自然こそ芸術 イエローストーン②

実は、天気予報をチェックしたのは、現地に着いてからだった。
TVチェックして、がーん。

明日も明後日も・・・ていうか、今週一週間、雨マークじゃん・・・。

あちゃー・・・傘持ってこなかったよ～（←毎回の事だろ）。
「今回ばかりは、一週間先まで雨じゃあダメかなぁ。でもま、なんとかなるかぁ。」　と思っていた翌朝。



はい？


雨・・・どころか、なんか、ドっピーカンなんですけど。。。レタッチなんてしてない青空。

・・・誰か、、、これを科学的に証明してください。
そして一緒に商売しましょう。　「あなたの記念日、晴らします。」とか謳って。


それはさておき。

なんとか天気を持たせつつ向かったのは、このイエローストーン国立公園で、一番楽しみにしていた
Geyser　ガイザーエリア！！

ガイザーとは　間欠泉　のことで、火山地帯であるこの辺りにはたくさ～んあり、
大きかったり面白い形をしているガイザーには名前がついている。

中でも一番安定した噴出サイクルで、待ってもせいぜい一時間くらいで必ず見れるのが、
Old Faithful Geyser オールド・フェイスフル・ガイザー 。

ぶくぶくと湯気が立っているこの状態は、まだ安定しているところ。
ちなみに、ココから噴出口までは50ｍくらいかなぁ。相当でかい。

噴出する感覚は、だいたい65～92分というサイクルが保たれていて、
ビジターセンターやロッジなどに行けば、こんな風に次の噴出予定時間が書き出されている。

自分が行った時は、次の予定は　9:22から10分以内　。

まさに、その時間どおり、9:15くらいから、“ぼこっ・・・！！”　と、泡と一緒に熱水が飛び出てきた！

最初は小さい噴出しが、

見る見るうちに　ドバばばばば！！っと、50m近くの大噴出！！

溜まっていたものが噴出してくるワケだから、まるで爆発みたい！
しばし、口ぽかーんと開けて、見入ってしまう。

終了して、は・・・っと気づけば、寒い中待ってたワケなので、すんごい体が冷えてる～！
一度、カフェに退散だっ！

早朝のカフェでは、暇そうにしているサンタクロースみたいな店長と一人の店員さんが、
ＮＦＬの話題で盛り上がっている。

かつてのバッファロー・ビルズのＱＢで、かつ副大統領も勤めたジャック・ケンプ氏が亡くなったとな。
ついついそんな話題に入っていったら、「日本から来たのにＮＦＬ好きなの？！」なんて盛り上がりつつ
「次はどこに行くんだい？」　とサンタ店長。

私が行ってみたかったのは　Observation Point オブザベーション・ポイント　という、
このオールド・フェイス・ガイザーを上から見下ろせる場所。

聞いてみると、
「あの向かいの山を登らなきゃならん。まだ雪で閉ざされているか、雪解けの道でぐちゃぐちゃだぞ。
　来月なら大丈夫だろうから、また来なさい。ほっほっほ～。」　て。

