これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

アメリカは白人国家では無くなります!

2023-11-04 17:04:30 | 国際問題
【はじめに】
 「アメリカは今世紀、大きく変化して混迷するのでは?」と私は恐れています! その原因は色々有ると思いますが、最大の原因は「白人の割合が次第に低下して→→ヒスパニック系の国民が増加する」と予想されるからです。

 現在のアメリカの国政選挙では『宗教票の取り込み』が重要になっています。 アメリカは、プロテスタント教徒が多かったですが、ヒスパニックはカトリック教徒が多いいので→→ヒスパニック系の増加で→→カトリック教徒が増える事になります。

 かってアメリカは『世界の警察』の役割を果たして来ましたが、トランプ大統領が誕生して→→『アメリカ・ファースト』を支持する国民が沢山いる事を世界に知らしめました。 今後、白人の割合が低下して→→ヒスパニック系国民が増加するのは避けられません。 そうなったら、益々『アメリカ・ファースト』が叫ばれる様になると予想します→→駐留米軍は縮小されるでしょう!→→日本の安全保障政策を、今から見直す必要が有ると考えています。

【アメリカの人種割合の急変】
 2012年にアメリカ合衆国国土安全保障省が発表した人種割合の予想データーを、私がパーセンテージに直したものを下に書きました。 元のデーターは、『ウイキペディア・アメリカ合衆国の人種構成と使用言語』で見れます。

 アメリカは白人社会でしたが、白人の割合は急激に低下しています。 20世紀末に、白人の割合は『70%』ほどでしたが、現在は『60%』ほどになっています。 移民政策を変えない限り、20年後には白人の割合は『50%』以下になり、その後も低下は続きます。 (私の予想では、今世紀の末に白人は少数民族になります。)

 ヒスパニック系とアジア系の人口が増加しているのは、出産では無くて、移民の為です。

(余談 :オバマ大統領) 2009年に黒人のオバマ氏が大統領になりました。この頃の黒人の割合は『12%』でした。 現在、ヒスパニックは『20%』を超えたと思われるので、近い将来、ヒスパニック系の大統領が誕生すると予想しています。

・・・ 人種割合の変化予想 ・・・
★ 00年 :白≒69.2%、 ヒ≒12.5%、 黒≒12.0%、 ア≒3.6%、 他≒2.7%
★ 10年 :白≒63.8%、 ヒ≒16.4%、 黒≒12.2%、 ア≒4.7%、 他≒3.0%
★ 20年 :白≒59.7%、 ヒ≒19.1%、 黒≒12.5%、 ア≒5.5%、 他≒3.2%
★ 30年 :白≒55.5%、 ヒ≒22.0% 、 黒≒12.7%、 ア≒6.1%、 他≒3.8%
★ 40年 :白≒51.0%、 ヒ≒25.0%、 黒≒12.8%、 ア≒6.8%、 他≒4.1%
★ 50年 :白≒46.6%、 ヒ≒27.9%、 黒≒13.0%、 ア≒7.4%、 他≒5.0%
★ 60年 :白≒42.6%、 ヒ≒30.6%、 黒≒13.2%、 ア≒7.9%、 他≒5.7%

凡例 :『白』は白人、『ヒ』はヒスパニック、『黒』は黒人、『ア』はアジア系
    『他』は先住民、混血等の合計です。他が増加するのは混血が進むためです。
出典 :2012年にアメリカ合衆国国土安全保障省が発表した『人種割合の予想データー』を、私が『%』に換算しました。

【ヒスパニック系の流入】
 アメリカでヒスパニック系人口割合が高くなってきているのは、北米のヒスパニック系国からの移民が増加しているためです。 ヒスパニック系の各国では、21世紀になっても凄まじい勢いで人口が増加しており→→仕事を求めて→→アメリカを目指して行動しています。

