『 窓にヤモリが 』
岡崎 昇さん 作 (切り絵)
家にヤモリが来ると縁起が良いと昔から言うが…。
さて70才を目前にする頃になると、先輩諸兄から「高橋さん!70を過ぎると
ガクッと来るよ」とよく言われたものだ。よもやと思っていたが、経験者の先輩方は
嘘つかない!で、まさしくその通りだった。
60の後半から、狭心症で倒れてステント挿入治療で助かり、糖の値は一向に下がらず
慢性腎炎を併発、動脈硬化、高脂血症、腹膜炎で入院、前立腺の手術、左目は黄斑変性網膜症
で硝子体注射を二ヶ月に1度(左目はほぼ駄目)受ける等と肉体的にはかなり忙しくハードだった。
それにつれて自然に体力気力の衰えを自覚させられ、何もしたくない、出掛ける意欲もなくなり、
きっといろいろ世間的な不義理もしたことだろう。
今日は熱がある、腰が痛い、便秘やめまいがする、そしてたまらないようなだるさが、日常的に
あって苦しい日々であった。
結構厳しい転換期の5年間だったようだ。それでも絵だけは続けて居た。