殴り書くことば

ロープが垂れていても、掴みたくない時が
誰にも縋らないで、泣きたい夜が
へらへら笑ってる僕にさえ、そんなのがある。

罪滅ぼされの夜

2014年03月07日 00時54分40秒 | Sad love





涙すら出ないよ
薬を押し込めて流し込んだ夜
あの頃を思い出して
ふらついたりしてる



本当に、そうなんだ
「こんな思いじゃ どこにも居場所なんてない」

だからあの日、思い出と一緒に
ゴミの日に出してやったの
こんな思い




居場所が必要なのです
私だけの、私のためだけの


大丈夫
ちゃんと自分で見つけるよ




だからどうか


嘘をつきすぎて
本当になった歪んだ心が
気付いてあげられなかったその悲鳴が


どうかもう消えてくれますように




秒針はひたすら動きっぱなしで
今この時を待ってくれずに
先へ先へ

立ち止まる私を見て
チクタク声をあげて笑うの





もう 許して




こんな夜
もう迎えたくはないの




あなたを思って泣くなんて

もう 嫌なの




.

吐かない猫

2011年02月13日 00時39分10秒 | Sad love
出来たばかりのスープはいかが
きっと心もあたたまるわ

眠ってしまう前に
そう 一気に


まぁ 目が虚ろよ
それでも揺るがないのね

チキンが
足りなかったのかしら




ねぇ アナタ 眠る前に

私を撫でて
この耳はそのために柔らかいの

私を噛んで
この耳はそのために柔らかいの


そしたらもう
おやすみなさいって
涙流さず言うわ




本心など見せぬが猫
吐く術を知らぬが私

似せているの
千切れても大丈夫な尻尾と
ケロイドだらけのこの腕を




ねぇ アナタ 眠る前に

私を許して
この血はそのために赤いの

私も殺して
この首はそのために細いの







ねぇ アナタ 眠る前に

私を殺して
もしかしてその衝動が
なくなるかもしれないわ

この命はそのためにあるの

アナタのために生きてきたの


ねぇ アナタ 眠る前に

私を

嬉しくて泣いてしまうよ

2010年06月21日 23時49分51秒 | Sad love
そろそろ雨も降り止んで
日が差してきた頃だ

カーテンを開けた先に
紫陽花を見つけた午後


出かけた場所にあなたは待ってない
時間を気にしなくなったこの頃





笑い声の絶えない輪の中で
ふと気付けば私も笑っていたよ



片方の手を掴んでくれた
きっとそれがあなたじゃなくても
それはとても温かくて





ほかの誰かが私を想ってくれていて
そこに愛があって
嬉しくて泣いてしまうよ

あなたじゃなくてもいいんだって
嬉しくて泣いてしまうよ

あなたはもういないのだからって
虚しくて笑ってしまうけど







愛されているんだ
あなたも今誰かに

愛されているんだ
私だって今誰かに




こんなに嬉しいことはないって
泣いてしまうよ



組んだ肩の温もりが
繋いだ手の強さが
「大丈夫」と笑ってくれた声が



まだこんなに
失いたくないものがあるんだって
不安で震えてしまいそう

だけど
嬉しくて泣いてしまうよ









愛されているんだ
あなたは今違う誰かに
そして
あなたも今違う誰かを
愛しているんだ






でも


愛されているんだ
私だって今確かに



そして愛している
ぜんぶを今確かに




嬉しくて泣いてしまうほど
ぜんぶが愛おしくて








あなたにとって
私じゃなくていいんだと
悔しくて泣きそうになったけど


私にとって
あなたじゃなくてもいいんだって
嬉しくて今泣いているよ




2本の腕

2006年03月28日 21時15分26秒 | Sad love
時計を見誤って遅れ
誰に怒るわけでもなく

蹴り上げた足は空回り

結んでほどけないものはない
繋がって切れないものはない

言わないで ちゃんと知ってる



1分や2分の遅刻でペコペコ謝って
操る私が手放しても彼は決してやめない

わかるわその気持ち
私がこの前そうだった




慢性疲労に犯された自分は
誰のせいでもなくて
頼りない足取りは貧乏ゆすりに変わる

叩いて壊れないものはない
潰して消えないものはない

言わないで ちゃんとわかってる



2度や3度の安定剤でふらふらして
支える私が手を離しても
彼は決して嘆かない

わからないわその気持ち
私はそんなんじゃない



呆れるほどの愛と
腐りかけの夢が
私を歩かせては押し倒す

破いて泣かないものはない
引き裂いて断ち切れないものもない


私には刻んで欲しいものなどない

言わないから
ちゃんとわかっていて


温もり溢れる2本の腕で
しっかりと支えていて
 
 

