殴り書くことば

ロープが垂れていても、掴みたくない時が
誰にも縋らないで、泣きたい夜が
へらへら笑ってる僕にさえ、そんなのがある。

大人という生き物

2018年05月19日 00時23分03秒 | 気まぐれ日記






故郷を背に沈む日を見ている

行き交う人の生活を覗けたら
私の苦労などちっぽけで
あの頃の少女のまま
欲望が実らないのを知って泣いてるだけ



劣等と書かれた服をまとう私が、
どんなに没頭していても
呼吸を思い出した途端に
どんなに深く眠っていても
それが夢だと気付かぬうちに
姿の見えない角度にいて
感情のない顔できっと見下している


ないものねだりの腐った根が
浅く 広く
頭の中に張り巡ってる
浅はかさの象徴のように

風に踊らされている枯葉が
天高く舞い上がったかと思ったら
地面に叩きつけられ引きずられていく
乾いた音を立てながら粉々になるまで

自分をコントロールできない私みたいで
可哀想に思った




もう嫌だな
って
その一言で終われたらいい





口にしない言葉を
抑えてきた思いを
文字にするだけの力がもうない
詩を書くだけの気力がない

それは、だから、
誰かに伝えたいと
わかってほしいと渇望していた自分が
失せてしまったことと同じだろうか


かつての私が
言葉足らずだと罵倒した生き物
今の私が "大人" になった証だろうか





いや
そんな十数年息をしたくらいで
大人になんかなれるもんか

煩わしいのに手の届かぬ人
届かないから煩わしいのか?

あの頃思い描いていた立派な大人に
生きているだけでは成り得ない



わかっていたはずだ
わかっていたはずなのに


たぶん、信じていたんだ


たぶん、今も未だ。





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復活の呪文

2018年05月17日 14時49分06秒 | 気まぐれ日記
頭が痛い。
肩が強張って頭頂部まで筋が張ったみたいだ。
今日も夕方まで寝たきりかな。ほんと腐ってるな。

そんなことを夢うつつに思っていた朝、時間も知りたくないし誰かから連絡が来るはずもなく、携帯は伏せたままだった。
が、鳴った。父だ。

休職中の私を気にかけ、あんまり悩みすぎるなと電話をくれた。
「そうだ。読書がいい。おまえに合うかはわからんが、現実から抜け出して色んなフィクションに触れるのも時には大事だ」と。


現実逃避など、気分転換など許されないと思っていた。
人員に穴を開け、そもそも復職するイメージすら湧かない今、職場への罪悪感しかない。

私を評価してくれていた同僚たちは、今どんな思いを私に向けているのだろう。どれだけさげずんでいることだろう。そんなことばかり考えては深いため息をつき、着替える手が止まった。出かける気になどなれない。蒸かした芋や豆腐、まともな食事は申し訳なかった。元々それがすきなのだけど。
一日が長く、最低限の家事だけはすませるような、気分は囚人だった。

とても勝手な人間だ。わかってる。
気がついたら私はいつも自分のことだけ。自意識過剰。
巡らせなくていい他人の心情を想像し、今のがきっかけで嫌われたのではないかと臆病になる。
しまった、相槌のタイミングを間違えた!声のトーンもちょっと高すぎたかな…などと翌日に思い返して落ち込むほど。

バカだ。知ってる。わかってる。
勝手に加害者面しているかと思えば、罪悪感が募っていつの間にか体よく被害者になるのだ。
ずるい。誰にも何のメリットもないのに本当に、本当に、うーん。ずる賢いの反対ってなに?ずるバカ?


昔から変わらないが、直視しなくていい現実をいつまでも引きずるタイプだ。
「悩んでも仕方がない」と大抵の人はうまく意識から逸らしていくが、私にはそれができない。
できない、ことを選んでいるのだから、正しくは、やらない、か。
自分にとってネガティブな情報ばかり目に付き、いいニュースも都合悪く捉えてしまう。

典型的な、「コップの水はもうこれしか残ってない」と思う人間だ。



意識的に、辛いと感じることから目を背けることが大事なのだと痛感している。
味わい尽くせば抜け出せるかもなんてものは私には幻想だった。
しんどいことはいつまで経ってもしんどいままだ。
芸人がどっと会場を沸かし、それにつられて茶の間の私も大笑いできる。でもその瞬間が過ぎれば、またしんどいお化けが背後からぬっと顔を出す。「楽しい時間おわった?じゃあそろそろ」ってにたにたして、常に視界の中にいて待ち構えている。
楽しい時間であればあるほど重くのしかかるしんどいお化けを、一体どうやって払いのければいいのかが私にはわからない。

