【はじめに】
パリ・オリンピックで性染色体が『XY』の女性選手(アルジェリアのイマネ・ヘリフ選手)のパンチが強烈だったので、可笑しな意見が飛び交っています。 『ひろゆき氏』さえも誤解されている様に見えたので、『性染色体異常』について書きました。
国際オリンピック委員会(IOC)についても誤解されている方が多いい様に見受けられます。 IOCは、オリンピックと言うイベントの興行主(主催者)を決定して、イベントで得られる利益の一部を興行主からピンハネする団体です。 オリンピックのテレビの放映権や公式スポンサーの決定権は、IOCが握っています。 これらの権利によって、IOCは収入の大半(約70%)を得ています。 支出の大半(約90%)は各競技団体に分配されます。
競技のルールや選手の資格は各競技団体が決めています。性染色体が『XY』の女性を『女子選手』として認めるか?否か?は各競技団体が決めています。
【男性と女性の運動能力の差】
男性は女性に比べて運動能力は優れています。デズモンド・モリス氏によると、「無差別に男女各100人選んで→→成績順に上から並べたとします。 陸上競技では、男性の成績が悪い7人(下から7人)は、成績の良い女性7人(上から7人)に敵わない」そうです。 陸上競技以外でも、男性の方が優位の為に大昔から男女を分けて試合が行われてきたのです。
囲碁や将棋でも男女の能力差は顕著です。 ”そんなこんなで”→→『男尊女卑』という誤った考え方/文化が蔓延ってしまいました。 是非とも!次のデズモンド・モリス氏の本を読んで下さい!
(推奨図書) デズモンド・モリス著 藤田統訳:小学館ライブラリー14『マンウォッチング(下)』の”性別信号” ・・・P213~239
【性について】
私は学校で、性染色体が『XY』になっているのが『男性』で、『XX』が『女性』だと教えられました。 法律では、生まれた赤ん坊の性器を見て→→医者や助産婦が『男性』か『女性』かを決めます。 換言すると、法律では『男性』と『女性』の2種類しか有りません。
然し、稀に性染色体が『XY』でも性器が『女性』のケースが有り、『XX』でも性器が『男性』のケースが有ります。
パリ・オリンピックの女子ボクシングに出場した、アルジェリアのイマネ・ヘリフ選手と台湾のリン・ユーチン選手の染色体は『XY』だった様です。 イマネ・ヘリフ選手のパンチが強力だったので、種々誤解を生みました!
性染色体が『XY』の女性は、『XX』の女性よりも少しテストステロンが多いい様ですが、『XY』の男性でテストステロンが最も少ない方と同じ程度の様です。
「女性のクリトリスを切除すると→→テストステロンの分泌が増加して→→運動能力がアップするだろう!」と考えて、優秀な女性選手のクリトリスを切除した国が有った様です。 私は、「期待した効果は得られ無かったのでは」と思っています。 アフリカのスーダンやケニアには、女性のクリトリスを切除する民族が有りますが、これらの国がオリンピックで大活躍したと言う話しを聞いた事が有りません。
(御参考 :ウイキペディアの『スポーツにおける性別確認』)
第二次世界大戦後に、スポーツの世界では『女性の定義』について種々議論して来ました。 興味のある方はウイキペディアの『スポーツにおける性別確認』を読んで見て下さい。
・・・ 性染色体異常の種類一覧 ・・・
(1) 性染色体が『XY』
① 『XY』は普通は男性
② 『XY』で有るが、性器は女性 『アンドロゲン不応症』 ・・・法律では女性
③ 『XY』で有るが、心は女性 ・・・性同一性障害(トランスジェンダー)
(2) 性染色体が『XX』
① 『XX』は普通は女性
② 『XX』で有るが、性器は男性 ・・・法律では男性
③ 『XX』で有るが、心は男性 ・・・性同一性障害(トランスジェンダー)
(3) 性染色体が『間性(インターセックス)』
① 雄間性 ・・・雄の形質を強く示す場合
② 雌間性 ・・・雌の形質を強く示す場合
(4) ターナー症候群 :『X』一本または『XX』では有るが一部が欠損しているケースです。
【テストステロン】
『テストステロン』は男性ホルモン(アンドロゲン)の一種です。 性染色体が『XY』の胎児は、沢山テストステロンを作り→→体内にいる内に男性性器が出来→→その他の身体の特徴も男性になります。 性染色体が『XY』でも、稀にテストステロンが少ないケースが有ります→→女性性器が出来→→出産すると→→医師は『女性』と判断して→→出産届が作成されます。
性染色体が『XX』の場合も少しテストステロンが出来ます。『XY』の女性よりもテストステロンが少ない様です。
