殴り書くことば

ロープが垂れていても、掴みたくない時が
誰にも縋らないで、泣きたい夜が
へらへら笑ってる僕にさえ、そんなのがある。

悲哀黙劇

2009年11月06日 00時08分31秒 | 若者の戯言
抑制された思いの陰に
夢へと続く光があるのに
混沌とした欲望の矛先は
いつも不鮮明な優しさだった


壊れかけた喉はもう
弱音を鳴らすこともできなくて

聞かせたことのない
乾いた嗚咽




なのに
聴こえてしまった?









   あぁ、あぁ、もう
   あぁ、あぁ、また 

                』



鳴りやまぬ
彼女のサイレントヴォイス

恥もなく
僕の代わりに泣いた





耳を塞ぎ
目を背け
唇を噛み

血の味がした



名も知れぬパフォーマー
道端のパントマイム








悲哀を演じることが羨ましくて
そんな自分が疎ましくて



彼女の前を
足早に去った雨の日。