Lespedeza Museum of Photography レスペデーザ写真美術館

カメラマンな管理人のおたく趣味の雑記と二次創作&コスプレ写真のブログです。Lespedeza(萩)の花言葉は柔軟な精神。

二次創作マクロスF『FRONTIER ACES(フロンティア エイセス)』vol.1

2008年04月17日 22時25分12秒 | 二次創作小説

コックピット内に響く轟音。対峙する目標は鋼鉄のモンスター。

圧倒的な砲撃の間隙を縫って早乙女アルトは自らが駆るVF-25を急加速させ相手との間合いを詰める。

相手と接触する寸前まで接近した刹那、ガンポッドが火を噴き相手は機能停止、爆散した。

「シミュレーター終了、あなたの勝利です」

合成音声がそう告げ、コックピット内が暗くなると同時に風防がゆっくりと開いていく。

「アルト先輩、お疲れ様です」

「すまない」

アルトが通う美星学園の後輩にしてS.M.Sスカル小隊のチームメンバーであるルカ・アンジェローニが差し出したドリンク剤をアルトは優しく受け取った。

マクロスFRONTIERに拠点を置く民間防衛組織S.M.S。

その実働部隊スカル小隊にアルトが配属になって数週間、この日もアルトはシミュレーター訓練の為に本部に出向いていた。

バルキリーの操縦に関して天性のセンスがあるとはいえ戦闘技術は素人のアルトにとってはシミュレーター訓練も大事な任務だった。

「でも不思議ですよね」

リクリエーションルームでルカが不意に声をかけた。

「何が?」

「だってあれだけ弾幕を展開していたのにあのVB-6、至近距離で何も反撃しなかったじゃないですか?」

ルカの言うVB-6とは今日のアルトの対戦相手、可変爆撃機『ケーニッヒモンスター』の事である。

半世紀前の第一次恒星間戦争時に製造された

『デストロイドモンスター』

の派生機種で大型シャトル、ガウォーク、バトロイドへの可変機能を備え、2050年代の可変軍用機の中でも抜きん出た火力を誇る文字通りの「モンスター」である。

規格外の火力を誇り、優れた長距離火力支援機としてS.M.Sにも配備されていた。

絶対的な火力を誇るケーニッヒモンスターが急接近された状態だったとはいえ、手も足も出ずあっさり撃破されたのがルカには不思議でならなかった。

「あれはな…」

「簡単な話ですよ」

「ミハエル先輩!」

アルトの言葉を遮るように美星学園の同期でスカル小隊のメンバーであるミハエル・ブランが話を始めた。

「今日アルトが対戦したVB-6は無人機、基本的に敵機の撃破と並んで作戦遂行能力の維持が優先事項としてプログラムされている」

「もし相手に至近距離まで接近された状態で下手に反撃したらどうなるか、ルカ判るか?」

「えっと巻き添えで自機が破損する可能性があります」

「そう、それでなくてもVB-6の四連装主砲は推進機を兼ねているから0距離射撃で破壊されるような事があったらまずい。そもそも長距離支援用の無人機には近接戦闘時の対応プログラムが基本的に組まれていない。故にあのVB-6はアルト機の攻撃に対処出来なかったのさ」