「あんたの性格じゃあね」と口々に言われる。
人が5落ち込むところを、あんたは10まで落ち込んで戻ってこられない、と。
人より閾値が低いのだろうか。
豆腐メンタルという言葉が流行った時、自分はもっとやわい綿菓子か何かじゃないかなとなぜか誇らしげに考えていたのを思い出す。阿呆だ。

ああ…
私はこの自分の脆さを、一種のアイデンティティと勘違いしているのかもしれない。
この年にもなると周りの人間は固定されてくるけど、「それがあなただから」と認めてくれている。
というかそういう人間しか残らなかったというほうが正しいのか。
でもありがたいことに、私は孤独ではない。見放されてもいない。
そういう甘えがどんどん私を脆くする。心から感謝しているけれど、それ以上に申し訳ない。




父に
「そんなんじゃおまえ、この先やっていけないぞ」と言われた。
本当にその通りだと思う。

それまでは両親だけが私の居場所だったけれど、こういう私を受け入れ一緒になってくれた人がいる。
今度はその人の優しさに甘え、ネガティブ爆弾をいくつも砲撃し一人勝手に落ち込む日々。
しんどくさせていることも、きっと息抜きしたいのに言えないのだろうことも、本当はこんな家帰ってきたくないんじゃないかとかも、なんかもうその辺もネガティブすぎて最早文章にもできない。

そんな彼に、職場との電話連絡すら担わせてしまった。
伝えなきゃいけないこと、伝えたいこと、今は伝えなくていいこと、その全部がごちゃまぜになり一気に放出させてしまった私。取り乱し、上司と話せないほどになってしまったのだ。思い出しただけで、罪悪感で吐きそうになる。
「やっていけない」と思い続けている。



楽観的で行き当たりばったりの主人は、「なんとかなる」が口癖でそんな人生を送ってきている人だ。
何ともならないような困難にぶち当たることもなく、順風満帆に生きてきたという言い方もできるけれど、それでもきっと辛いこともしんどいこともあったはずだ。それらの現実を、そうと捉えてこなかった彼がただただ眩しい。

彼は考えるよりも先に口が出てしまうタイプで、それを理由によく喧嘩する。
女性特有の「解決策なんて求めてない!ただ話を聞いてくれよ!」的な相談をすると、間髪要れずに解決策を突きつけてくるタイプ。
最近は「あーここで、答え出てるのに何で悩むの?とか言うと怒られるやつだよね!」と目を輝かせて、俺は学んでるぞアピールをしてくる。
夫よ、学んでるのかなそれ。

そんな彼が昨日、未だに思い悩む私にどう声をかけていいかわからず、珍しくしばらく考えて言ったこと。
「なんでも適材適所なんだよ。俺がこういうことが得意だっただけ。できないことはきみにしてもらってるよ」

百点満点の言葉がけだった。なんて、上から目線のことは言えないけれど。
自分には何の取り柄もない、人並みに働くことすらできない、と卑屈がっていた私には救われる言葉だった。
まあ、私の適材適所は見つけ出せず「えーあ、お金の管理とか?俺できないもん」と宙を見上げて言うだけだったけれど。



それでも、この人の隣で、まだ生きていて良いのだと思えた。

自分の適材適所は、28になった今もわからない。
恩返しと思って得た看護師の仕事もこなせず潰れてしまってこの有様だ。
まだ誰にも何一つ恩を返せていない。むしろ迷惑かけてばかりの人生だ。

でも、もしかしたらこれから先、一つくらい見つかるかもと思ったりもする。
しんどいお化けはきっと消せない。
でも隠すことはできるかもしれない。
まだその方法はわからないけど、手を変え品を変え試していくしかないのかな。
それまでもつかな…

「この先やっていけ」たらの話。






「なんとかなるでしょ」

彼の声が聞こえる。

















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心のありよう

2018年05月10日 15時14分52秒 | 気まぐれ日記



疲れたら歩くのをやめて
息を数えて整えたらいい
座り込んだっていい
はあー!って寝転がってもいい

そんな風になるまで
全速力で駆け抜けてきたのだから
周りの目なんて気にしないでいい

はあ、はあ、と
振り向かれるほど乱れていい


私が周りの目を気にして動けないのは
きっとそういうことだ

まだ全力で走り切ってない
周りが見えてしまう証拠だ


取り乱さないようセーブして
自分の本当の力量すらわからなくなった

休んでいいのよと言われれば休めの体勢
頑張ってねと言われれば笑ってガッツポーズ

おもちゃみたいだ
結局あの頃から変わってない


でも本当は
周りのせいに見せかけて
かけてほしい言葉を顔に書いて待ちの姿勢



行動と言葉と生き方を
背負うことが嫌なだけだ。


優しくなどない
責任感も謙虚さも持ってない
誠実になど生きてない

私弱いんですと両手を挙げて
誰かの後ろをくっついてただけ





私はまた何でもない生き物になる。