 グアテマラ、ホンジュラス及びエルサルバドルから移民希望者がメキシコとアメリカ国境周辺に大挙して集まり、メキシコ人も加わって合法的と非合法で国境を越えています。近年は中国人も多くなっている様です。

 アメリカとメキシコの国境の長さは『3,141km』も有ります。(韓国と北朝鮮の国境の長さは『250km』です。 新千歳空港から那覇空港までの距離は『2,244km』だそうです。)

 「国境線があまりにも長いので、メキシコからアメリカへの不法入国を完全に阻止する事は不可能だ!」と私は思います。 近年、不法入国してアメリカで働いている人は1,000万人~1,100万人いると言われています。 不法入国者と承知の上で、安い賃金で働かせているアメリカ人が存在している事が問題だと思います。仕事が無かったら、不法入国しようとする人間は殆どいないと思われます。需要が有れば、供給されます。(麻薬と同じです。)

 ヒスパニックとは、スペイン人と、かってスペインの植民地だった国の人達のことです。ヨーロッパ連合(EU)の人口は2019年頃から減少に転じましたが、スペインはまだ増加しています。

・・・ ヒスパニック系国の人口推移 ・・・
★ 80年 :メ≒67.6百万人、 グ≒7.2百万人、 ホ≒3.7百万人、エ≒4.9百万人、キ≒9.8百万人
★ 90年 :メ≒84.2百万人、 グ≒9.3百万人、 ホ≒5.0百万人、エ≒5.4百万人、キ≒10.6百万人
★ 00年 :メ≒98.8百万人 、グ≒11.7百万人、ホ≒6.6百万人、エ≒5.9百万人、キ≒11.1百万人
★ 10年 :メ≒113.8百万人、グ≒14.6百万人、ホ≒8.3百万人、エ≒6.1百万人、キ≒11.3百万人
★ 20年 :メ≒127.8百万人、グ≒18.0百万人、ホ≒9.9百万人、エ≒6.5百万人、キ≒11.3百万人

凡例 :『メ』はメキシコ、『グ』はグアテマラ、『ホ』はホンジュラス、『エ』はエルサルバドル、『キ』はキューバです。
出典 :『世界経済のネタ帳』など

・・・ ご参考:スペインの人口推移 ・・・ 出典:GeaphToChart
 ヨーロッパ諸国では少子化が問題になっていますが、スペインの人口は、80年≒3,749万人、90年≒3,887万人、00年≒4,057万人、10年≒4,658万人、20年≒4,737万人・・・増加しています。

【トランプの壁の経緯】
 トランプ大統領 :任期=2017年1月~21年1月

 トランプ氏が大統領選挙の公約の一つとして、2016年に、メキシコとの国境に壁(トランプの壁)を建設すると言い出しました。 そして、「壁はアメリカが建設するが、費用はメキシコに負担させる」と訳の分からない事を言い出しました。 勿論、メキシコは拒絶しました。

 2018年に『トランプの壁』建設費として、10年間で『180億ドル』の予算を議会に提出しましたが、否決されました。

 議会が予算を認めなかったので、トランプ大統領は軍事予算『36億ドル』を転用できる『国家非常事態宣言』に署名し、2019年から『トランプの壁』を作り始めましたが、殆ど工事は進まなかった様です。

 19年の年末から新型コロナが流行し始め、トランプ大統領は感染防止対策として、20年3月に、不法移民を見付けたら→→即刻、強制送還させる『タイトル42』を発動させました。 『タイトル42』は不法入国者対策としての効果は高かった様に思います。

 20年に行われた大統領選挙で、トランプ氏が落選し、バイデン氏が大統領になり→→『トランプの壁』の建設は中断させました。 今年(23年)10月になって、バイデン大統領が、トランプ大統領が残した『36億ドル』の残金で『トランプの壁』を『32km』建設すると発表しました。

(御参考 :アメリカとメキシコの国境) アメリカとメキシコの国境の複雑な問題と、アメリカの過去の取り組みについては、ウイキペディア『アメリカ=メキシコ国境』を参照願います。 メキシコは不法移民問題だけで無く、麻薬でもアメリカに多大な迷惑を掛けていますが、皆さん御存知の様に「メキシコは、マフィアが横行する、トンデモ無く腐敗した国」ですから、アメリカとしてはメキシコの協力を仰ぐ事は出来ないのです。自分の身は自分で守る必要が有るのです!