テストステロンが多いい方が運動能力が高い様ですが、アスリートは練習/鍛錬でで身体を鍛え→→オリンピックに出れる様になります。 不埒なソ連/ロシアは国家ぐるみで(テストステロンを含む)禁止薬物を使用して、メダル獲得数を増やそうとしました。
《ドーピング検査》
1999年に国際オリンピック委員会(IOC)とは独立して『世界ドーピング防止機構(WADA)』が設立されました。 本部はカナダ・モントリオールに有ります。
2011年に日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が設立されて、ドーピング検査を行っています。 同様な組織が各国に有ります。
本稿で問題にしているテストステロンを含む男性ホルモン(アンドロゲン)は、世界ドーピング防止機構(WADA)とIOCの禁止薬物になっています。
【国際オリンピック委員会(IOC)と性】
国際オリンピック委員会(IOC)は、『性』の定義や、性同一性障害者(トランスジェンダー)の取り扱いについては関与していません。 各競技団体の決定に委ねています。
今回・物議を醸している女子ボクシングは、『国際ボクシング協会』のルールに従っているのです。 国際ボクシング協会は、性染色体が『XY』でも性器が女性で有れば→→『女性』として参加出来る事にしているので→→イマネ・ヘリフ選手とリン・ユーチン選手が参加出来たのです。
性染色体が『XY』の性同一性障害者(トランスジェンダー)の場合は、殆どの競技団体で→→『女性』としての参加は認めていないと思われます。 (手術して男性性器を除去していても→→『女性』としての参加は認めないと思います。)
性染色体が『XY』のトランスジェンダーは、染色体が『XX』のノーマルの女性より運動能力が高いですから→→『女性』とし参加させるのは不公平だと思います。
【補遺 :女性アスリート】
性染色体が『XY』のアルジェリアのイマネ・ヘリフ選手と台湾のリン・ユーチン選手が金メダルを獲得しました。
性染色体が『XY』の女性は、性染色体が『XX』の女性よりも運動能力が高い事を証明した様に見えます。 今後、各国で女性アスリートの性染色体を調査して、『XY』の女性アスリートにお金を掛けて→→特別に育成する様になりそうです。
『XY』の女性がメダルを独占する種目が有ったら→→『XY』と『XX』の選手を分けて試合をする事になるかも知れません。
パリ・オリンピックで性染色体が『XY』の女性選手(アルジェリアのイマネ・ヘリフ選手)のパンチが強烈だったので、可笑しな意見が飛び交っています。 『ひろゆき氏』さえも誤解されている様に見えたので、『性染色体異常』について書きました。
国際オリンピック委員会(IOC)についても誤解されている方が多いい様に見受けられます。 IOCは、オリンピックと言うイベントの興行主(主催者)を決定して、イベントで得られる利益の一部を興行主からピンハネする団体です。 オリンピックのテレビの放映権や公式スポンサーの決定権は、IOCが握っています。 これらの権利によって、IOCは収入の大半(約70%)を得ています。 支出の大半(約90%)は各競技団体に分配されます。
競技のルールや選手の資格は各競技団体が決めています。性染色体が『XY』の女性を『女子選手』として認めるか?否か?は各競技団体が決めています。
【男性と女性の運動能力の差】
男性は女性に比べて運動能力は優れています。デズモンド・モリス氏によると、「無差別に男女各100人選んで→→成績順に上から並べたとします。 陸上競技では、男性の成績が悪い7人(下から7人)は、成績の良い女性7人(上から7人)に敵わない」そうです。 陸上競技以外でも、男性の方が優位の為に大昔から男女を分けて試合が行われてきたのです。
囲碁や将棋でも男女の能力差は顕著です。 ”そんなこんなで”→→『男尊女卑』という誤った考え方/文化が蔓延ってしまいました。 是非とも!次のデズモンド・モリス氏の本を読んで下さい!
(推奨図書) デズモンド・モリス著 藤田統訳:小学館ライブラリー14『マンウォッチング(下)』の”性別信号” ・・・P213~239
【性について】
私は学校で、性染色体が『XY』になっているのが『男性』で、『XX』が『女性』だと教えられました。 法律では、生まれた赤ん坊の性器を見て→→医者や助産婦が『男性』か『女性』かを決めます。 換言すると、法律では『男性』と『女性』の2種類しか有りません。
然し、稀に性染色体が『XY』でも性器が『女性』のケースが有り、『XX』でも性器が『男性』のケースが有ります。
パリ・オリンピックの女子ボクシングに出場した、アルジェリアのイマネ・ヘリフ選手と台湾のリン・ユーチン選手の染色体は『XY』だった様です。 イマネ・ヘリフ選手のパンチが強力だったので、種々誤解を生みました!
