品の時点では葉村晶は清掃員やコールセンター、興信所、など
色んな職を転々としているのですが、ことあるごとに事件に巻き込まれます。

しかし、なんやかんや真相に行きつくのが、葉村晶の面白さ。
謎解きをするというより、振り回されているうちに真相が見えてくるという感じ。
職や生き方に対する執着はほとんどないくせに、気になることがあると
首を突っ込みたがる性分がそうさせているんだと思うのですが、
無関心なのか、執着するタイプなのかどっちなのさ?
偏屈なんですよ、それだけに嫌われるし、人を怒らせるし、裏切られる。
彼女には申し訳ないけど、その辺が魅力なんですよね。
うん、実際にいたら関わりたくないけどw


小林警部補は警察なので、事件に巻き込まれるというより
職務として関わっている感じですが、この人も曲者です。
現場に娘のピンクの自転車で来る辺り、一筋縄ではいきません。
しかし、彼にかかると犯人はうっかりボロを出してしまう。
ひょうひょうとしている雰囲気が相手の樹を緩めて占めてしまうのかも
しれません。


全体的には、小林警部補の話のほうが面白かったように思います。
立場的にミステリーとして組み立てやすいのかもしれませんね。
最後の最後で小林警部補が、葉村晶を被害者とする事件にかかわるあたりは
なんともワクワクした気持ちで読めました。


「海の底」:葉村晶
「冬物語」:小林警部補
「ロバの穴」:葉村晶
「殺人工作」:小林警部補
「あんたのせいよ」:葉村晶
「プレゼント」小林警部補
「再生」:葉村晶
「トラブルメイカー」:小林警部補



なかでも、「冬物語」、「プレゼント」は個人的に好きですね。

まだまだある葉村晶シリーズ。
引き続き読んでいきましょう。



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