(ご参考 :不法入国者の帰化) 不法入国者が永住権(グリンカード)を取得したり、帰化する事は非常に難しい様です。然し、厳しい条件に合致すれば、グリンカードが取得出来ます。グリンカードを持っていたら→→米軍に入って3年間軍務に従事したら→→帰化申請が出来る様です。 アメリカで生まれた子供は米国籍がもらえます。

【国境の壁は有効か?】
 不法入国を希望している貧しい!貧しい!人達は、メキシコとの国境を越えて、陸路から入国する事を試みている様です。 然し、少し金が有る人達は→→観光ビザで飛行機を利用して入国し→→不法に就業している様です。(その数は結構多いい様です。) 『トランプの壁』は、空から侵入する輩には効果が有りません。

 前述の『タイトル42』は、23年5月に失効しました。バイデン大統領は『タイトル8』によって、不法移民の増加を抑制しようとしています。『タイトル42』は「見つけ次第、即刻送還」でしたが、『タイトル8』は「見つけ次第、数日以内に送還」と、少し緩和されている様です。それでも、『トランプの壁』よりは効果は有る様です。

【人種と宗教と支持政党】
 現在、アメリカの選挙では宗教の影響が大きいと言われています。 白人とプロテスタントが国政を支配してきました。 ケネディー大統領(第35代;任期≒1961年~63年)が最初のカトリック教徒の大統領です。 二番目が現在のバイデン大統領(第46代)です。 無宗教の人は増えて来ていますが、無宗教者の大統領は、まだ誕生していません。

 但し、合衆国憲法では『政教分離』が規定されているので、公民権運動が始まった1960代までは宗教団体が、組織的に『票』を集める事は無かった様です。カーター大統領(第39代;任期≒1977年~81年)の頃から「『宗教票』を如何に取り込むか?」が重要になって来たのです。

 ユダヤ人とは、ユダヤ教の信徒を意味する様です。黒人でもユダヤ教に(正式に)入信したら、ユダヤ人に数えられるのだと思います。

 アメリカでは、ユダヤ人の割合は『1%』しか有りませんが→→富豪/裕福な方が多く→→政治家に多額の献金をして→→ロビー活動を活発に行うので→→民主党も共和党も、ユダヤ人の要望をある程度聞かざるを得ないのです! その典型がイスラエル支援です。 今回のハマスとイスラエルの紛争では、イスラエルを支援していますが、イスラエルがやり過ぎて、国内/国際世論が『反イスラエル』に傾いたら→→アメリカはイスラエルに「もういい加減に矛を収めろ!」と言うと予想しています。

(ご参考 :ヒスパニック系国のカトリック教徒の割合) 宗主国(そうしゅこく)だったスペインのカトリック教徒は『94%』です。メキシコ≒82.7%、グアテマラ≒66%、ホンジュラス≒94%、エルサドバトル≒57%、キューバ≒40%

・・・ アメリカの宗教 ・・・ 出典:ウイキペディア『アメリカ合衆国の宗教』
★ プロテスタント≒42% ・・・福音派はプロテスタントに含まれます。
★ カトリック≒21%
★ 無宗教≒18%
★ 不可知論≒6%
★ 無神論≒5%
★ モルモン教≒2%
★ ユダヤ教≒1%
★ イスラム教≒1%
★ ヒンズー教≒1%
★ 仏教≒1%
★ 未確認≒1%
★ 正教会≒0.5%
★ その他≒0.5%

