水彩画教室の宿泊スケッチ取材旅行2日目は、遠州灘に面した中田島砂丘と楽器博物館へ。コロナと高齢もあって、例年のような前夜の酒宴は中止したので、比較的軽やかにホテルを出ました。
ところが、最初の中田島砂丘での取材は僕自身、かなり手こずりました。
砂に足を取られて、思うように砂丘を登り進むことができないのです。ここへは何度も来ていますが、こんなことは初めて。
リュックを下に残し、這い上がるようにして砂丘の山の天辺にたどり着きましたが「80歳になるとは、こんなことか」と実感させられました。
天竜川から流れ込む砂で形成された中田島砂丘では、天竜川上流にダムができて以来、砂の流れ込む量が減っています。このため、砂が風に飛ばされるのを防ぐため竹や木で「堆砂垣」を設け、ダム湖から浚渫した砂を中田島へ運んで補給しているそうです。
自分や仲間たちが残した足跡も、風の吹くたびに砂がサラサラと流れ、さまざまな紋様に変えていきます。堆砂垣で溜まった砂の中から、名前を知らない草が伸びています。いつまでも見ていたい風景がありました。
浜松市楽器博物館には、世界各地から集まった3300点の楽器が所蔵され、世界一の博物館でしょう。これまで見たことのない民族楽器も多く、いかに人々が音やリズムで喜びや思いを表現してきたかを改めて知りました。
しかも、嬉しいことに70歳以上は入場無料。初日に入った浜松市秋野不矩美術館も、70歳以上は一般入場料の半額でした。アートと高齢者福祉に対する施策に拍手です。