こんばんは、ジニーです。
暑い日が続きますね。
エアコンがこの世に無かったらどうなってしまうのだろうと、無意味なことを考えてしまうのも、きっと暑さのせいでしょう。
そんな中、三浦しをんさんの「舟を編む」を読みました。
なぜなのか、夜の海を連想するんですよね、この作品。
そういう描写があったことが影響してるのかな。
最初、タイトルから漁師の話なのかなと思いましたが、大外れ。
実は辞書の編纂をテーマとした小説です。
このタイトルは、「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」という意味から来ているそうです。
その辞書の名は「大渡海」(だいとかい)。
物語の始まりから、編纂が終わるまでの15年の物語です。
こう書くと、なんだか物々しい雰囲気を感じそうですが、内容はとても読みやすく、憎めないキャラや一癖あるキャラが全体にライトな雰囲気をもたらしてくれています。
原作が女性誌の連載小説だったのもそういう色を持った作品になった要因かと思われます。
主人公は玄武書房の営業マン、馬締光也(まじめみつや)。
名前に負けず劣らず真面目を地でいく男です。
彼を中心に、自社に魅せられた人生を歩む松本先生、先輩社員荒木、チャラい同僚西岡、スーパー事務佐々木、イマドキ女性営業岸辺といういずれもクセのある登場人物が脇を固め、ともすれば難解にもなってしまいそうな辞書編纂という物語を読みやすくエンターテイメント性の高い小説に昇華しています。
物語は各人物の視点での話がそれぞれ紡がれている形です。
それぞれがどんな想いや視点で辞書編纂に取り組んでいたのかが分かり最後の方には全登場人物に愛着が湧いている状態になっています。
それにしても、読めば読むほど辞書を作るということが、どこまでも途方もないものだと痛感します。
これはひとつの冒険のようでもあり、浪漫を感じずにはいられない小説でした。
調べたところ、本作は2012年に本屋大賞を受賞しているようです。
そりゃそうだよな、面白いもん。
また、映画化やアニメ化もしておりいずれも評価は高いようです。
実は僕もアニメ化の方が先に触れていました。
アニメ化している小説を読むと、登場人物の声が脳内再生されるのが良いですよね。
たぶん、それも読みやすかった一因です。
とても面白かった作品、まだ読んでない方はぜひ手に取ってみてください。