「そういう事だったんですか」

ミハエルの説明に納得するルカ。その一方、言葉を遮られたアルトは憮然としていた。

「ただし」

とミハエルが言葉を続ける。

「相手が近接戦闘時の対応プログラムを組み込んでいた場合等を想定すると今日のアルトのやり方にはあまりお勧め出来ないけどね」

「何を!!」

ミハエルの言葉にアルトがカッとなる。

「もし相手が自らの被る損害にお構いなし撃ってきたらどうなってた?やられていたのはアルトの方だぞ」

ミハエルの冷静な分析。アルトも返す言葉がない。

「けど、あれだけの弾幕をかい潜れる技量は凄いけどね、『アルト姫』」

「ミハエル!俺を『姫』って呼ぶな!フォローがフォローにならない!」

「まぁまぁ二人とも…」

口喧嘩を始めたアルトとミハエル、それをなだめるルカ。

アルトが入隊して以来繰り返されるこの光景はS.M.Sの風物詩になりつつあった。

「おまえ達、またいつもの喧嘩か?」

そこへやってきたのがスカル小隊の隊長、オズマ・リー、部下達の相変わらずの様子に含み笑いで言葉をかけた。

「隊長!」

三人が三人とも姿勢を正し敬礼し隊長を迎え、オズマも敬礼を返した。

「おまえ達、いきなりで申し訳ないんだが、仕事の依頼が来た」

「仕事、ですか?」

ミハエルが聞き返す。

「ああ、その内容なんだが…」

「そこからは私が説明します」

申し訳なさそうなオズマの言葉を遮り、彼の背後から歩み出る一人の女性。

「あんたは、確か…」

アルトが見覚えあるその人はかつて彼を新統合軍に勧誘し、S.M.Sとも縁が深い新統合軍参謀本部所属のキャシー・グラス中尉その人だった。

(つづく)

あとがき:放送開始から一月経っていない状態で妄想率120%でマクロスFRONTIERの同人小説を書き始めた管理人です。

仕事の休みにいきなりアイデアが思いつき早速ブログに書くことにしました。本編ではいつS.M.Sに入隊できるか判らない状態のアルトですが、こちらでは既に入隊させてしまっています。

書いてて思ったこと

「間違いなくミハエルのキャラ掴めてない…」。2話でアルトの駆るVF-25に追いすがるバジュラを狙撃で仕留める腕前を披露してくれましたが、まだ出番が少なく微妙にキャラを掴めてません。

以前ガンダムSEEDDESTINYの小説をこのブログで書き始めてネタが思いつかずに投げてしまった過去がありますが、今回はきちんとラストまであらすじは考えてあるのできちんと仕上げたいです。

次のお話でグラス中尉のいう「仕事」の内容を明らかになります。この仕事、アルトと縁のあるとある人が深く関わってきます。

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機動戦士ガンダムSEED SCHARLACHROT 01

2007年01月27日 00時05分41秒 | 二次創作小説

ここから先は機動戦士ガンダムSEED(DESTINY)のパラレル小説になります。

この小説に関しては

  1. キラ×フレイが苦手
  2. パラレル設定が苦手
  3. 色んなネタの天こ盛りが苦手

な方にはお勧めできませんのでご了承下さい。

『機動戦士ガンダムSEED SCHARLACHROT

01.プラント絶対防衛戦略空域

コズミック・イラ76年

静寂の宇宙を進む一隻の艦。地球連合、厳密にはユーラシア連邦所属の宇宙戦艦

『ドミニオン』

である。かつて地球連合に在籍していたアークエンジェル級二番艦「ドミニオン」と同じ名を持つが、こちらは昨年「新ドミニオン級」の一番艦として建造された艦である。

そのメインブリッジで艦長を務めるナタル・バジルールは複雑な思いを胸に秘め艦の進む先を見つめていた。

<よもや、こんな時が来るとはな…>

5年前、地球連合とザフトとの戦いはプラントの最終防衛ライン、宇宙要塞ヤキン・ドゥーエでの決戦に至っていた。その戦いに地球連合の宇宙戦艦ドミニオンの艦長として赴いていたナタルだったが、ある偶然が彼女の運命を大きく変える事となる。

先にアラスカでの地球連合の味方を巻き込んでの大量破壊兵器「サイクロプス」の使用に不信を抱き軍籍を離脱したアークエンジェルとの戦闘を前にしていたドミニオンだったが一発の流れ弾ミサイルが艦の機関部に命中、即座の爆発は免れたものの機関緊急停止、戦闘不能という状態に陥ってしまったのである。