サンタさんサンタさん、来月って、あーた、そんなにアメリカ来れませんから。
とりあえず、行けるところまで行ってみよう～。

と、登り始め・・・

15分で着いちゃった。
このくらいの山登りなら楽勝だよ、サンタさん。眺めも最高！！

だがしかし・・・・・　　　寒い！！　

吹き付ける風がモーレツに痛い！！
しかも、次の噴出まで30分もある・・・（登るのにもっと時間かかると思って読み間違えた）

・・・じっ・・・と、縮こまって耐えて待ちましたとも。（↓相方撮）



でも、その甲斐あって、あの大噴出を、上から一望！

大迫力だー！！
ごごごごっ！って大音量もここまで響いてくる！




さて。
スゴイものを見れたけど、ここにはオールド・フェイスフル・ガイザーだけではなくて、
他にもオモシロおかしなガイザーを見て回れる遊歩道トレイルがある。

辺り一面は、湧き出た熱水が溢れ流れてて、硫黄の匂いと、もくもくすごい湯気。
あぁぁ～～温かい～～。

ついつい　「温泉に入りたいね～」　なんて言ってしまう。
こんなにたくさん間欠泉があったら、日本人なら絶対に温泉を作っちゃうと思う。

が、アメリカ国立公園では、人間のためにそんな物を作ってしまうなんて、ありえない。

Keep Wildlife Wild　　自然のものは自然のままに。

観光客が足を踏み入れるのはもちろん、
水面に浮いているバクテリアのオモシロおかしな模様も、枝などで突付いてはダメ！って注意書きが。

ガイザーは、火山の噴火口みたいにモコっと盛り上がったところから吹き出るものや・・・

地中の中から、ぼごぼごしているものなどなど・・・

とにもかくにも、いろんな形があって、おもしろ～～い！！

名のある間欠泉を、ちょびっと紹介。
Aurum Geyser は、ちょうど私たちが通りかかった時に、いきなり　ぶしゅーーっっ！！

うおおお！　超びびったぁぁぁー！

Grotte Geyser　グロット・ガイザーはペアなのだけど、その変な形が面白い。

この時も、盛り上がった沈殿物の中で、ぼごっ・・・ぼごごっ！と、小爆発してる。

Castle Geyser キャッスル・ガイザー　は、園内最古のガイザーらしい。

まさに“お城”というに相応しいくらいデカイ。（写真のは、縦２ｍ以上くらい）
これは10～12時間くらいの間隔というので、残念ながらタイミング合わず（涙）。




さてさて。
こんなガイザーの迫力もすごいけど、面白いのは、それだけじゃないのだ。

それは　Pool　プール　と呼ばれる、自然にできた温泉のようなもの。

上の写真のような黄色のものもあれば、こんな綺麗なエメラルドグリーンだったり。

こういった色は　そこに生息するバクテリアや藻　によるんだとか。
そして　熱水の温度によってバクテリアの種類も異なる　ため、こんな色んな発色が見れる。
あまりにも高温の場所にはバクテリアすら生息できず、ホントのホントの透明さがあるらしい。

このトレイルの一番奥にある
Morning Glory Pool　モーニング・グローリー・プールには、感動。。。

Morning Glory・・・“朝顔”のような色のコントラス。こんなの、見たこと無い。。。

花びらの外側を彩っているのオレンジ色は、鉱山物。
花の中心に行くに連れて、淡緑色から深緑色へ。
バクテリアの色なのか濃度の色なのか、この色の変化、本当に魅入ってしまう。


以上のエリアは Upper Geyser Basin　アッパー・ガイザー・ベイスン　と言うのだけど、
そこから車でちょっと走ると、また違うベイスンがある。

その中でもMidway Geyser Basinにある Grand Prismatic Spring を見てみたかったのだけど、
現在ココは、熊保護のために、人間立ち入り禁止区域になっていた・・・残念。
（Webの画像見るだけでもすごい綺麗）


でも、見所はもう一つある。　Biscuit Basin ビスケット・ベイスン というエリア。

こんな面白い色をした道筋に、まるでバクテリアに誘われているような気分になりつつ進んでいくと・・・


そこにあるのは、ものすごい透明度の高い　Sapphire Pool サファイア・プール！

ちょっと湯気で写真が見辛いかもしれないけれど・・・本当に大きくて青い！
サファイアよりも、もっともっと澄んでいるような。

頑張って、この透明度の高さを写真におさめようとしたけど、自分の腕では限界が。


はぁ・・・ため息がでる。あまりにも綺麗過ぎて。
そして、このプールを前に、時間を忘れて佇んでしまう。


これらの色を作り出しているのは、熱水やその温度、そしてそこに生きるバクテリアだけ。

そう考えると・・・

人間が作った芸術も感動するけど、
自然が自然にあるがままの姿に感動するには適わないなぁ・・・と思ってしまうのだった。