まき子の酒

日本酒が好き。純米酒が好き。そんな飲兵衛が「母親」になってしまいました。今はムスコを飲兵衛へと英才教育中?!

「グアム」の歴史を知る旅 前編 【ラッテストーン公園】&【スペイン広場】

2020-01-15 02:35:00 | 海外旅行
今から15年くらい前に初めてグアムに行った、若かりしあの時は…

「グアムってアメリカ領で、世界大戦のときは色々あったみたいだけど、今はハワイより安く行ける南国リゾート♪」

くらいにしか思っていませんでした、すみません(汗)。
でも、今回のグアム旅行で、Jungle Jim's Island Adventures(ジャングルジム・アイランドアドベンチャー) っていう、ジム(Jim)が経営してるツアー会社の「ジムと行く!行き当たりばったりツアー」 に相方が申し込んでいなければ、相変わらずグアムの歴史には興味がなかったかもしれない。

その名の通り、行き当たりばったり
会った当日の朝に行きたいところを告げてから、ジムがルートを決める。

シュノーケリング だけは事前予約が必要だからお願いしていたけど、それだけじゃつまらなーい!

という事で、行きたいところを事前に調べていて、興味が湧いたのが グアムの歴史 。

そもそも チャモロ Chamorro について全然知らなかった。

グアムやサイパンが含まれる マリアナ諸島 は、南北で約800kmにも渡って連なる15の島(ジム曰く、名前がついてるのが15個あるだけで、無人島を入れたらもっとあるらしい)、そんな広範囲にわたって、同じ文化や言語を持つ人が定住していった。

そんなマリアナ諸島を、1520年に初めて見つけたのは、かの有名な マゼラン
このお方、ポルトガル人だけど、 スペイン王の命令 で世界航海していたので、当然 「発見はスペインによるもの!」

マゼランは1521年にセブ島で殺されるけど、1565年に再びスペインからコンキスタドールの レガピス が武装した船で来て、「ここはスペイン領だー!」と勝手に宣言。

そして、グアムを占領しだしたスペイン人は先住民を チャモロ と呼ぶように。
当時の意味は「刈り上げ」とか「ハゲ」ですと?!ひどーい!
もちろん、今はそんな意味はなく、もう何百年も続いている「先住民」という意味だけど、当時のチャモロは自分たちのことは「Taotao Tano' (地元の人)」って呼んでいたそう。


そんなわけで、今のチャモロ文化には、スペイン統治が色濃く残ってるんだな と分かったところで、まずジムにお願いしたのは スペイン広場 聖母マリア大聖堂 と、そのすぐ近くにある、古代チャモロ時代の遺跡が見られる ラッテストーン公園 

歴史の流れから、まずは ラッテストーン公園 へ。

そうそう!これ!実際に見てみたかったんだ〜。
ラッテストーン と呼ばれる石柱は、サンゴで作られたもの。
ガイドブックの写真からは大きさの感覚がわからなかったけど…


比較がムスコで分かりにくいかもしれませんが(笑)、こんな感じ…2mくらい?
ジムによると、これは中サイズ、もっと大きな5mサイズくらいの遺跡が、周囲のマリアナ諸島にはあるらしい。

初めて見た時は「儀式的なもの? お偉いさんのお墓?」って印象だったけど…
今では、この柱の上に建物を作っていた説が有力だとか。
確かに、高床式倉庫っぽい…でも真相は、今はまだ解明されていない。

ところで、ラッテストーンのすぐ隣に立派に建っている銅像のこのお方は誰?!


と思って近寄ると、ちゃんと説明書きが。
この方は議員で、古代チャロモ文化の復興を目指した、 Angel Leon Guerrero Santos さん。

2002年に急死され、サントスさんの功績を讃えるべく、2003年にこの公園の名前を「ラッテストーン公園」から 「Senator Angel Leon Guerrero Santos Latte Stone Memorial Park」 と変えたんだそう。

日本では一般的に「ラッテストーン公園」で通ってまーす。


公園はそんなに大きくはなくて、サクッと回れる感じなのだけど、「Oh〜、パパイヤがなってるね」 とか、ジムがいろいろ案内してくれる。
太平洋戦争時代の日本軍の防空壕なんかもあったりしてなかなか面白いんだけど、ジムが「浮浪者もいるから気をつけてネー…」と。


さぁ、お次は スペイン広場!
ラッテストーン公園の向かいにある駐車場を通り抜けると、スペイン広場の一角につながる。


ここは、スペイン統治 が始まった頃の史跡がたくさん残っているから、「スペイン広場」と呼ばれるようになったとか。


スペイン統治を担った スペイン総督 の邸宅をメインに色んな建物が遺されていて、総督邸のすぐ裏には塀も。


その スペイン提督邸 は、1898年のアメリカとの 米西戦争 に破れ、ほとんど破壊されてしまったので、今あるのは立て直されたもの。

333年に渡るスペイン統治が終焉を告げたものの、アメリカ統治時代になり、その頃はアメリカ海軍の本部がココに置かれたそう。
さらにその後、太平洋戦争で日本がグアムを占領したら、今度は日本軍司令部の本部が置かれるし…

なんだかさー…
チャモロの人たちにとっては、勝手に占領してきた人たちが、勝手に他国と戦争、戦争、戦争を繰り返していたわけでしょー…
自分たちの土地が、自分たちの意思とは関係なく戦場になるって、辛かっただろうな。。。


敷地をぐるっと囲む壁も再建されたものだけど、もともと塀だったサンゴ石があちこちにゴロゴロ…戦争の面影が残っている感じ。


これは チョコレートハウス

スペイン提督の夫人が、客人をここでチョコレートドリンクと共にもてなしていたから、そう呼ばれるようになったとか。
パネルには「サマーハウスとしても知られる…」って書かれている。

