“故郷”って、ホントは一つの場所のことを言うんだろうけど、
自分にとっては、そんな思い入れのある場所がいくつかある。
そのうちの一つが
鳥取。
ここは、
「純米酒」というもの、そして「お燗」というものを教えてくれた師匠や蔵元がいる場所。
一年に一回くらいは帰りたくなってしまうけど、そうそう毎年いけるワケもなく2年が経ってしまった。
鳥取の師匠に
「3月に行こうかなーと漠然と思ってるんですけど、ご都合どうですか~?」 と呟いてみると、
「東京のあのお2人も2月に計画立ててるらしいよ。」 と返ってくるではないか。
しかも、そのお2人に、既に
「経験のある人に計画立ててもらっちゃったら?雪の心配もなくなるし。」
って言っちゃったらしい(笑)。
うわーん、便乗させてくれてありがとうございます(>_<)!
しかも、計画とかそーゆーことなら任せてくださいっ。
ついでにお天気も晴らしますよ~♪ と。
楽しい旅行は電車一つ乗るのも大事。
鳥取駅からは、毎度お馴染みローカル線の 若桜鉄道 に乗って、まった~り。
先頭の桜模様には、“ 祝 80年 ”。 若桜線って開通してから80年も経つんだなぁ。
あ~~、こんな雰囲気の電車の中でプチ宴会したら楽しいだろうけど・・・
今から飲むと・・・“舞い”に、もたなくなるからな。
というと、先輩が、私の作った計画表を見ながら「“舞い”って何?」と。
それは・・・後ほどのお楽しみ、って事で(笑)。
若桜駅 に到着すると、ホームでは太田酒造場 のお父さん(社長)が、待ってくれている!
お久しぶりですー(>_<)!!!
相変わらずなお父さん、お元気そうで、
ここに初めて来る先輩友達に、SLや転車台、駅の建物が登録有形文化財である話を色々してくれる。
蔵に到着すれば、
お母さん、娘さん、おじいちゃん、おばあちゃん、みんながゾロゾロ!っと迎えに出てきてくれて、
玄関が大賑わい。
いつもこうやって迎えてくれて、いつもとっても温かい気持ちにさせてくれる。
すると、明るくてチャキチャキなお母さんが、
「今日はね、“留(トメ)” の作業をちょうどしてるとこなのよ!!
でも、まき子さんたち、疲れてる・・・? どうする?少し休む?」
って、おかーさん、そんな良いチャンスに休んでるなんてトンデモナイ!
元気元気です!今すぐ働きまーーーっっす!!
先輩2人には、こんな行き当たりバッタリな展開で、驚かせてしまったかもしれません。
ごめんなさい~(笑)。
さてさて。
渡された白衣と帽子をかぶって、蔵の中に入っていくと、
キーンと冷たい蔵の中で、お米の良い香りが、ふんわ~りと漂ってくる・・・
あぁ、、これこれ・・・じ~~~ん(>_<)。
冬の蔵の、この雰囲気に、どうしてこうも嬉しくなってしまうんだろうか。。。
不思議だ・・・。
目の前には、蒸されたお米がひんやりした場所で、放冷されている。
お母さんが言った 「今日は“留(トメ)”の日なのよ!」 とは、どういう事なのか、簡単に言うと。。。
日本酒を造るときは、大きなタンクに3回に分けて、原料のお米と米麹と水を入れて発酵させます。
最初が 「初(はつ)」 、真ん中の2回目が 「仲(なか)」 、そして最後が 「留(とめ)」 。
その3回のうちでも、一番たくさんお米が必要なのが「留」。
ちなみに、今回のこのタンクには 等級外のお米 が使われている。
等級外のお米だって、捨てちゃもったいない。
籾殻みたいな不純物が混じっているので、蔵人さんやお手伝いに来てる方たちが、
みんなで丁寧に取り除いている真っ最中。
お疲れ様です!
そんなプロに混じって、我々もお手伝い。
お米を手に取って、少しずつ、少しずつ。
美味しそうなので、たまにパクリ(笑)。
といっても、食用米みたいな味はもちろんしなくて、とっても弾力が。
不純物を取り除いたら、25枚ほどの板に乗ったこのお米たちを、タンクの中に入れていく。
ここで、布をひっくり返してお米がこぼれちゃうなんてことになったら大変!どきどき(>_<)!
慣れない蔵作業に足元がおぼつかない我々、足手まといにならなかったかな(汗)。
先輩も 「ひえ~、大変な作業だな、こりゃ。」 と、始終つぶやいてたりして。
その作業が一通り終わったら、我々の出番はなくなり、おとうさんが蔵を案内してくれる。
2Fでは、我々が1Fでやってた作業を3人でこなしてる。
作業が終わった後も、床に落ちてる一粒一粒のお米をキチっと拾っている蔵人さんの後ろ姿に・・・
ココロ「きゅーん」と。
麹を造る部屋を、麹室(こうじむろ) という。
太田酒造場の麹室は、あちこちに中島杜氏の手造り感満載なものが。
そのこぢんまりさもイイのだ~。
「留」が終わった後、発酵させたタンクの中身(「もろみ」って言います)を搾ると、出てくる液体が日本酒なワケだけど、
その搾る機械を見つめる先輩2人を、後ろからパチリ。
こうして、蔵をしっかりと案内してもらった後は・・・
いよいよ・・・
いよいよいよいよ・・・
「お燗の準備ができましたよ~~~!」 と言うお母さんの声が。
母屋の立派な座敷に通されれば、整然と並んでいる数々の手料理に辨天娘たち。
これはもう、完全に宴会の催し!
