殴り書くことば

ロープが垂れていても、掴みたくない時が
誰にも縋らないで、泣きたい夜が
へらへら笑ってる僕にさえ、そんなのがある。

無題

2014年12月20日 23時58分00秒 | Sad Soul


そっと息を吹いてタネを飛ばした
その花の名前も思い出せないほど
横顔に見惚れていた

涙を見せれば
慰めてくれるのでしょう

震えて見せれば
抱きしめてくれるのでしょう




遠のいていく記憶に
ピントが合うことはもうないのに
鮮明なまま取っておきたくて
何度もシャッターを切る

本当は
もう思い出せもしないくせに





言葉のなかに、何を閉じ込めたの


「後悔してる」と零した声の
表面で疼くのは


「これも幸せだけど」と取り繕った笑顔の
裏側で燻っているのは






帰る場所なんか
初めからない

タイミングを逃してばかりで
呼吸さえためらうほどに

当たり前に転がるぬくもりが
怖い











.

メリーゴーランド

2014年03月16日 01時48分46秒 | Sad Soul




感情を振り乱して
回るのはメリーゴーランド

出会う度に変わるきみの顔が
それはもう、素敵で

白昼夢の最中
吐いた嘘で
汚れてしまった身体も
染めてあげられたなら



真っ白に
真っ黒に



だって
主人公はいつでも格好良いんだ

どんな嘘をついたって
それは世界平和のためなんだ



だって
主人公はいつでも英雄なんだ

どんな暴力振るったって
それは社会調和のためなんだ





楽をしたい僕は
ニュースは見ないし
蔓延る悪とかあんま知らない





だから嘘もつかないし
殴ったりもしない



それなのにどうして





メリーゴーランドが
きれいに回って見えるのは

そこにいないから


いないから





主人公になんかなれやしない
この世界で


ただ、ずっと

君を追いかけるフリ




追いつこうにも
軌道に乗ってない僕なんか



僕なんか




そこにいないから


いないから




.

喪失アルコール

2011年06月01日 01時33分43秒 | Sad Soul
透明なアルコールに浮いた氷を
指でくるくる鳴らす

うすまった、うすまった
私はお酒に弱いから
氷が溶けた位がいいの




1日の終わりは、短い針が12を差したら?
1日の始まりは、長い針が12を超えたら?



わたしは、ええと、
誰だったかしら

take it easy
そうは言ってもだって
誰だかわからない人と
あなたは一緒に眠れるの?




笑うことが増えました
楽しいことが増えていきます
辛いことから逃げようと必死です





でも、だめなの

こうしていくらか経ったら
無理にでも泣かないと
自分が誰だかわからなくなってしまうんです



うすまらないと、うすまらないと
私は笑うのが苦手だから
溜めすぎた涙はしょっぱすぎてだめ






辛いことを作るの
苦しいことを思い出すの
悲しいことを引っ張り出して
痛みを与えて
息苦しくさせて




泣きやんだ頃には
アルコールがまわって
いつの間にか眠っている




私が目を覚ました瞬間が
今日の始まりで、

目を覚ましても
自分が誰だかわからなかったら
今日はもう来ないってことで


うん、ええと
真ん中にいるのは私なの


でも、ええと
私は誰だったかしら





もっと泣かないと

もっとうすまらないと

自分が見つかるまで泣かないと


味の濃い涙で私が溺死する前に





もっともっと

 
 
 
 

 
 

突発性-suicide-

2009年08月03日 02時24分38秒 | Sad Soul
食事もろくに取らない生活で
夜はなんだか寂しくて電話かい?

留守番電話サービスの声に嫉妬

ぶちって
電話もきみの心も
切れちゃったようです






電話を捨てて
きみはウォッカを飲んだ

それから瓶詰の
苦いタブレットを飲んだ




呂律の回らないその口で

「顔も思い出せないくらい

声も遠のいていくくらい

あなたに何の未練もない」





それなら

そのふわふわのまま

逝ってしまえよ





ほら
首元の血が乾く前に



浴室へ

 
 
 
 






こんな風に
誰か私を導いて
 

 
 

dummy -無声慟哭-

2007年06月15日 23時13分39秒 | Sad Soul
長い廊下の向こうで僕に笑いかける
あだ名をdummy 名前はない
顔立ちがきれいでまつ毛が長い



鳥が鳴くので泣いたdummy 声がしない

消えたのですか 声といっしょに



悲しいくらい切ないくらい太陽は燃えるの
君じゃなくて子供が喋るよ

羨むでしょうか
dummy 本当は澄んだ声 そう信じてる









長い廊下の上で僕は笑い返す
何のこれしきと引いた縄の先に
何もなかったような気分だ



掴み所のない影 今度は僕が泣く
dummyに代わって慟哭

どうでしょう 白昼夢の中へ



淋しいくらいあだないくらい月は照らすの
君じゃない誰かが喋るよ

恨むでしょうか
dummy 本当は澄んだ声 そう信じてる

















長い廊下の向こう
悲しいくらい切ないくらいdummyは泣くの




僕に見えるくらい大げさに















dummy 僕に代わりはつとまらないか
 
 