他にも、噴水や武器庫の跡地などもいろいろ。


スペイン提督邸の白壁を抜けると、目の前には スペイン統治時代の大砲のレプリカ が。

男の子って、こういうのが好きなんだよねー。
大砲に登ったムスコ、ジムに砲身を動かしてもらって「キャハー!!」


スペイン提督邸の目の前には、とーーっても広々とした芝生広場が。

中央にあるのは KIOSKO(キオスク) 、日本でいう「あずま屋」かな。
今となっては、とても戦争が起こっていたとは思えないほど、のんびりとした雰囲気〜。

ちなみに、KIOSKOの前に立っている大きな木は、日本ではCMで有名な 「この〜木、なんの木、気になる木〜♪ by 日立」の、 モンキーポッド
CMで使われてるのはハワイのだけど、ここにも、大きなモンキーポッドがあちこちに。


そんな、のんびりした芝生広場のすぐ隣にあるのが、聖母マリア大聖堂(Dulce Nombre de Maria Cathedral Basilica)

グアムで初めて建てられた カトリック教会
なんとも立派なんだけど、チャモロならではの信仰とかって無いの?!思ったら、実際、グアムの75%くらいの人はカトリック教徒だとか。

なぜ?!…って思って、いろいろ調べていて思った…
「グアムにおけるカトリック」…これぞまさしく、スペインが遺したもの?!

スペイン統治が始まってから100年後に、 スペインのイエズス会の宣教師 がグアムに来てカトリックを広めて行くわけだけど、先住民にとっては、いきなり「洗礼」なんて言われても意味わかんないじゃん。

「洗礼って楽しそうな儀式だね〜♪」的な感じで入信させられるものの、チャモロは彼らなりの宗教的な概念があるわけで。

例えば先祖への概念。
チャモロは、「先祖の魂は一族の土地に宿る = 土地は神聖なもの」 と信じていたので、先祖を敬うべく、亡くなった一族の頭蓋骨は家に吊るして、亡骸は一族の土地に埋めていた。
でも、それを、宣教師は「悪しき習慣」と言う。

それに、洗礼を受けたくなくても、武力をチラつかせて 入信させようとする…そりゃあ反乱も起きますわ。

そして、とうとう起きた スペイン・チャモロ戦争
1668年に始まって、27年後の1695年にチャモロが降伏するまでに、 反カトリックの村はとことん焼き払った んだそう。
しかも、見せしめのために、反カトリックの酋長には酷い罰を与えたとか、なんかもーどっちが野蛮なんだか?!って感じ。

この戦争の結果、 元は100,000人ほどいたチャモロは 5,000人以下 にまでに減っちゃったそう…。

要するに!

グアムで生き延びたのは、カトリックに反抗しなかったチャモロ人だけ ってことなんじゃないの?!

そう考えたら、“グアムで初めて建てられたカトリック教” の 聖母マリア大聖堂 が、こうして立派に建っていることもーー

最初に宣教師としてやって来て、この大聖堂を建てた サン・ヴィトレス神父 が敬われていることもーー

サン・ヴィトレス神父に洗礼を受けて「ここにカトリック教会を建てて良いですよ」と、土地を提供した当時の 大酋長キプハ さんの銅像が立派に建っていることもーー

よーぉっくわかる。
(なんか勘違いしてるぞ、コイツと思ったら、ぜひコメントで教えてください)

…と、皮肉っぽくなっちゃったけど、それは昔のハナシ。
今は、みんなカトリックで幸せに暮らしているので、それに越したことはない。

そして、この教会、ほんっと綺麗だし大きい!

入口は、「え?シアター?」って思うような雰囲気。
教会なので無料で入れるけど、やっぱお気持ち程度のお賽銭は入口の箱へ。

外見から想像していた通り、中もすごーい、ひろーい!!


パイプオルガンはないけど、広い窓から差し込む光が印象的。


入口と左右にあるステンドグラスも立派だ。 金かかってそうだなー。


でもやっぱ教会の、しーん…とした雰囲気って好きだな…自分が無に帰ると言うか…
と思ってるそばから、ムスコが 「ヤッホー!」

ドアホ!!! 教会でそんなアホな大声出すんじゃない!!!
ジムも「やれやれ」な顔(汗)


教会の向こう側には グアムミュージアム があるのだけど、それを背景に、写真撮影スポットが。

なーんかこれー、神戸のハーバーランドにもある 「BE KOBE」 みたい。
どこの国でも同じようなこと(っていうか、どっかのマネ?)してんのね…って、わかっちゃいても、ついつい写真撮っちゃう(笑)。


ちなみに、大昔のスペインや宣教活動について、散々書いたけど(笑)、昔は昔、今は今。
今回お世話になったジムも、若い頃は日本で宣教師として働いてたから日本語が達者になったそうで、おかげでこうやって楽しい旅をさせてもらえる。

このあと、今度はアメリカ統治、日本占領などなどの史跡に続くんだけど、長くなるので、その日記はまた別の機会に〜。

【ジムと行く!行き当たりばったりツアー】
ボム・ホールでシュノーケル
恋人岬






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2 コメント

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Unknown (庄助)
2020-01-15 08:30:08
グアムの歴史初めてです。
勉強になりました。

本当にいいガイドさん見つけられました、すてきな旅になりましたね。


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■庄助さん (まき子)
2020-01-15 18:47:02
グアムの歴史と言ったら、世界大戦ぐらいの頃のことしか知らなかったので、
(世界史でやったかもしれないですが、もう忘れた〜)
改めてグアムの歴史を勉強して私も初めて知ったことばかりです。

ジムのおかげで、ほんっとに楽しかったです♪
でも、まだまだジムのツアーは続きます〜(笑)

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