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ぼくはぼくなりの
生き方を見つけたつもりで
だけど知ってしまった
だけど知ってしまった
宇宙は
なにか別次元のやつの腹の中
地球は 月は 太陽は
ぼくの中で言う、腸内細菌
か、何かで
そこに生きるぼくらは
細胞レベルの重要な何かで
恒常性の維持のため
生まれては死んで
繰り返してる
ぼくの中の細胞たち
生まれては死に
破壊されては分裂している
ちいさなちいさな世界の中
だけど知ってしまった
だけど知ってしまった
アポトーシス
細胞の自殺
既にプログラムされた死を
繰り返していくことが
生まれてきた意味だと
DNAに刻まれた運命を変えられない
ちいさなちいさな世界の中
細胞レベルのぼくの自殺を
食い止める方法は絶対にない
生きていくために
食い止めてはならない
必要な殺害
ちいさなちいさな世界の中
別次元のやつの腹の中で
星の自殺も誕生も
きっとコントロールなんかしていないんだ
ただそうなるように
組み込まれている運命を
忠実にこなすことが存在の意味
ねえ ぼくら
死を止められる?
細胞レベルの自殺を
食い止めることもできず
生きるための必要な滅びを
食い止めるなんか考えもせず
ちいさなちいさな世界の中
死を止められる?
人間が滅びたって
せいぜいやつは腹を痛めて
正露丸飲んで終わりだぜ
きっと
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