イスラエルとハマスの問題

2023-10-21 08:25:41 | 国際問題
【はじめに】
 今月(2023年10月)7日に、ハマスがイスラエルを襲撃してから、連日・テレビや新聞が悲観的な報道をしています。 第3次世界大戦を危惧している方がおられますが、私は「大戦にはならない」と考えています。

 1947年の国連安保理の決議で、1948年にイスラエル国が誕生しました。この決議はアラブ人にとっては許し難い内容でした。以来、パレスチナでは紛争が絶えなくなってしまいました。70年以上経過して、周辺のアラブ諸国はイスラエルとの共存を模索する様になって来ましたが、ガザ地区に押し込まれたアラブ人達は耐えがたい生活を余儀なくされています。失う物が無く、全能の神に頼るしかない男達がハマスに参加して、今回の事件を起こしたと思います。

 今回の紛争は何れ収まると思いますが、ハマスとヒズボラは時々・ミサイルを撃ち込んで、小競り合いは永遠に続きそうです!

【紛争はエスカレートするか?!】
 「今回の紛争がドンドン拡大して→→第3次世界大戦になる恐れが有る」と主張される方がいますが、私は、以下に述べる見立てから「今回の紛争はそんなに拡大しない」と楽観的に見ています。

 バイデン大統領は、「イスラエルを支援するため」と言って、空母を2隻も地中海に派遣しました。私は、「イスラエルが有る程度は反撃するのは許容するが、アメリカが考えている以上にガザ地区の住民を殺戮するのは許さない」、「ヒズボラがミサイルでイスラエルを攻撃したら、レバノン南部のヒズボラが実行支配する地域にイスラエル軍が侵攻するのは認めるが、溜飲が下がる程度にヒズボラをやっつけたら、現在の国境線まで撤退させる」為に、バイデン大統領は強力な軍隊を派遣したのだと見ています。 換言すると、「イスラエルに過剰な行動をさせない為に、空母を派遣したのだ!」と思います。

 「イランが参戦する」と予想している方がおられますが、イランはミサイルを何発か打ち込むかも知れませんが、地上軍をレバノンに派遣して、ヒズボラと連携してイスラエルに侵攻するのは不可能だと思います。戦車や戦闘機をレバノンに持ち込もうとしたら、レバノン軍とアメリカ軍が阻止するでしょう!

 「ロシアが参戦する」と言う方もおられますが、ロシアはウクライナで手一杯ですから、そんな余裕は有りません。中国は賢いですから、得にならない戦争には参加しません。

(余談 :レバノン) イスラエルの隣国・レバノンは政治的に非常に複雑な国です。陸海空の国軍が有り、装備はアメリカ製が多いい様です。 イスラエルに敵対している、強力な『ヒズボラ』と言う民兵組織が有り、イランの支援を受けています。 イランは『革命防衛隊』を駐留させています。

 ヒズボラの兵員数は、平時≒45,000人、非常時≒70,000人程の様です。(出典:ウイキペディア『ヒズボラ』) 戦車などの重装備の兵器は持っていない模様ですが、ミサイルを『13万発』も保有している様です。(出典:TBS)

【問題の本質】
 ガザ地区はインフラが整備されておらず、非常に貧しいのですが、女性が平均『4.7人』も子供を産む様です。医療体制が整っていないので、子供の死亡率が高い様ですが、それでも毎年『2.8%』も人口が増加しています。(出典:ウイキペディア『ガザ地区』)

 『2.8%』の人口増加率が10年続くと、人口は『130%』になります。現在、ガザ地区の人口は『238万人』ですから、238✖0.3≒71.4・・・10年間で『71万人』も増えるのです。

 ガザ地区の失業率は全体で『47%』、若者の失業率は『64%』と、日本では考えられない程高いのです。(出典:NHK) 失業していて、将来就職する当ても無い人生を想像して見て下さい!