 
 

 
 
 


実験台

2006年11月11日 22時04分14秒 | Sad Soul
みんな話に夢中で
一番後ろに泣いてる私がいても
気がつかない


実験台になってみよう
区切られた個室の中で
どれだけ孤独に耐えられるのか

噂なんか信じないでいい
自分が試してみればいい

シェイクハンズ プリーズ
誰がわかるだろう
本当の孤独なんて





用事を作って、あぁ忙しい
そこに私がいなくても
気がつかない

気にしない
独りになる


実験台になってみよう
区切られた個室の外の
冷たい廊下の上を裸足でひたひたと
いつまで彷徨っていられるのか









らららい
宙を舞うような麻酔打っても
ひたすら心臓は動いて

ころり
口角を上げながら涙
誰も何も言ってくれない










実験台になってみよう
区切られた個室の中で
限られた表情で
いつまで生きていられるのか

参考書なんかに載ってない
自分が試してみればいい

シェイクハンズ プリーズ
誰がわかるだろう
本当の孤独なんて




実験してみなきゃなんだ

 

 
 
 
 

 

ないとめあ

2006年10月04日 20時46分08秒 | Sad Soul
悲しいときには
わざと追い詰めて
人通りの少ない道を歩いた


とぼとぼと


何処に行きたいのか考えなくても
歩いてれば勝手にマイホーム

爪先さんは
寄り道など許してくれない

する気にもなれない












訳もなく
寂しさを感じて良いなら
私はひとりで部屋にいたい


みんなの傍にいると
みんなを理由にして泣いてしまいそう










This is not a nightmare.

                でしょう













                      I'm here.

                      でも開けないでほしい

                      でも忘れないでほしい

                      でも嫌わないでほしい

                      I'm here.














思い込みで
悲しくなって良いなら
私はひとりで部屋にいたい





理由を聞いてよ

でもほっといてよ






嫌わないでよ

 




 

 
I'm here.
I'm not nightmare.

             そうでしょう 

 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

言えない

2006年09月14日 06時21分17秒 | Sad Soul
 

 
 
言いたいことだけ言えなくて
思ってもないことを口走る

何か変に勘違いされて
ポーカーフェイスなんだね、なんて
話したこともない奴に
言われたくなんかなくて







意地悪してから
ごめんなんて言えない


涙溜めながら
自分の非なんて言えない






いつだって同じ

言った後で後悔して
焦るだけ焦るのに
謝罪なんてできない












誰かの肩を借りて
泣いたことがまだない

誰かに肩を貸して
慰めたことがまだない












誰かの力を借りて
生きている実感はあるのに


食い違っちゃって
すれ違っちゃって

















 
感謝の言葉は
誰にもまだ言ってない

 

 
 

 
 

秋  誰かの哀愁

2006年09月04日 17時48分04秒 | Sad Soul
アナタ

どこにいる



アナタ

今どこにいる



秋の中で髪を揺らしながら
星に見とれる暇もないの?

大好きだった鈴虫の
声も聞こえないの








忙しさに身を溶かしながら
充実してると見栄を張ってる

好きな歌さえ思い出せないで
何が楽しいと言うんでしょう



雑踏と流れるあなたの目には
快晴の空なんて
一度だって映らない


粉骨砕身が誰の夢だ?


コーヒーは何のために飲んでる

一睡もしない代わりに
何が欲しい








アナタ

どこにいる



アナタ

今どこにいる



秋の夜の真ん中で
人を待つ余裕もないの?

頬を撫でてくれる風に
気付きもしないの












煌めく星への眼差しを忘れ
秋の音がうるさいと閉め切った窓の中















みんな

みんな
どこにいる



今どこにいる















本当は

どこにいたい

 







 
 
 

 
 

 

鳴らないラスト・コール

2006年08月16日 18時16分45秒 | Sad Soul
鳴らないと
思い込んでた

喋れないと
決め付けてた

あり得ないと
信じていた











何を今更
引き止めても無駄よって

言い捨てられる相手はない




ただそこに
電話とは無縁のデンワが

暗闇で光ってる

   光ってる  





私の最期を見過ごすまいと
わざと黙ってるんじゃないでしょうね

やめてよ





ねぇ一度くらい
あなたが鳴くのを見たかった


「もしもし」ってあの人に
泣きつきたかった


 
 

 
 
 
本当の本当は
止めてほしかったし
意味を
教えてほしかった



もっと言うと
電話じゃなくて

直接
何か言ってもらいたかった