サヨナラ
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原題: Sayonara
製作:1957年 アメリカ
制作:ウィリアム・ゲーツ
監督:ジョシュア・ローガン
原作:ジェームズ・A・ミッチェナー
脚本:ポール・オスボーン
出演:マーロン・ブランド 高美似子 パトリシア・オウエンス リカルド・モンタルバン レッド・バトンズ ナンシー梅木
そろそろグラミー賞授賞式が近づいてきましたね。今年は、いろんな意味でどうなるのか心配です。ヒロインの友人役を演じたナンシー梅木さんが助演女優賞を受賞した「サヨナラ」です。2003年に「ラストサムライ」で渡辺謙さんが助演男優賞にノミネートされたとき話題になりましたよね。
朝鮮戦争の英雄、米空軍のパイロット、ロイド・グルーバー少佐(マーロン・ブランド)は、突然の命令で、同僚のケリー(レッド・バトンズ )と日本へ渡ります。実はロイドの日本勤務は、婚約者アイリーン(パトリシア・オウエンス)の父、ウェブスター将軍の計らいによるものでした。将軍は夫人とアイリーンをアメリカから日本に呼び寄せていたのです。ロイドとアイリーンは再会を喜びますが、2人の気持ちがずれて、ぎくしゃくしてしまいます。そんな中アイリーンは観劇の際知合った歌舞伎役者ナカムラ(リカルド・モンタルバン)に魅かれていきます。
その頃、同僚のケリーは日本人女性カツミ(ナンシー梅木)との結婚を考えてました。当時タブーとされた日本人との交際に、ロイドは大反対します。しかしケリーの真剣さに心を打たれ、結婚式の立会人を受けることに。ある日ロイドは、松林歌劇の花形スター、ハナオギ(高美以子)を見かけ一目惚れをします。彼は何とか彼女に近づきたくて、毎日会いに出かけました。そして念願かなってようやくケリーとカツミの家でハナオギと会う機会を得たロイド。最初は軽い気持ちでしたが、いつしか真剣な交際に発展していきます。
歌舞伎役者「ナカムラ」に思わず爆笑(バリバリのメキシコ人。しかも白塗り。カタコトの日本語もたまりません)してしまいましたが、日本が日本らしく描かれていたのに驚きました。今まで観てきた「外国人が描いた日本」のなかで、一番リアリティがあったのではないかと思います。
ヒロインの高美以子さんは美しくて英語が堪能な女優でしたが、完全にナンシー梅木さんに持っていかれちゃってました。正直、ナンシー梅木さんは美人ではありませんが、恥らう姿や佇まいが何とも日本人らしくて可愛らしい。物語がすすむにつれ、彼女がどんどん魅力的に見えました。
あ。
あと、マーロン・ブランドの目がエロくて、気が散りました。
(あれは、きっと演技ではないはず。 笑)
ちなみにこの作品、歴史資料として見ても興味深い映像だと思います。当時(1950年代)の神戸港、伊丹空港、東京の町並みなど、50年前の日本の風景を垣間見る事が出来ます。また、松林歌劇団のモデルはOSK(大阪松竹歌劇団、現OSK日本歌劇団)だそうで、当時の大阪劇場公演シーンが使用されているそうです。
色んな角度から楽しめる作品。
面白いです。
・サヨナラ@映画生活
・前田有一の超映画批評