殴り書くことば

ロープが垂れていても、掴みたくない時が
誰にも縋らないで、泣きたい夜が
へらへら笑ってる僕にさえ、そんなのがある。

アポトーシス

2014年07月19日 03時03分44秒 | アナタとワタシの命




ぼくはぼくなりの
生き方を見つけたつもりで

だけど知ってしまった
だけど知ってしまった


宇宙は
なにか別次元のやつの腹の中

地球は 月は 太陽は
ぼくの中で言う、腸内細菌
か、何かで

そこに生きるぼくらは
細胞レベルの重要な何かで
恒常性の維持のため
生まれては死んで
繰り返してる



ぼくの中の細胞たち
生まれては死に
破壊されては分裂している
ちいさなちいさな世界の中


だけど知ってしまった
だけど知ってしまった

アポトーシス

細胞の自殺
既にプログラムされた死を
繰り返していくことが
生まれてきた意味だと

DNAに刻まれた運命を変えられない
ちいさなちいさな世界の中



細胞レベルのぼくの自殺を
食い止める方法は絶対にない

生きていくために
食い止めてはならない

必要な殺害
ちいさなちいさな世界の中





別次元のやつの腹の中で
星の自殺も誕生も
きっとコントロールなんかしていないんだ

ただそうなるように
組み込まれている運命を
忠実にこなすことが存在の意味






ねえ ぼくら
死を止められる?



細胞レベルの自殺を
食い止めることもできず

生きるための必要な滅びを
食い止めるなんか考えもせず



ちいさなちいさな世界の中
死を止められる?



人間が滅びたって
せいぜいやつは腹を痛めて
正露丸飲んで終わりだぜ
きっと


.

カルーア

2014年07月01日 00時07分03秒 | Image




甘いにおいに脳がとろける
奥の、奥の、記憶に達して
酔狂の彼方に

また
目を閉じれば
あの夜にもどるの



吐き気を誘う甘いシロップ
おいしくってまずくって
変な顔して飲み干して

重たい体から逃げ出して
ふわふわ飛んでいられる魔法の薬





とろけ出た脳のその成分に
間違いなく紛れ込んでいる
甘く苦い錯乱の記憶





きみはいなくなった
どこにもいなくなった
どこからも消えて
どこまでもいなくなったまま



吐き気を誘う甘いシロップ
きみの声を忘れても
肌の温度を忘れても
頭の中でとろけ出す





奥の、奥の、遠い記憶
発狂したままでいたかった私
狂いきれずに結局正気の私



飲み込んで
血になって
身体をめぐる甘いシロップ

頭にまで行き渡ってしまって
とろとろになった脳の
修復なんかもうしたくない





だって

私はいつだって真面だった

はずだった









カルーアミルク

おまえのにおいが
すべてを思い出させるよ