殴り書くことば

ロープが垂れていても、掴みたくない時が
誰にも縋らないで、泣きたい夜が
へらへら笑ってる僕にさえ、そんなのがある。

『パントマイム』

2006年05月12日 20時45分50秒 | Image
時には痛みを伴い
踊らされているのに気づくのもいい

ブカブカの靴を脱いで

心は塩水が波打たない海
微妙な音さえ捉えられずにいる
声など聞きたくないから


爪の裏 腹の内側

きっと
揺るがない思いが眠っているはずだと
アナタは
ずっとずっと訴えるけど

声を上げることなどきない


私の身振りで悲しんだりしてほしい
誰一人わかってくれなくても
透明になどなれないから

どうか私の手を取り

そして






冷たい向かい風
目は覆うけど声は出さない

黙ってステップを

沈黙が安定すれば
あとは静寂へ堕ちるだけ

ゆっくり滑らかに
私はワタシに成り下がる



嘆いたりしないで
ワタシはちゃんと踊るから


ちゃんと見てて

見てて 
 

 
 

 
 

last...

2006年05月04日 23時17分42秒 | Image
白いコードを辿れば
私を支えるよくわからない機具たち
夜中の歯軋りに耐えながら
私はそいつらに生かされてる

涙を拭えば
水を知らなかった手の甲が潤う
どうせ捨てられないの
目から落ちる雫さえ
手放せない私がそこに



爪が剥がれ落ちるまで
指が千切れ散るまで
黒い土を掘って掘って行ける
そんな勇気はどこにもない

力なんて誰にでもあるのよ
だけどそれ以上の勇気がない
私にも あなたにも



静寂へ滑り堕ちる痛みなんかより

喜怒哀楽を押し込めた己の顔に
寂しさを感じる



黙ってて機具
歯車は止めてくれてもいいんだ

だけど



犠牲をいくつも生んでまで
血になるくらい赤らんでまで
冷たい氷を飲み込んで泳いで行ける
そんな勇気はどこにもない

力なんて誰にでもあるのよ
それ以上の勇気は
私にもない あなたにもない







吐き捨てる暴言は
いつも死を語っているのに
握るものは真っ白な包帯

涙を枯らすことも出来ないあなたが
命を捨てようとするなんて
馬鹿げた話



叩いたくらいじゃ止まらないのよ
赤い筋肉の塊は

ほら
自分が可愛くて仕方ない人間がひとり






最後に

どうせなら教えてほしい
干乾びた手の平から
何を手放せるの?