こんばんは、ジニーです。
2022年、最初の読書感想の更新となりました。
昨年、だいぶ書けないまま年を越してしまいましたので、
少しずつ消化していきますね。
今回は、成田名璃子さんの「東京すみっこごはん -レシピノートは永遠に-」。
昨年末にも更新した分の続編ですが、この巻をもって完結となります。
まずはシリーズの説明。
いつものやつ書きますね。
東京すみっこごはんとは、作中に出てくる共同食堂の名称です。
様々な人間が共存する都市、東京。
そんな都会の片隅、とある商店街のわき道にある古ぼけた一軒家。
縁もゆかりもない老若男女が集い、食を共にする場所。
くじ引きで食事当番を決めて、当番になった人は食堂にあるてづくりの
レシピ帳に沿って、みんなに手作りご飯をつくって振舞う。
素人だけど関係ありません。
まずくたって黙って食べる。
そんなルールのちょっと変わった場所です。
本作は連作短編集となっています。
作品ごとに主人公が変わり、彼(彼女)たちの視点で話が進みます。
また、話毎にテーマとなる「献立」がきまっており、それを調理し食べることで
だいたいいつもほんわかな感じで読了となります。
ただ、前回の4巻で、これまでとは少し違ったシリアスな雰囲気が続いていました。
これまでとは違い、「東京すみっこぎはん」を訪れた新しいお客さんが
常連になることなく、終えてしまったのです。
そんな状況からの、今回の完結編。
収録されているのは、
・勝負にカツ丼
・決断のピリ辛麻婆豆腐
・カレー・リレー
・思い出のおいなりさん
・レシピノートは永遠に
今作はシリアスな雰囲気は少ないですが、別れが多く少しもの悲しい
雰囲気が長く続きます。
ただ、そういった人との別れを通じて、成長を遂げるような
内容にもなっており、出会いと別れの大切さを感じられるような
完結編にふさわしい内容ではないかと思います。
個人的に好きなのは、カレー・リレー。
前述の通り、東京すみっこごはんではお店にあるレシピノートの
作り方をそのまま忠実に調理を進めていくのがルールなのですが、
その分、細かな指示がされており、だれが作っても同じ味になることが
基本となるのですが、このカレー・リレーにおけるカレーのレシピは
他のものに比べて少し揺らぎがあるのです。
その揺らぎに込められたレシピノートの制作者の意図とは?
少しミステリな要素も含めつつ、いろんな人の人生が一気に動き出す
本作では、改めて人と人の出会いの大切にさに気づかされますし、
食事というのは、人と食べるからこそおいしいのだなという
食事における最大のスパイスを感じられる1冊です。
笑顔も涙も、全部ひっくるめていく「いただきます」と「ごちそうさま」。
シンプルだけど、僕らのベースとなる「ごはん」を通して
日々の色んなものを自分の糧にしていっているのだなと感じられます。
このシリーズを読むと決まってご飯が食べたくなります。
是非、手に取ってみてほしい作品です。
2022年、最初の読書感想の更新となりました。
昨年、だいぶ書けないまま年を越してしまいましたので、
少しずつ消化していきますね。
今回は、成田名璃子さんの「東京すみっこごはん -レシピノートは永遠に-」。
昨年末にも更新した分の続編ですが、この巻をもって完結となります。
まずはシリーズの説明。
いつものやつ書きますね。
東京すみっこごはんとは、作中に出てくる共同食堂の名称です。
様々な人間が共存する都市、東京。
そんな都会の片隅、とある商店街のわき道にある古ぼけた一軒家。
縁もゆかりもない老若男女が集い、食を共にする場所。
くじ引きで食事当番を決めて、当番になった人は食堂にあるてづくりの
レシピ帳に沿って、みんなに手作りご飯をつくって振舞う。
素人だけど関係ありません。
まずくたって黙って食べる。
そんなルールのちょっと変わった場所です。
本作は連作短編集となっています。
作品ごとに主人公が変わり、彼(彼女)たちの視点で話が進みます。
また、話毎にテーマとなる「献立」がきまっており、それを調理し食べることで
だいたいいつもほんわかな感じで読了となります。
ただ、前回の4巻で、これまでとは少し違ったシリアスな雰囲気が続いていました。
これまでとは違い、「東京すみっこぎはん」を訪れた新しいお客さんが
常連になることなく、終えてしまったのです。
そんな状況からの、今回の完結編。
収録されているのは、
・勝負にカツ丼
・決断のピリ辛麻婆豆腐
・カレー・リレー
・思い出のおいなりさん
・レシピノートは永遠に
今作はシリアスな雰囲気は少ないですが、別れが多く少しもの悲しい
雰囲気が長く続きます。
ただ、そういった人との別れを通じて、成長を遂げるような
内容にもなっており、出会いと別れの大切さを感じられるような
完結編にふさわしい内容ではないかと思います。
個人的に好きなのは、カレー・リレー。
前述の通り、東京すみっこごはんではお店にあるレシピノートの
作り方をそのまま忠実に調理を進めていくのがルールなのですが、
その分、細かな指示がされており、だれが作っても同じ味になることが
基本となるのですが、このカレー・リレーにおけるカレーのレシピは
他のものに比べて少し揺らぎがあるのです。
その揺らぎに込められたレシピノートの制作者の意図とは?
少しミステリな要素も含めつつ、いろんな人の人生が一気に動き出す
本作では、改めて人と人の出会いの大切にさに気づかされますし、
食事というのは、人と食べるからこそおいしいのだなという
食事における最大のスパイスを感じられる1冊です。
笑顔も涙も、全部ひっくるめていく「いただきます」と「ごちそうさま」。
シンプルだけど、僕らのベースとなる「ごはん」を通して
日々の色んなものを自分の糧にしていっているのだなと感じられます。
このシリーズを読むと決まってご飯が食べたくなります。
是非、手に取ってみてほしい作品です。
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