これを “舞い” と呼んでしまう自分・・・
大したお手伝いもしてないのに、このおもてなしにはホントに頭が下がってしまう(>_<)!
楽しい宴は、おとうさんのお酌による乾杯でスタート。
自家製ピーナッツ豆腐 は、お母さんお得意の料理・・・
と思ってたら、最近は娘さんも作っているんだとか!
茶碗蒸しも美味しい♪
美味しい料理は、お母さんがキッチンで作ってくれているので、
娘さんがずーっとお燗番。
ほんっとにお燗をつける腕が増してて、もう感動もの・・・。
つきっきりでお燗番してくれて、ありがとう(>_<)!
槽汲の荒走りや中垂れも、最初に冷やをいただき、そのあとは旨~い温度で。
きましたーー! 太田さん特製! だいっ好きな 鯖粕漬け だぁ~~~。
今年はコレで最後なんだそう・・・てことは、とにかく漬かりまくった鯖なワケですね。(ラッキー♪)
このおいしさは、食べた者にしか分からない味わい。
この鯖がメインかな?と思ったら、さらに。
水ガニ が、どーーん!!と!
脱皮したての越前蟹(ずわい蟹) で、殻も柔らかくて、手でパリパリ割れちゃう。
水がに、なんて言うけど味はすんごい濃いのだ。
おとうさんたちに食べ方を教えてもらって、みんなで ちゅーちゅーーー。
しばし会話も控えめに(笑)、むさぼりついてしまう。
この蟹ミソも、お母さんたちが集めて出してくれました~~。
若桜の美味しいお米をおにぎりにしてくれて、それにペタペタ塗り付ければ、
とたんに「お米のつまみ」になってしまう。
んがしかし、まだまだそれだけでは終わらなかった・・・
カレイの煮付け with 卵たっぷり そして 辨天娘の酒粕たっぷり汁 。
これだけ出してくれるだけでもスゴイ!と先輩たちと言いつつ、
お父さんが休むことなくお酌してくださる辨天娘を、どんどん頂く。
本当によく見てらっしゃるんだよなぁ。
ちょっとでも、クイっと盃を傾けると、すぐに注いでくれるのだ。
心のこもった美味しい料理と辨天娘を堪能していたら、あっという間に時は経ち・・・
こんな時間だーーー!!
しかし!
慌てる事なかれ、先輩方。
それは計算済みでありマス。
今までの経験を生かして・・・
この時間を逃したらコレ。
その次はコレ。
と、計画表作成時点で、裏の手をいっぱい押さえていた自分。
「大丈夫です! 最終的には、この時間で帰れますから!」
というと、お母さんがまたハッスルしてくれるんだもんなぁ。
「ほんと~?! まだ帰らなくていいのね! んじゃ、もう一品、おつまみが作れるワ♪♪」 って(笑)
車麩の香味揚げ。
これも、しっかり味がつけられてサクサクで・・・お母さん、美味しいっす(>_<)!。
お父さんの話を始め、杜氏の中島さん、奈良漬を作ってらっしゃる清人さん(社長の弟さん)と
ワイワイ楽しい会話に盛り上がる。
先輩のニューヨークでの日本酒造りの話も、楽しさに輪をかけて。
特に、今回は、自分の大先輩でもあるお二方と一緒ということもあり、
上原先生の話がたくさん出来たのも嬉しい。
こうして、楽しい時間は、
あ!!!
という間に過ぎてしまった・・・
怒涛の5時間だったなぁ。(遠い目)
太田酒造場の家族みんなの温かいおもてなしを受けて、
心も体もぽっかぽかになったのでした。
太田のみなさま、本当に本当に、ありがとうございました!
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私にもいくつかありますよ
鳥取といえば、、、砂丘でラクダに乗った父の写真が実家にあったような??
私は友人と泳ぎに行ったりしました。。。が、まきこさんにとってはお酒なんですね。
これでまだ全部じゃないんだよね。
羨まし過ぎるぞ! 笑
鯖の粕漬け・・ヤバイ!
美味そうだよ!
「ココだけは・・・」ってとこ、ありますよね!
鳥取砂丘は一度だけ行ったことあります。
でも、その時も、
蔵にお邪魔した帰りに酒屋さんと米子の先輩に連れていってもらった、って感じで(笑)。
鳥取といったら、一口で言ってしまえばお酒関連なんですが、
そんな一言では済まされないくらい、
いろんな出会いやいろんな思いを感じている場所です。
そんな私たちに、こんなおもてなしをしてくれる太田のみなさまの
おもてなしのココロに、ほんとに感動ものです(涙)。
何よりこういうところを大事にできる蔵はやっぱり信頼できますね。
ろくにお手伝いもできないタダの飲み手なのに~~。。。
でも、やっぱり渡米直前に伺った時に、
一晩泊まってお手伝いした時の経験は、
大きかったと思います。。。
この「鯖の粕漬け」といったら・・・
自分の満腹中枢がイカれるくらい、
やばいおつまみなのです。。。
そんな大事な事が伝わって嬉しいです(涙)!
蔵人さんの仕事って、何が大変・・・って、
確かに力仕事や寝ずの仕事もあると思いますが、
おっしゃるとおり、
「使ったら洗って、整頓、次にまたすぐに使えるようにする。」
といった、常に洗い仕事なんじゃないかなーと、素人ながら感じてしまいます。
しかも、寒い冬の時期に・・・。
あ、搾るのは醪(酒)で「米」ではありませぬ。(槽の画の説明)
あ、搾るのはお米ぢゃないですね(汗)。
あとで修正しますっ!