水彩画教室で宿泊旅行をした愛知県の三河湾に浮かぶアートの島「佐久島」巡りの2回目は、紀元前3000年前から人が住み始めたと見られる島の自然や町並み、暮らしが織りなす美しさです。
まず、延長11㌔の海岸線のほとんどで見られる海食崖(かいしょくがい)。波や風によって形成された海食棚や平坦な海食台、暗礁などが連なり、断層状の崖の高さは数㍍から10㍍ほどのところも。まさに「波と風のアート」です。
3カ所にある港はあちこちの離島と同様、小さな桟橋や漁船やロープ、それに陸に上がった壊れた小船やボート、錆びたイカリ、漁具、漁具などが並びます。
黒壁集落。家屋を潮風から守るため、板壁に黒いコールタールを塗った家々が並ぶ小路です。過疎化で剥がれ、破損したところを島民やボランティアたちが修復したそうです。
一方で、極端な過疎化で居住者を失い、台風などで屋根や柱が倒れて内部がむき出しになった廃屋も目につきます。
かつては燃料のマキ材を生み出し島の暮らしを支えてきた雑木林も、倒木やツタが絡み、垂れてちょっとしたジャングルに。子どものころのターザンごっこを蘇らせてくれた山道の散策でした。
家族連れや若者を迎え入れるための施設は、今はシーズンオフということもあって多くが休業中。シーズン中にやってきた若者たちが筒島(別名・弁天島)にある弁財天に願い事を書いて置いてきた石の山は「願い事アート」とも言えそうです。
散策コースのコスモス畑は今が満開。海食崖のあちこちにも野生のツワブキが目を癒してくれました。
景観ではありませんが、先週11日付け朝日新聞によると、佐久島で新しい特産品として「さくまいも」(佐久島ではサツマイモを、こう呼んでいるそうです)を栽培して芋焼酎を造る「さくまいもプロジェクト」が、愛知淑徳大学の学生も加わって進行中とか。4度目の佐久島詣でが楽しみです。
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