 「イランやアラブ諸国の一部と資産家の個人が、ハマスに金や武器を送っている」と私は想像しています。 仕事の無い人達は武器を手にして、「イスラエル人を一人でも多く殺して、天国に行こう!」と考える様になっても可笑しく有りません。

 こんな状況下で食料や医薬品を援助したらドンナ事になると思われますか?

 ガザ地区の問題は、狭い土地に沢山の人間が押し込められていて、多産で人口が増え続けている事です。アラブ諸国が分担して、ガザ地区の『2/3』程の人間(≒160万人)を受け入れたら→→一時的には、ガザ地区の生活は改善されると思いますが、他国資本で工場が建設されるとは思えませんから→→自立出来る国にはなれないと予想します。→→「過激思想を持った、ハマスの様な武装組織は永遠に無くならない?!」と考えます。

【夢物語】
 アラブ人は『一神教』でした。 『全能の神』が人類に遣わした『預言者』がモーゼ、キリストとムハンマドです。モーゼとキリストはユダヤ人で、ムハンマドはアラブ人です。 ユダヤ人はアラブ人の一種族だったと私は考えています。

 アラブ人の第四番目の預言者を全能の神が遣わして、「僕(しもべ)達よ!争うのは止めなさい!」と言ったら、中東の紛争は収まると思います。 アラブ人の怒りを鎮められるのは、アラブ人の第四番目の預言者だけです!

★ モーゼ :紀元前16世紀または紀元前13世紀 →→ユダヤ教、
★ キリスト :1年~33年 →→キリスト教
★ ムハンマド :570年~632年 →→イスラム教

【イスラエルの基礎データ】
 イスラエルは、軍事的にはアメリカの支援を受けていますが、自立出来る国家です。 総合大学や単科大学が沢山有って、高学歴社会です。兵器など、高度な工業製品を製造しています。

 多くの国が徴兵制を採用していますが、イスラエルは女性も徴兵され、男女とも期間が長いです。国民の多くが銃を扱う事が出来→→紛争が起こると→→短時間で予備役の兵士を沢山集める事が出来ます。

★ 人口 :929万人(2020年) ・・・25%はユダヤ教徒では有りません。
★ 面積 : 22,072km2 (四国の面積≒19.298km2)
★ 軍隊 :常備軍=169,500人 ・・・陸軍、海軍、航空宇宙軍
★ 徴兵制 :男女とも徴兵 17〜49歳、23〜34ヶ月
★ 公用語 :ヘブライ語

【ガザ地区の基礎データ】
 ガザ地区はパレスチナ国の一部で、(飛び地ですが)、政治的には独立しており、ハマスが実行支配しています。 非常に貧しいのに、人口が増え続いています。

 水や電力は、憎き敵のイスラエルからの供給に殆ど依存しています。

★ 人口 :238万人 (2022年) 人口増加率≒2.8%
★ 出産率 :『3.9』とか『4.7』とか、種々の値が報道されています。
★ 失業率 :全体≒47%、(若者≒64%) ・・・2022年(NHK・2023年10月16日『最新パレスチナ情勢 なぜイスラエルと衝突?ハマスって?解説』)
★ 面積 : 365km2 (種子島は面積≒444km2、人口≒29,000人)
★ 戦闘員数 :15,000人~20,00人程度?
★ 地下トンネル網 ;全長≒480km

【イスラエルとアラブの紛争の歴史】
 現在、イスラエルが有る地域に、紀元前11世紀~紀元前8世紀に、ユダヤ人が住むイスラエル王国が有りました。 『イスラエルの地』とは『聖地』とか『約束の地』を意味します。

 古代ギリシャ人が、イスラエルが有る地域を『パレスチナ』と呼ぶ様になりました。 ローマ軍がパレスチナに侵攻して、ユダヤ人の国は→→ローマの属国になり→→ユダヤ人達が独立運動を起こしたので→→135年にローマがユダヤ人を追放しました。 ユダヤ人は流浪の民になったのです。

