千一夜第3章第195夜 最近の読書23

2019-12-04 21:29:39 | 読書

2019.12.04(水)

10月下旬に義父が死去したため喪中は釣行を断っている。12月12日には喪が明けるため、恐らくシーズン入りしているであろうカレイ釣りをその週末には再開したい。忘年会も3つ入っているので、体調を万全に整え望む。2か月近くも釣行しないでいると、行くのが面倒になる反面、やる気もみなぎる。まあ、楽しみは後に取っておくのも良いだろう。

プール通いの方も10月中旬からバルブの修理で1か月程度休みだったが、先週より再開した。1か月半程度中断したお蔭で体重の方も3㎏程度リバウンドしてしまった。減量目標がまた10㎏からになってしまった。それでも妊婦状態の頃に比べれば10㎏減量している。

最近読んだ本。記載するのは今回で23回目、評価を付けるのも気が引けるが、最も面白く読んだものは☆5つである。


令和元年10月18日発行の令和天皇御即位記念硬貨の表裏 

『日本会議の研究』 菅野完著 扶桑社新書 評価☆☆☆☆☆ ’19年10月10日読了
寸評:日本会議関連の本を読むのはこれで3冊目である。「日本会議戦前回帰への情念」山崎雅弘著、「日本会議の正体」青木理著、そしてこの本である。何れの本も安倍政権の諸政策と日本会議の主張や運動、思想や価値観、目指す方向の一致などを指摘している。本書は日本会議の歴史、生い立ち、日本会議の事務局である日本青年協議会の活動、歴史、思想を解説する。また日本会議を取り巻く一部の人々ぼ位置付けを浮き彫りにしていく。安倍政権との関係も解明していくが、日本会議、日本青年協議会の生い立ちから、カルト集団という人もいるように大体に於いて批判的に書かれている。安倍自民の支持母体に問題ありと言っても、民間保守団体は全国に草の根ネットワークを持ち、安倍政権以降の総選挙は自民党の連戦連勝ということからしても、国民の大半は安倍自民を支持しているということになる。政権を担える野党不在ということもあるが、与党に対して何でも反対という野党のスタンスは改め、実現可能な政策と根拠を明確に示す必要があろうかと思う。ちょっと本の寸評から逸れてしまった。

『国境で読み解く日本史』 古川浩司監修 造事務所編 光文社知恵の森文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年10月18日読了
寸評:いきなり、「どこまで知っている?日本の国境」という問いから始まる。日本地図が書いてあり、国境の線を引けというのだ。2013年に名古屋で実施されたが正解率は3.6%だっとのこと。これは北方四島、竹島、尖閣諸島、南鳥島、沖の鳥島などの正確な位置を知っていなければ答えられない。かくいう私も不正解、日本人としては恥ずべきことだろう。本書は国際法から見る国境の解説から始まり、ヤマト王権の成立と支配地域の拡大、大陸国家と古代から中世日本、鎖国の完成と接近する欧米列強、近代国家樹立からの領土拡大、特に明治時代から第2次世界大戦による勢力圏の拡大まで詳細に、時系列に書かれており解かり易い。最終章は現代日本の国境と題して、戦後から今日までのことが書かれている。私がこの本で初めて知ったことは、大東亜戦争降伏後、ドイツのように日本の分割統治が検討されていたということだ。北海道・東北地方をソ連、関東・中部地方と三重県はアメリカ、四国は中華民国、中国・九州地方はイギリスがそれぞれ単独で占領し、東京市は4か国の共同管理、近畿地方と福井県は米中の共同管理という案である。もし日本がこの分割占領を受け入れていたらと思うと肌寒くなる。