態勢を立て直そうにも、出撃した三機のガンダム部隊とは連絡が取れなくなっており、ナタルは”彼女”や他の乗組員のむざむざ危険に晒すわけにはいかないと総員退艦の決定を下す。

だがその決定に従わない者が一人いた。オブザーバーとして艦に乗っていた軍事企業社長にして反コーディネーター組織「ブルーコスモス」の盟主ムルタ・アズラエルが総員退艦の決定を

「敵前逃亡」

と激昂、なんと他のドミニオン乗員が居る中でナタルを銃撃してしまう。

ナタルはアズラエルのやり方にかねてから不信を抱いていて、彼をドミニオンに閉じこめた上で艦と一緒に果てるつもりだったのだが、アズラエルの銃撃によって負傷したことで他の乗組員に助けられる形でドミニオンを後にすることになる。(アズラエルは身柄を拘束された上で脱出艇の貨物室に放り込まれて命だけは助かった)。

艦を脱出後、ドミニオンの乗員は全員がアークエンジェルに救出される。アークエンジェルの治療室で意識が戻ったナタルは連合とザフトの最終決戦がほぼ痛み分けの状態で集結したこと、そして”彼女”が長らく再会を待ち望んでいた”彼”と再会できた事を知らされる。

だがその”彼”は三隻同盟の盟主だったラクス・クラインに請われプラントに行ってしまう事となる。そして”彼女”が驚くべき事に自分をバジルール家の籍に入れて欲しいとナタルに頼み込んできたのだ。

最初は驚いたナタルだったが”彼女”の提案を受け入れる事となる。

年明け早々に締結された

「ヘリオポリス休戦条約」

により、連合とプラントとの戦いは一応の集結をみたものの、世界情勢は決して安定はしなかった。連合は休戦条約がプラント側有利であることへの(主に大西洋連邦の主張による)不満による政治的対立や、場合によっては軍事的な衝突。

プラントもプラント側で対連合強行派と穏健派による対立が顕著になっていたのだ。

そんな中、ある大きな動きがC.E73年に起きる。当時まだ一プラント最高評議会議員に過ぎなかったラクス・クラインが『血のバレンタイン事件』の追悼集会において

「地球に住む者も宇宙(そら)に住む者も同じ”人”である」

という大演説を行い、地球連合内でも大きな反響を呼ぶことになる。そしてユーラシア連邦・大洋州連合を中心に

「新・公民権運動」(コーディネーター差別の禁止を法令化する運動)

が巻き起こる。ナタルや”彼女”もその運動に共感を示したのだが、この事が元で大西洋連邦軍から放逐される事になってしまう。

新・公民権運動が起こった73年当時、先のアラスカ事件で人的・物理的に大打撃を被ったユーラシア連邦が大西洋連邦側に表向き地球連合内での人事異動という形での人的補償を求めていたのだが、大西洋連邦は異動対象者をとくにコーディネーターに友好的と考えられる人物を選んで連邦から放逐していたのだ。

だがナタルも”彼女”も大西洋連邦からの放逐を逆に感謝していた。元々アラスカでのサイクロプス使用の件で大西洋連邦に不満を抱いていた上に、特に”彼女”は”彼”との関係から反コーディネーター色の強い大西洋連邦軍に飽き飽きしていたのである。