 19世紀頃からユダヤ人達が、オスマン帝国の領土になっていたパレスチナに土地を買って住む様になりました。(ユダヤ人が1600年ぶりに帰って来たのです。) 前から住むアラブ人とユダヤ人は仲良く暮らしていたと想像します。

 第一次世界大戦が始まると、アラブ人と巨額の富を持つロスチャイルド家などのユダヤ人の支援を得る為に、イギリスが『三枚舌外交』と呼ばれる卑怯な手を使ったのです。アラブ人には約束していた「オスマン帝国から奪取した土地に、アラブ人の国家を建国させる」を実行しましたが、ユダヤ人には国家の建国は認めませんでした。

 第二次世界大戦後の1947年に国連の安保理が、「パレスチナの土地の『57%』をユダヤ人に、『43%』をアラブ人に与える」と決議しました。→→それを受けて、1948年にイスラエル国が建国されました。

 土地を奪われたアラブ人達が、黙っている分けが有りません。以来、紛争が絶えなくなったのです。

・・・ イスラエルとアラブの紛争の歴史 ・・・
★ 紀元前11世紀~ :ユダヤ人のイスラム王国が有り→→国BC720年頃にイスラム王国が滅亡
★ BC110年 :ユダヤ人のハスモン朝
★ BC63年 :ローマ共和国の従属国
★ AC66年~74年 :第1次ユダヤ戦争 ・・・ローマに対するユダヤ人の反乱→→鎮圧された。
★ AC131年~135年 :第2次ユダヤ戦争 ・・・ローマに対するユダヤ人の反乱→→鎮圧された。
★ AC135年 :ローマ帝国がユダヤ人を追放→→ユダヤ人が離散
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★ 19世紀~20世紀 :オスマン帝国の領土だったパレスチナにユダヤ人が土地を買って→→移住する様になりました。(シオニズム運動)
★ 1914年~18年 :第一次世界大戦 ・・・敗戦国のオスマン帝国からパレスチナを奪取して、イギリスとフランスが分割統治
★ 1915年 :イギリスがアラブ人と、『フサイン=マクマホン協定』を締結 ・・・パレスチナにアラブ人の居住を認めた。→→中東でアラブが独立
★ 1917年 :イギリスがユダヤ人に、「パレスチナに居住区を与える」と言う書簡を出した。
★ 1939年~45年 :第二次世界大戦
★ 1947年 :国連安保理が『パレスチナ分割』を決議→→土地をアラブ人に『43%』、イスラエル人に『57%』を与える!
★ 1948年 :イスラエル建国
★ 1948年~49年 :第1次中東戦争 ・・・イスラエル vs エジプト、レバノン、ヨルダン、シリア
★ 1950年 :ヨルダン川西岸地区をイスラエルが領土に組み入れた。
★ 1960年 :第2次中東戦争 ・・・英・仏・イスラエル連合軍 vs エジプト
★ 1967年 :第3次中東戦争 ・・・イスラエル vs エジプト
★ 1972年 :ミュンヘンオリンピック事件 ・・・イスラエルがレバノン攻撃
★ 1973年 :第4次中東戦争 ・・・イスラエル vs エジプト、シリア
★ 1978年 :イスラエルがレバノンのPLOを攻撃
★ 1981年 :イスラエルがイランの原子炉を攻撃
★ 1982年 :イスラエルがレバノンのPLOを攻撃
★ 1987年 :イスラエルの占領地域でアラブ人の民衆蜂起
★ 1988年 :ヨルダンがヨルダン川西岸地区を放棄→→PLOがパレスチナ国を樹立
★ 1991年 :イラクがイスラエルにミサイル攻撃 ・・・イスラエルは反撃し無かった (湾岸戦争の時)
★ 1993年 :オスロ合意 ・・・イスラエルとPLOが和解
★ 2000年 :イスラエルの占領地域でアラブ人の民衆蜂起
★ 2008年~09年 :ガザ紛争 ・・・イスラエル vs ハマス
★ 2016年 :国連安保理が「東エルサレムを含む占領地でのすべての入植活動を迅速かつ完全に中止するよう求める」決議
★ 2018年 :アメリカが大使館をエルサレムに移転→→イスラエルとパレスチナが衝突
★ 2023年10月 :ハマスがイスラエルを攻撃

私が習近平だったらロシアを!