『韓国という病』 月刊HANADA著 飛鳥新社 評価☆☆☆☆☆ ’19年10月30日読了
寸評:’17年5月から文在寅政権になってから反日が著しく盛り上がった。慰安婦問題、元徴用工問題の蒸し返しに始まり、’18年10月新日鐵住金、同11月には三菱重工業への損害賠償命令、12月にはレーダー照射(宣戦布告と同意)問題、’19年2月には韓国国会議長・文喜相が慰安婦問題で天皇の謝罪を要求、同7月には和解・癒し財団の解散(日本に返金無し)、日本も同7月に韓国への輸出管理強化、ホワイト国除外を発表し9月から実施したが、対して韓国は8月にGSOMIA破棄を通告してきた。まだ他にも、戦略物資の横流し、福島の処理水に対するイチャモン、オリンピックメダルのデザイン、同旭日旗持込禁止、同ボイコット(来ない方が良いかも)等々、よくもまあこれだけ次から次へと出てくるもんだと感心する。一種のストーカーだな。新日鐵住金・三菱重工の資産差し押さえは’20年2月に先送りしたようだが、三権分立を主張するのだから遠慮なくやれば良いのに。日本の次の対抗措置が見たかった。そもそも、明治30年に福沢諭吉氏が、「朝鮮人を相手の約束ならば最初より無効のものと覚悟して、事実上に自ら実を収むるの外なきのみ」と120年も前に書いている。未だに変わっていないのだ。ドタキャン、協定違反、ウソ、裏切り、言い掛かり、ゆすり、たかり、物乞い、捏造、自己正当化、感情で動くなど韓国が抱える病理は凄まじい。まあこのようなことが300頁くらい書いてある。見過ごせないのは、韓国の戦争犯罪「ライダイハン」問題である。ベトナム戦争に出兵した約32万の韓国軍兵士たちが、12歳の少女を含む数千人のベトナム人女性を強姦し3万人の混血人が生まれた。この子供らをライダイハンと呼ぶが迫害され続けている。韓国はベトナムにおける戦争犯罪を一切認めず40年間、公式謝罪も賠償も行っていない。日本には従軍慰安婦に対して謝罪や賠償を要求し続けている。これもダブルスタンダードの韓国という病か。文喜相国会議長は天皇陛下(現上皇陛下)に謝罪要求したが、どの面下げて来日するのだろうか。日本は入国拒否すれば良いのにと思う。韓国には恥ずかしいという感情は皆無である。

 
令和元年10月18日発行の天皇陛下御即位記念切手と説明文

『独りだけの役員会』 広瀬仁紀著 光文社文庫 評価☆☆☆☆ ’19年11月5日読了
寸評:昭和62年の長編企業小説だが今でも面白く読んだ。著者の本はまだ数冊しか読んでいないが解説によると、経済起業・社会派サスペンス小説の作家で、この小説もそうだが証券会社を舞台に描き出す欲望の人間ドラマが得意で面白い。現実の事件をヒントに、或いは作家の想像力の所産であれ、常にビジネス、企業社会に身を置く人たちの関心事にストレートに訴求する題材が前面に押し出されている。現場主義で知られる著者は旺盛な取材精神を重ねる。高杉良に通じるが私の評価では高杉の方が上である。本書では証券会社を食い物にする総会屋、事件屋、政治家のドス黒い癒着や裏切りを描き、ラストのヤマ場では推理小説のドンデン返しのような逆転劇が控えている。少し読み難い感じもあった。

『夏草の賊』(上)(下) 司馬遼太郎著 文春文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年11月11日読了
寸評:戦国武将長曾我部元親の大河ドラマである。長曾我部物を読んだのは初めてだ。青年期から戦死までを描くが、前半では妻の菜々が、後半では長男の弥三郎信親が元親に絡んで描かれる。四国土佐の片田舎の僅か一群の領主でしかなかった若者が野望に燃え、武力調略を駆使し遂には土佐一国を制す。そして近隣諸国へなだれ込み四国全土を征服、あわよくば京へとなるが、そこへ立ちはだかるのが織田信長、豊臣秀吉だった。信長の死後、秀吉が四国に侵略の手を伸ばして来たことで、営々と築き上げてきた四国全土から土佐一国に押し込められる。その後は秀吉に従うが信親は戦死、元親も関ケ原の前年に死ぬ。幼少の4男の盛親が後を継ぐが石田三成に組したため土佐一国も取り上げられてしまう。読了後感じたのは、長男の信親は若いが世代交代が遅すぎたように感じた。戦国時代において隠居は難しいが、元親は天下の情勢を掴むのが遅く、また長男を土佐の片田舎に留め置いたのが敗因となった感がある。