性染色体が『XY』の女性は、『XX』の女性よりも少しテストステロンが多いい様ですが、『XY』の男性でテストステロンが最も少ない方と同じ程度の様です。
「女性のクリトリスを切除すると→→テストステロンの分泌が増加して→→運動能力がアップするだろう!」と考えて、優秀な女性選手のクリトリスを切除した国が有った様です。 私は、「期待した効果は得られ無かったのでは」と思っています。 アフリカのスーダンやケニアには、女性のクリトリスを切除する民族が有りますが、これらの国がオリンピックで大活躍したと言う話しを聞いた事が有りません。
(御参考 :ウイキペディアの『スポーツにおける性別確認』)
第二次世界大戦後に、スポーツの世界では『女性の定義』について種々議論して来ました。 興味のある方はウイキペディアの『スポーツにおける性別確認』を読んで見て下さい。
・・・ 性染色体異常の種類一覧 ・・・
(1) 性染色体が『XY』
① 『XY』は普通は男性
② 『XY』で有るが、性器は女性 『アンドロゲン不応症』 ・・・法律では女性
③ 『XY』で有るが、心は女性 ・・・性同一性障害(トランスジェンダー)
(2) 性染色体が『XX』
① 『XX』は普通は女性
② 『XX』で有るが、性器は男性 ・・・法律では男性
③ 『XX』で有るが、心は男性 ・・・性同一性障害(トランスジェンダー)
(3) 性染色体が『間性(インターセックス)』
① 雄間性 ・・・雄の形質を強く示す場合
② 雌間性 ・・・雌の形質を強く示す場合
(4) ターナー症候群 :『X』一本または『XX』では有るが一部が欠損しているケースです。
【テストステロン】
『テストステロン』は男性ホルモン(アンドロゲン)の一種です。 性染色体が『XY』の胎児は、沢山テストステロンを作り→→体内にいる内に男性性器が出来→→その他の身体の特徴も男性になります。 性染色体が『XY』でも、稀にテストステロンが少ないケースが有ります→→女性性器が出来→→出産すると→→医師は『女性』と判断して→→出産届が作成されます。
性染色体が『XX』の場合も少しテストステロンが出来ます。『XY』の女性よりもテストステロンが少ない様です。
テストステロンが多いい方が運動能力が高い様ですが、アスリートは練習/鍛錬でで身体を鍛え→→オリンピックに出れる様になります。 不埒なソ連/ロシアは国家ぐるみで(テストステロンを含む)禁止薬物を使用して、メダル獲得数を増やそうとしました。
《ドーピング検査》
1999年に国際オリンピック委員会(IOC)とは独立して『世界ドーピング防止機構(WADA)』が設立されました。 本部はカナダ・モントリオールに有ります。
2011年に日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が設立されて、ドーピング検査を行っています。 同様な組織が各国に有ります。
本稿で問題にしているテストステロンを含む男性ホルモン(アンドロゲン)は、世界ドーピング防止機構(WADA)とIOCの禁止薬物になっています。
【国際オリンピック委員会(IOC)と性】
国際オリンピック委員会(IOC)は、『性』の定義や、性同一性障害者(トランスジェンダー)の取り扱いについては関与していません。 各競技団体の決定に委ねています。
今回・物議を醸している女子ボクシングは、『国際ボクシング協会』のルールに従っているのです。 国際ボクシング協会は、性染色体が『XY』でも性器が女性で有れば→→『女性』として参加出来る事にしているので→→イマネ・ヘリフ選手とリン・ユーチン選手が参加出来たのです。
性染色体が『XY』の性同一性障害者(トランスジェンダー)の場合は、殆どの競技団体で→→『女性』としての参加は認めていないと思われます。 (手術して男性性器を除去していても→→『女性』としての参加は認めないと思います。)
性染色体が『XY』のトランスジェンダーは、染色体が『XX』のノーマルの女性より運動能力が高いですから→→『女性』とし参加させるのは不公平だと思います。
【補遺 :女性アスリート】
性染色体が『XY』のアルジェリアのイマネ・ヘリフ選手と台湾のリン・ユーチン選手が金メダルを獲得しました。
性染色体が『XY』の女性は、性染色体が『XX』の女性よりも運動能力が高い事を証明した様に見えます。 今後、各国で女性アスリートの性染色体を調査して、『XY』の女性アスリートにお金を掛けて→→特別に育成する様になりそうです。
『XY』の女性がメダルを独占する種目が有ったら→→『XY』と『XX』の選手を分けて試合をする事になるかも知れません。