2023-06-03 12:06:48 | 国際問題
【はじめに】
 「ロシアがウクライナに侵攻した」と言う報告を受けた習近平氏は、宝くじの一等が当たった時の様な顔になったと想像します。

 ロシアの専門家・筑波大学名誉教授の中村逸郎(いつろう)氏は、ロシアに関する面白おかしい予想話を、テレビで公表しています。中村氏の予想は、殆ど当たった事が有りません! 私も中村氏に負けずに、大胆に考えて見ました。

 私は習近平氏の立場になって、ウクライナ戦争を考えて見ました。NATOとロシアが核戦争を始めない限り、中国がウクライナ戦争で得る実利は『巨大』だと私は思います。戦争が長引けば実利は大きくなりそうです。 戦争を長引けせるために、実現不可能な停戦案をロシアとウクライナに呈示して、世界に発信しています。

【ウクライナ戦争の予想される事態】
 ウクライナ戦争がどうなるか?現状では予測不可能です。ドンナ状況が予想されるのか?思いつくままに(以下に)列記してみました。

 ドンナ事が起こったら❶~❽の事態になるか?考えると頭の体操になると思います。❶について私が考えたシナリオを書いてみました。

 ロシア軍が予想以上に弱体化していて→→ウクライナ軍の反転攻勢に耐えられそうに無い→→プーチン氏が苦し紛れに核弾頭を搭載したミサイルを、一発ウクライナに打ち込む→→NATOが最新の戦闘機や爆撃機でウクライナに展開するロシア軍を攻撃して、壊滅的な損害を与える→→プーチン氏がパニックになって核のボタンを押してしまう→→核核戦争に突入する。

❶ NATOとロシアが核戦争に突入する。
❷ ロシア軍が2022年2月の侵攻前の状態で、一方的に停戦を宣言する。
❸ ロシア軍がウクライナから全て撤退して→→停戦する。
❹ クリミヤ半島以外からロシア軍が撤退して→→停戦する。
❺ 2023年5月末の状態で停戦する。
❻ ザポリージャ原子力発電所をロシア軍が破壊する。
❼ ロシアがウクライナ領内で核爆弾または多量殺戮兵器を使用する。
❽ NATOがウクライナに直接軍事介入する。

【習近平にとって避けたい事態】
 ウクライナ戦争は、習近平氏にとって『棚から牡丹餅』です。但し、世界経済が大幅に悪化して、中国製品が売れなくなる事態は避けなければなりません。←←NATOとロシアが核戦争を始め無い限り、世界的大不況にはならないと私は予想しています。

 もう一つ避けなければならない事態は、ロシアが国連の常任理事国の権利を剥奪される事です。→→中国、アメリカ、イギリス、フランスの4カ国になってしまいます。→→中国にとって好ましくない問題が、理事会で討議されると、今まではロシアも拒否権を行使してくれていました。→→中国だけが拒否権を連発する様になると、中国包囲網は益々強固な物になると思われます。

【中国がウクライナ戦争で得られるもの】
 ウクライナ戦争が始まった時に習近平氏が考えていた以上の利益を、中国は既に得ています。戦争が長期化すると更に莫大な利益が転がり込んでくる事を、習近平氏は確信しているでしょう!