『義経幻殺録』 井沢元彦著 講談社 評価☆☆☆☆☆ ’19年11月13日読了
寸評:井沢元彦と言えば日本史研究家で鋭い洞察力と想像力で逆説物を書くのが得意。私も多くの著書を読んでいる。が、この本は主人公が芥川龍之介と明智小五郎で、サスペンス、推理小説である。実在の小説家と江戸川乱歩の小説のキャラが主人公である。龍之介の使命は、清王室の出自に関する文書、禁闕文庫という秦皇帝が所蔵し宮廷の秘庫に収められた門外不出の「玉牒天瀇世系」という本の解読、真贋鑑定、及び世界への真実の公表にある。源義経の不死伝説、義経が清朝の祖となったことをである。物語のキーワードは「避諱」(ひき)である。中国文学に詳しい人なら恐らくピンと来るかも知れない。避諱とは先祖や皇帝の諱(忌み名)に使われている文字は、書物は勿論、私的な文章にも使うことが許されないというもの。どうしても使わなければならない時は、同じ発音で意味の近い文字に差し替えるか、欠画(最後の一画を省く)という方法を使った。日本では中国とは真逆で、編諱や継名という習慣がある。中国と日本、ロシアまで加わって物語は展開する。黒幕は明治の元帥山縣有朋。面白い本だった。


令和元年10月18日発行の下松市市制80年記念フレーム切手

『幻夜』 東野圭吾著 集英社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年11月21日読了
寸評:直木賞を始めとして各賞総なめの感がある著者、東野圭吾の著書に外れは無い。同僚の女性は殆ど読んでいると言っていたが、私もたまに読みたくなるのだ。この本は「白夜行」の続編となる。と言っても、続編ということは巧妙に隠されていて全くの別作品だといっても良い。読み進めて行く内に”アレッ”と気付いた。半信半疑だったが後で解説にも書いてあったので、”やっぱり”と納得した。物語は、新海冬美と名乗る女の魔性に捕えられ、操られ、自らの人生を犠牲にしてしまった男を描く。ミステリーのみならず人間の生き様を重層的に描く。

『教団X』 中村文則著 集英社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年11月28日読了
寸評:大作である。突然姿を消した女性を探し、奇妙な老人を中心とした宗教団体に辿り着く。そして彼らと対立する性の解放を謳う分派のカルト教団X(オウム真理教が下地にあると思う)。2人のカリスマの間で蠢く悦楽と革命への誘惑、4人の男女の運命が絡み合う。カルト教団はやがて暴走し、国の根幹を揺さぶり始める。神とは、運命とは、個人の存在とは、絶対的な闇とは、光とは何か。奇妙な老人の話は哲学的でまともである。宇宙のこと、量子力学のこと、万物の運命のこと、仏教のこと、釈迦のこと、脳の神経細胞のこと、私が最も感銘を受けたのは、意識を司る脳の特定の部位は存在しない、脳の大局的な働きによって意識が生まれる、脳が無ければ意識は発生しない、脳の活動が意識に反映される、意識によって脳に何らかの因果作用を働きかけることは出来ない。つまり私が「閃いた」と感じた時、その0.何秒か前に実は脳が「閃いて」いるということ。これまで発想だにしなかった。結末はカルト教団の、教祖の破滅にある。カルト教団の信者となる者は、何処かで挫折した者、社会から弾かれた者、自分を優秀と信じて疑わない者と相場はほぼ決まっている。恐らく誰も指摘していないと思うが、本書は三島由紀夫の豊饒の海第3部暁の寺を相当意識していると思う。

『可児才蔵』 志木沢郁著 学研M文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年12月3日読了
寸評:可児(かに)才蔵という戦国時代の武将を描く。歴史本にたまに名前が出るので名前は知っていたが、人物像は全く不明だった。類まれな槍の使い手で若き頃より武名が轟く。修業時代の総仕上げとして、雑賀の宝蔵院流に挑みこれを打ち負かす。戦場では笹の枝を旗指物とし、討った首にその葉を咥えさせたことから「笹の才蔵」として知られる。無骨なまでの正直さゆえに上司や主君と衝突し6度も主君を替えている。それまでに仕えた大名は皆滅んでいるため、才蔵を召し抱えた大名は滅ぶと評判が立つが、最後の主君、福島正則とは気が合った。関ケ原では大活躍をして家康からも激賞された。指揮力に欠けたため一軍の将にはなれなかったが、信念を貫き理想の働き場所を得た男の生涯を描く。 

【12月4日過去の釣行記録】
・2010年中電西側岸壁、06:20~11:30、大潮、釣果=カレイ3・キス1・アイナメ1・イイダコ1・メゴチ2
・2011年第2埠頭東側、06:20~13:00、長潮、釣果=カレイ2・キス1・チダイ1・コウイカ2

【この日の釣り情報】
・この日の釣り情報はありません。

【旧暦11月8日釣行記録】
・2000年12月03日、今津川河口、13:00~16:00、小潮、釣果=イシガレイ2
・2009年12月23日、粭島小瀬戸橋、19:00~20:40、小潮、釣果=メバル1

 

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