オーストラリア ヒロシのリタイヤ日記

1994年からメルボルン在住のヒロシです。留学後に現地で就職、国際結婚、2020年、55歳からリタイヤ生活。

オーストラリアの経済的階級の固定化

2024年02月20日 22時30分44秒 | 日記

今日は朝食の後、友達とハイキング。と言っても、いつものチャーチヒル国立公園に行ったら、門が閉まっていました。もう一つの入り口に回ったのですが、そこでも門が閉まっていて、作業員がいたので聞いてみると、この間の嵐で木が幾つも倒れているので、それが撤去出来るまでは閉鎖とのことでした。

折角来たので、この公園の入り口近くの高級住宅街を散歩することにしました。この辺りの土地は区画が5千平米くらいになっていて、通常の家が10軒くらいは立ちそうな広い区画です。

この為、家というかお屋敷の大きさも通常の3倍くらいの大きさの家が殆どで、家の値段は少なくとも2億円、高いものは10億円以上はしそうなお屋敷ばかりです。

テニスコートがあったり、殆どの家には水泳プールがあり、中には室内温水プールがある家もありそうです。

ただ、こんなお屋敷に住むと、庭の管理は庭師がやるだろうし、プールの管理も業者が来るだろうし、家の掃除は家政婦さんが来るのかもしれません。

この様な家に住めるのは、医者や弁護士や起業して会社を大きくした人か、親から莫大な遺産を相続した人達なのでしょう。

どこの国でもそうですが、オーストラリアでも富が次の世代に受け継がれる仕組みが出来上がっています。つまり、祖父母がお金持ちなら、かなりの高確率で、いずれは親もお金持ちになり、その子供達もお金持ちになります。

この理由は、まず、この国には相続税が無いので、親の遺産はそのまま子供に受け継がれます。勿論、子供が2人いれば、通常は遺産は2等分されてしまいますが、、、。子供達も自分たちの様な富裕層のパートナーを選びますから、減ることはありません。

それに、富裕層の子供達は一年の学費が4,5百万円の名門私立の学校へ入りますから、そこで出会う友達も富裕層です。ただ、日本の名門私立の学校と違って、こちらの名門私立は、試験で合格した人が入るのではなく、超高額な学費が払える人が入れます。そして、大抵子供が生まれると直ぐに入学願書を提出して、選考に漏れないようにします。

ここで重要なのが、親がその学校の卒業生だったかどうかです。もしそうなら、子供がその学校に入学出来る可能性はかなり高くなります。

名門私立の中学、高校(併せてセカンダリースクール)を卒業すれば、日本と同じ様に大学入試で良い成績が取れて、良い大学、良い学部に入れますから、医者や弁護士、会計士、エンジニアなどのプロフェッショナルになったり、親の経営する会社の経営に加わったりして、富が蓄積されるのです。

そして、学校の他にも、富裕層の子供達が過ごす環境が労働者階級とは違います。例えば、長い休みには家族で海外旅行へ行って異文化に触れたり、冬にはスキーへ行ったり、誕生日には大きなパーチィーをしたり、或るいは、親の慈善活動に参加したりして色々な経験が出来るのです。富裕層の人達の家族内での会話ですが、例えば夕食の時には学校の勉強や、友達のことの他に、読んだ小説や、新聞の記事、政治や経済、宗教、金融、投資などのことを話し合ったりして育ちます。

労働者階級の人達は、まず地価の安い、市の中心からかなり離れた不便な所に住むことが多いです。そしてその子供達の行く学校は、、、残念ながら荒れた学校のことが多いです。授業では先生の言う事を聞かない子や、移民して来たばかりで、あまり英語が分からない親やその子供達が多いですから、先生もスムーズに授業を行うことが難しいのです。教科書やノートがない生徒達が多いので、教科書は教室に常備してあるものを使うことが普通で、家に帰ったら教科書が無い子供達が多いのです。

学校が休みの日でも親が働きに出ていて、家族で旅行等に出かけることは少なく、家で一日中、動画を見たり、ビデオゲームをして過ごすという、あまり脳に刺激の少ない生活をしますから、、、高校を中退したり、卒業出来たとしても、大学には入れなかったり、入れてもあまり仕事には関係のない学部を専攻することになりますから、、、あまり良い就職が出来ないのです。

この様に、日本では貧しい家に生まれても、勉強で頑張れば富裕層に入ることは可能ですが、オーストラリアでは相続税のない事に加えて、教育と家庭環境の違いによって階層はより固定されてしまう様です。

それでは、明日も、このブログでお会いしましょう。

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