Port Ellen, Isle of Islay, Argyll PA42 7EA.
アイラ島の南側にやってきました。日本にいてピーティーで潮臭いウィ
スキーができる所というと、なんとなく陸奥のイメージからか島の北の
方をイメージしがちですけれど、実際には島の南側にある蒸溜所のウィ
スキーの方が、揃ってピーティーなウィスキーを作っています。
そんなアイラモルトのなかでも群を抜いて強力な大将が、このアード
ベッグ。
ほとんど100%のオプティック種大麦を、50~60ppmまでス
モークした麦芽を使って蒸溜しており、コンクリートの壁がぶつかって
くるような強いウィスキーが出来上がります。
ポットスチル(蒸溜釜)は2基。真夏でしたが蒸溜の真っ最中で、作業の
途中にもかかわらず写真撮影をOKしてくれました。
その数から蒸溜所の規模が分かりますが、まるでクォリティとスケール
はトレードオフの関係にあると主張するかのように、スチルマンは誇り
高くフレンドリーなよい人々です。
それから、アイラ島の蒸溜所を訪ねて気づいたことがあります。
日本のウィスキー書籍を読むと「アイラ島の蒸溜所はどこも海辺に沿っ
て建てられている」とだけ記載されているのですが、蒸溜所の裏側(つ
まり、皆さまが広告などでよくご覧になる蒸溜所の名前がペイントされ
たウェアハウス側)の海辺に出てみると、どこの蒸溜所も例外なく小さな
埠頭を持っています。
出来上がった製品の出荷物流を考えれば、現在はもちろんトラックによ
るのでしょうが、かつてはこの埠頭から海運でスコットランドのメイン
ランドへ運んでいたと考えるのが自然です。
そういえば、日本の余市もかつては小樽まで馬車で運び、そこから海運
だったと解説されています。
そういった製品の出荷の利便性という出口の都合もあって、アイラ島の
蒸溜所は海辺に建てられているのではないでしょうか。
そんな小さなことに気づかせてくれたのも、アードベッグ蒸溜所でした。
スコットランド・アイラ島にて。
にほんブログ村
感謝!