風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽書き雑記「独創性、メッセージ性、表現力、エネルギーに感動=あいちトリエン散歩・愛知県美術館②」

僕にとって現代アートの魅力は何と言っても作品の独創性とメッセージ性。それがレベルの高い国際展のトリエンナーレの作品となればより明確に表現され、大きな展示スペースを独り占めする作品として創造されたエネルギーにも感動します。

今回も作品のテーマは家族・人種・戦争、さらにはDNAなどといった分野にまで多岐に渡っており、向かう展示室に「こんどはどんなテーマだろう」と期待が膨らみます。

スクリーンに上空から見た都市風景の映像が大写しされ、飛行機の爆音が響きます。台湾の台北市のようですが、白昼なのに通りにも広場にも人影がありません。車やバイクも走っていません。不気味な光景です。

これは台湾で毎年実施されている「萬安演習」という防空演習。市民らは30分間に渡って屋内退避し、車やバイクも全面ストップします。
作品はその光景をドローンで捉え「日常演習」のタイトルで、一見安定した平和な街に潜む戦争の脅威を感じさせます。

一人で森の中を行く少年兵の行動を捉えた写真も。世界各地で問題になっている銃を手にする少年兵。写真の少年兵にもあどけなさが残ります。

平面絵画の中に原爆の炎を描いた作品があり、この絵だけ画面がアクリル板かガラス板で額装されていました。水彩画展などでは常識ですが、これだと画面に鑑賞する人の姿が写り込みます。
意図の有無はわかりませんが、僕には写り込んだ原爆の炎に包まれた自分の姿に核兵器問題との向き合い方が問われているように感じました

 円形の空間に置かれた大きな時計。よく見ると秒針がちょっと早く動いています。
作品の説明では「もし1日が18時間に圧縮されたら」昼夜の時間が短くなり、新しい暦が必要になるだろう。
「もし、地球がより早く回転するとしたら?」静物や環境にはどのような影響があるだろう。哲学的に考えてみようとする作品のようです。

「やはり現代アートの鑑賞は、結構疲れるなあ」と初日から改めて感じました。でも、一方で「だから面白い」とも。他の会場巡りもゆっくり楽しみたいと思います。

 

 


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