こんばんは、ジニーです。
今日は一條次郎さんの「ざんねんなスパイ」の読書感想です。
タイトルから分かる通り、スパイが主役となる小説です。
そして、タイトルから分かる通り、手に汗握ることのない、ゆるーい雰囲気の小説です。
なんといっても主人公。
73歳の老人、コードネームはルーキー。
なぜならこれまでスパイ活動など一度もしたことのない組織の清掃員だったから。
掃除屋とかそう言う意味ではなく、本当にモップを持って掃除する清掃員です。
ようやくスパイとして与えられた任務はとある街の市長暗殺。
そして、その市長と友達になってしまうガッカリな展開に。
ちなみに読めば分かるのでここで書いてしまいますが、冒頭の1行で暗殺対象の市長と友達になってしまったことがいきなり明かされます。
とにかくおいぼれスパイルーキーのざんねんさがずっと続く小説です。
もうね、「用心することをおろそかにしてしまう。用心するように用心しよう」みたいな感じがずっと続くんです。
読みながらツッコミが止まりません。
中盤以降は少し緊張感のある展開がはいり、みるみるうちにファンタジーな世界観に変貌します。
読みながら何が起こったのかよくわからなくなって、以降は僕の頭ではなかなか追いつかない状態に。
夢か現か判然としない感じです。
小説読みながら物語迷子になる貴重な経験をしました。
あとがきでは伊坂幸太郎さんとの対談があるのですが、すごい絶賛してました。
何か通ずるものが確かにある。
喋るカカシとかが出てくる「オーデュボンの祈り」的な?
最終的な感想としては、正直僕には上手く面白さが伝わらなかった小説です。
個人的には冒頭の流れのまま終始ドタバタしてて欲しかったな。
でも、ハマる人には抱腹絶倒な小説でもあると思います。
読み終わってから表紙を見て、「お前だったのか」と思わず呟きました。
真相はぜひ読んでみてください。