 
 
 
 
 
 

僕はひとり

2006年02月12日 18時02分29秒 | Sad love
道路の脇
工事中だからこっちを歩いて

車です
危ないです
歩くのはこっちです



ベンツがクラクション鳴らした



僕は怒られた
どういう時にこれを使えばいいかわからず
コンクリートに落とした

赤く光る棒
僕の足元を淡く照らして





見上げれば渋谷の空
案外キレイじゃないか

二人で暮らしたあの家の
庭の真上の夜空と少し似ていて
老眼鏡の下の瞳が
久しぶりに潤んだ



年金が足りないんだ
だからここにいる




僕は怒られた
スカートの短い子と肩が当たって
うざ?そういうようなことを言われた


その拍子に赤い棒を落とした
僕の足元を淡く照らした



この笛はいつ鳴らすんだっけ?
終電は何時かな?

いくら頑張って働いても
君は戻ってこない

朝起きても一人で
僕はいつも通り



君の写真の前で手を合わせる


 
 
 
 
 

ダンシング雪だるまとあなた

2006年02月12日 18時00分45秒 | Sad love
いつも食卓にいる雪だるま
兄弟のようにすました顔で座ってる人形

それが突然立ち上がって
踊ったりして
それはそれで怖いけど

そんなことがあったら
今より淋しくないかもしれない








いつもあなたが寝る場所
棺の中で横になってるあなた

それが突然立ち上がって
踊って笑ってくれたりして


それはそれで怖いけど





そんなことがあったら
僕は今より悲しくないかもしれない

 
 

 
 
 

わたしのかわり

2006年02月10日 22時56分44秒 | Sad love
あなたの代わりなんて
幾らでもいるの

言い聞かせてから私は
写真をまた一枚
灰皿に葬った

触れたナイフが冷たくて
一瞬胸が痛くなって
それでもあなたを探して

いつしか足が折れていた


変わっていく自分が
どうしようもなく嫌いで
変わらないでいる景色が
どうしようもなく憎かった

そうよ あなたの代わりなんて
どこにでもいる

紅くなった服を見つめて
代わりがいることを
強く 強く
願ったの



何度でも立ち上がれる
言い聞かせてから私は
足からまた一本
破片を抜いていった

舐めた氷が冷たくて
一瞬涙が滲んできて
それでもあなたを見つめて

いつしか瞳が閉じなくなった



あなたの代わりなんていない
わかってるけどそんなこと

あなたに
私の代わりが見つかることが
たまらなく怖かった

どうか見つけないで

紅くなった足を見つめて
強く 強く
願ったの
 

しまっていたいもの

2006年02月09日 21時14分13秒 | Sad love
壊したての愛
破りたての絆

もらいたてのプレゼントの中に
しまっておけたら
あぁ
なんて良いだろう


きれいな声と
かわいい仕草と

あなたの数え切れない部分を
いいや いっそのこと
あなた丸ごと

買ったばかりの小さな箱に
しまっておけたなら
あぁ
どんなにいいだろう



一生しまっておきたいものと

一生ずっと見ていたいもの

今僕の中に
その両方がある

でも
どこにやったらいいのかわからない
どこに置いておけばいいのかわからない



形のないものは

これだから嫌なんだ

 
 

何を守れば

2006年02月09日 21時12分50秒 | Sad love
涙の味を知ってるなら
なぁ

ムリして笑うことないだろ


影の濃さが見えるなら
ねぇ

ムリヤリ闇に
走ってくことはないんだ



苦い幸せが
この先に待っているとしても
君はきっと
泣いてはくれないんだろう


でも
そんなことされたら困るんだ


僕は一体
何を守るために生きるのか
何を愛するために歩くのか


見失ってしまうよ

 

キミは涙が止まらない

2006年02月09日 21時07分16秒 | Sad love
夢から覚めて
独りだったから

時計の針は
止められないから

世界にちょっと
溶け込めないから

飼い犬に
手を噛まれたから

テストで赤点取って
大目玉くらったから

誰も
好きじゃなくなったから


だからほら
君は今泣いてる

地球を囲む空も
今同じようにして泣いてる


君が泣いてる理由は
所詮くだらぬことなのだ

けど
そのくだらんことで泣ける君は
まだ捨てたもんじゃない





こんなこと言ってくれる人は
どこにもいないから

だからほら
君は今
涙が止まらない


愛犬に手をくわえられながら

君は涙が止まらない

 
ただ愛想良く舐めているだけなのに

君は笑えずにいる