楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

ギリシャ問題での考察

2010-05-23 09:28:10 | Weblog

現在ユーロ圏で大きな問題となっているギリシャの債務超過。この先どのような展開をしていくのであろうか。

 現在ドイツ・フランスを入れた27カ国が加盟し、今までの国家の成立と違った新たな欧州連合体として発足した。

 過去の歴史の中では国家の成立は力によるものが多かったが、欧州連合体は人々の意思によった擬似国家の様相と見て取れる。

 だが今までの国家の成立は力関係によって国家の統一をはたし、国家の成立に欠かせないものとして、中央集権的な統一通貨を使うことだといえる。

 ここで問題としていえることはギリシャがユーロ圏に入っていなかったなら通貨の変動相場制の中でギリシャ通貨だけが値下がりしていたことになる。そこには輸入品に頼っているギリシャでは物価の値上がりというインフレ経済に陥ることは確実である。ただその責任はギリシャ国民にあるのであり、今のようなユーロ圏全体に降りかかるものではないといえる。

 仮にギリシャ通貨の貨幣価値が下がってインフレになり、物価が倍になったとしても人々は今のようなデモで対抗しようとはしないだろう。ユーロ圏の中において、ギリシャの公務員の給与が高いことから給与の引き下げによる生活の低下を恐れることからデモの頻発をきたしている。

 両者において生活の低下は免れないのだが。中央集権が及ばない国家連合(ユーロ圏)においてはいくら債務過多になったとしてもギリシャという国家・国民が優先されてしまう。
 仮にもし一国の中である一地域が債務過多に陥れば有無を言わさず中央政府が乗り出してきて。国の管理下のもとで財政再建を進めていくことになるのだが、連合というユーロ圏においては今回のように通貨のユーロが売り込まれ、ユーロ安という局面になってしまった。ここで一番得をする国はどこかということになると、それはドイツに他ならない。ユーロ通貨が他国通貨に比べて値下がりしたとすれば当然輸出が伸びることになるからだ。
 
そしてもっとも重要なことは力で統一した国家ではなく、国家の集合体である連合体は今後どうなるのかということになる。たぶん貨幣の問題が解決しない中で前途は厳しくなるだろうと予測できる。そこでどのように厳しくなるのかということになると、たぶん国によっての格差が広がりそこに不満が広がっていくことになるのかも知れない。