異例とも言えるユーラシア連邦軍への移籍を果たした二人だったが、ナタルは指揮に秀でた艦長として、”彼女”は優秀なモビルスーツパイロットとして活躍する事となる。

そしてC.E76年、二人はユーラシア連邦軍第7特殊戦略部隊

「ランドグリーズ隊」

の一員として前代未聞の任務に就くことになる。

「ザフトと地球連合の共同作戦」

に。

共同作戦に参加するザフトの艦と会合する為にドミニオンは地球とプラントのほぼ中間にあるデブリ帯

「プラント絶対防衛戦略宙域」

まで艦を進めたところだった。

「艦長、ナタル艦長…!」

「…!?」

部下に呼びかけられ我に返るナタル。

「…大丈夫ですか!?」

「すまない、今度の作戦の事で少し考え事をしすぎていた」

「まぁ私もまさかザフトと共同作戦を行うなんて思っていませんでしたし、皆も色々思うところがあると思います。報告が遅れました、まもなくザフト艦との会合予定時刻です」

「判った」

そう答えるとナタルは少し深めに息を吸い込んだ。ザフトとの共同作戦そのものも異例ならば共同作戦を行うザフト艦も異例、そして何より”彼”がその艦のモビルスーツ隊の隊長という事実がナタルに複雑な思いをさせていた。

いや自分がというより”彼女”が今度の件をどう思っているかがナタルは気がかりで仕方なかった。

「艦長、前方にザフト艦。特務演習艦『グレイプニル』です」

オペレーターのマスミ・ユイザキが冷静な声で報告する。ナタルはグレイプニルの艦影をみて懐かしさを感じていた。

ザフト特務演習艦グレイプニル。かつてアークエンジェル級二番艦ドミニオンと呼ばれた艦の現在の姿なのである。

「私はモビルスーツ隊を引き連れてグレイプニルに向かう。副長、後は任せたぞ」

「了解です、艦長」

グレイプニルの副艦長、アーノルド・ノイマンは敬礼をしてナタルを見送った。

※後書き

SEEDパラレル小説の記念すべき第一話なのですが、主役たる二人がまだ出てきません。SEED本編エンディング直前から色々いじり回しているため、その説明も必要なので主役の二人(”彼”と”彼女”)が登場するのはもう少し後になりそうです。

予告じゃありませんが、SEED(DESTINY)本編からするとキャラの立ち位置がかなり変わってます。”彼女”とナタルは言うに及ばず、ラクスと”彼”なんかもそうですし、”彼”の妹(個人的には兄妹説をとってます)もある意味偉いことになってます。

出来れば週一回で更新できれば良いのですが、ともかく頑張りたい次第です。

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時にはこんな”キラフレ”を

2007年01月23日 23時47分16秒 | 二次創作小説

私事になりますが、今でこそもっぱらカメラマンとして活動している自分ですが、暫く前まではサイトで二次創作の小説をしばしば書いていました。

元々話を書くのが遅かった上に、(二次創作を)書きたいと思える作品に出会ってから自分で書こうとする前に他の方の二次創作に触れて書ける自信をなくしてしまい、最近ではもっぱら読み手に回るのが常になってしまいました。

ところが先日、ある情報に触れて途端に無性に二次創作が書きたくなりました。一昨年秋まで放送されていた

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』

その劇場版が公開予定なのですが、主人公といって差し支えないキラ・ヤマトが

「ザフトの白服」(隊長クラスのエリートの証)

で登場と知り、そこから自分でも思いも寄らぬほどにネタが思いついてしまったのです。

思いついた題材はズバリ

『キラ×フレイ』

です。元々無印SEEDの頃からキラフレが好き(個人的なもっとも理想なカップリングはラク→キラ×フレorフレ→キラ×ラクだったりします)だったのですが、本編があのようなオチになってしまい、ある種(時折キラフレ本を買う意外は)距離を置いているような状態でした。

それが白服キラの話題を知り、何かが弾けたのかキラフレのネタが思いっきり浮かんできたのです。

基本的に

「フレイ生存の(パラレル)コズミック・イラ76年頃が舞台」

と考えていますが中身的には

  • キラフレ推奨
  • DESTINYキャラも複数登場
  • オリキャラ(厳密には他作品からキャラを拝借)も登場
  • フレイ生存
  • ナタル生存

でいければと考えてます。

ブログでの小説掲載のテストも兼ねて不定期で更新して行ければと考えてます。

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