本間一夫先生の座右の銘を
日本点字図書館にて目にする機会を得ました。
日本点字図書館は、視覚障害者のために点字図書・録音図書の製作・貸出などを行う日本最大の視覚障害者用図書館で、1940年(昭和15年)11月10日 - 北海道増毛郡増毛町出身の本間一夫(1915-2003)により、「日本盲人図書館」として東京市豊島区雑司ヶ谷に創設されました。
本間一夫氏は、北海道の豪商の家に生まれ、5歳で失明。その後、勉学を重ね、「日本盲人図書館」の創設をはたしました。「日本盲人図書館」は1948年「日本点字図書館」と改称し、1952年社会福祉法人認可を受けました。
創設者の本間氏の座右の銘は、エミリ・ディキンスンの詩でした。
一人の悩みを癒しえば
一人の憂いを去りえなば
疲れし鳥の一羽をば
助けてその巣に返しえば
我が生活は無駄ならず
(「自然と愛と孤独と」 中島完(たもつ)氏訳)
すべての人が共生していける社会なんて
夢のまた夢なのが、日本の、いや世界、地球の現実です。
それでも、人の痛みを、自分の痛みとして想像したり、考えたり、
自分が幸せなときに、他人の悲しみについて考えることができたら、
世の中は良くなるのではないかとおもわずにはいられません。
私には、目がみえない人の気持ちも、
耳が聞こえない人の気持ちも、
身体に障害を持つ人の気持ちも、
知的障害を持つ長男の気持ちですら、
これぽっちもわかっていないといつも思います。
わかったと思ったら、それは思いあがりだろうと思います。
けれども、わかろうと努力したいと思います。
そして、同じ人間として共に生きたいと思います。
そういう方々が必要な支援を得て、
社会参加ができる世の中でありたいと思います。
たぶん、思い続けるだろうと思います。
この詩は、私たちのような仕事をしている者への
永遠の問いかけであるように思います。
社会福祉法人日本点字図書館
〒169‐8586 東京都新宿区高田馬場1‐23‐4
電話 03‐3209‐0241(代表) FAX 03‐3204‐5641
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