こんばんは、ジニーです。
少し暑さにやられて頭痛がする中更新しております。
8月も今日でラスト!
今回は島田荘司さんの御手洗潔シリーズです。
短編集としての最初の作品、「御手洗潔の挨拶」を読みました。
収録されているのは、
•数字錠
•失踪する死者
•紫電改研究保存会
•ギリシャの犬
の4編。
どれもタイプの違うミステリーであり、いずれもが非常に完成度の高い内容だなと思いました。
このレベルの話を短編でまとめるというのはなんとも読み手としては贅沢なものです。
特に好きなのは「数字錠」と「ギリシャの犬」。
「数字錠」ではある殺人事件の複数の容疑者から犯人を絞り込むタイプのミステリーですが、トリックがシンプルながらも読んでいて気づくことができない巧妙な展開になっていて、まさしく『やられた!』となる感じです。
普段変人のようにしか感じられない御手洗潔の美学(これはそのまま著者の美学でもあるのかな?)を垣間見ることができたのも面白かったですね。
キャラクターの深掘りがよりこのシリーズを面白くしているのだと思います。
「ギリシャの犬」では、誘拐事件の謎を解くのですが、なんとなくトリックはわかるんですよね。
ただそのトリックの解説の過程で、なんてことないと思ってた時間が急に繋がって、こちらは伏線回収の妙を味わえるものとなっています。
ちなみに暗号問題もあり、ミステリー好きにはたまらないと思います。
他にも物理的にありえない状況で見つかった死体の話、胡散臭い組織と関わることになった男が知らずに失っていたものの話。
前述の通り、それぞれにテイストの違う話なので、全く飽きがきません。
なんなら満腹感にも似た充足を味わうような感じすらします。
本作を通してますます御手洗潔が好きになりましたし、がぜん他の作品も読みたくなってきました。
このシリーズが長く愛されることが理解できる完成度の高い本作、ぜひ手に取ってみてください。
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