落葉樹のプラタナス(和名・スズカケノキ)は、僕の大好きな樹木のひとつです。
大木を覆う広葉は涼しい緑陰をつくり、黄褐色に染め上がる紅葉は晩秋の都市景観を演出。それを落とした冬は、ありがたい日差しを注いでくれます。樹幹のあちこちにあるこぶのような盛り上がりとゴツゴツ感。木の皮がはげ落ちたあとにのぞく薄緑がかった肌も魅力的です。
ヨーロッパの街路樹では古くから代表格の樹種で、日本にも明治期に導入されて以来、ケヤキやイチョウと並ぶ人気です。でも、大きな落ち葉の掃除や旺盛に伸びる枝の剪定に手間がかかるせいか、近年は街路樹としての採用は減っており、名古屋でも同様です。
それだけに名古屋・鶴舞公園のプラタナスに出会うとホッとします。小さなドーム状の屋根がある奏楽堂の周りに、手をつなぐようにして立つ26本。芽吹きの時を迎えた逞しい樹幹を描きました。