こんばんは、ジニーです。
お久しぶりの読了コーナー。
読んでからだいぶたってからの投稿。
もっとタイムリーにしなくてはいけませんね。
さて、今回読んだのは若竹七海さんの「静かな炎天」。
「サンタクロースのせいにしよう」以来の若竹作品です。
葉村晶という不運な女探偵が主人公の作品です。
内容としては短編小説。
・青い影 七月
・静かな炎天 八月
・熱海ブライトン・ロック 九月
・副島さんは言っている 十月
・血の凶作 十一月
・聖夜プラス1 十二月
という6作品が収録されています。
先ほど女探偵と言いましたが、それだけでは食っていけないということもあり
ミステリ専門書店「MURDER BEAR BOOKSHOP」でアルバイトしてたりするんですが、
この書店の店長が曲者なんっですよね。
この店長は富山というのですが、本当に図太いというか、主人公葉村を
悩ます悩ますw
探偵の仕事をしようとしているのに、突然雑用を押し付けたり(反論は受け付けない)
技量も確認せず、ミステリフェアのお菓子を作らせようとしたり(結局ダメ出しする)
もうその辺を読んでいるだけで面白いw
しかしそういうものを挟みつつも、謎はちゃんと解いていく。
なんやかんや有能な葉村は憎めない女なのです。
個人的には「血の凶作」が一番お気に入りです。
上記のように、普段から振り回される葉村が、本作では輪をかけて振り回される。
もうギャグですw
打って変わって、表題作でもある「静かな炎天」では
終盤ハっとする展開が仕込まれており、ハードボイルドな色合いを
キュッと出してきたりもします。
全編から若竹さんの幅広い作風と、ユーモアと、ばらばらになりがちな内容を
一つに帰着させる技量は素晴らしいと、唸らされるのです。
本作、どうやらシリーズのようですので、ほかの作品も読んでみようと思います。
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