(余談 :中国の台湾侵攻) 習近平氏は虎視眈々と台湾の併合を狙っています。出来れば軍事力を使わないで併合したいと考えていると思われますが、軍事侵攻についても検討しているでしょう! ウクライナ戦争から、「偵察機や衛星からの情報/民間人のスマホ情報を集め→→AI(人工知能)を駆使して分析し→→効果的な攻撃を行う事が重要である」等々を学習していると想像します。

 アメリカがウクライナに兵器や弾薬を多量に支援して→→備蓄量が大幅に減少したら→→習近平氏は、「台湾に軍事侵攻するチャンス到来」と考える恐れが有ります。

・・・ 既に得られている実利 ・・・
❶ 原油と天然ガスを安い値段で、多量に輸入出来る。
❷ ロシア向けに、工業製品の輸出が拡大している。
❸ 人民元決済が拡大している。
❹ ロシアが悪役を引き受けてくれる。

・・・ 今後期待できる実利 ・・・
① ロシアの弱体化→→軍事/政治/経済面で中国の影響力拡大→→ロシアは中国の『子分の様な国』になってしまうと予想します。

② 中央アジア5ヶ国(カザフスタン,ウズベキスタン,キルギス,タジキスタン,トルクメニスタン)をロシアから切り離し→→中国の『衛星国』にする。

③ コーカサス3ヶ国(ジョージア 、アルメニア、 アゼルバイジャン)をロシアから切り離し→→中国の『衛星国』にする。

④ モンゴール国への影響力拡大 ・・・現在は中露・2国とのバランス外交

⑤ ロシアの種々の産業から欧米諸国が撤退した→→中国が投資してロシア経済を支配するチャンスが到来している。

⑥ ロシアの地下資源の独占が期待できる。 ・・・ロシアには石炭、ニッケル、コバルト、金などなど、沢山地下資源が埋蔵しています。

⑦ コンゴ共和国のコバルト(Co)を独占出来る。 ・・・コンゴ共和国は紛争が絶えない、危険な国ですが、燃料電池等に必要なコバルトの埋蔵量が世界ダントツの一位です。ロシアの軍事組織『ワグネル』が駐屯して活躍しています。中国も進出して、既にコバルトを独占しています。
 ロシアが弱体化したら→→ワグネルを中国の傭兵にするか、中国軍を駐留させて→→コンゴ共和国の地下資源を今後も独占すると予想します。

⑧ 兵器の輸出拡大 :近年、ロシアの兵器輸出は減少ぎみですが、それでも輸出大国(2020年は世界第2位=32億US$)です。中国製兵器は安価な様ですから、ロシアのシェアの大半が中国に転がり込む可能性が有ります。

⑨ ウクライナの復興 :ウクライナの復興が始まったら、中国が過剰生産している鉄鋼やセメントの需要が有るかも? そして、労働者を派遣して儲けられるかも?

⑩ 万が一、ロシア国内が大混乱になって→→数カ国に分割されたら→→中国は、それぞれの国に投資して→→中国の『衛星国』にする。 更に、極東ロシア(バイカル湖より東の地域)には、中国は進軍して、併合すると予想します。

(余談) 中国軍が極東ロシアに侵攻したら、日本は自衛隊を出して→→南樺太、千島列島、北方四島を奪還すべきだと思います。

【ウクライナ戦争の短期決着は避けたい!】
 習近平氏は、「ウクライナ戦争がズルズルと長引いて欲しい」と考えていると思われます。 ウクライナ戦争が今年中に、または来年春までに、短期決着する可能性は少ないと思われます。 然し、次の様なケースは考えられます。

ケース1 : ロシア軍が既に弱体化していて→→ウクライナ軍の反撃に抵抗出来ず→→クリミヤ半島から撤退したせざるを得なくなったら→→プーチン大統領は一方的に停戦を宣言すると予想します。

ケース2 : ロシアがウクライナで核兵器や化学兵器を使用して民間人を多量に殺戮(さくりく)したり、ザポリージャ原子力発電所を破壊して放射性物質を多量に発生させたら、NATOは最新の戦闘機や爆撃機でウクライナに展開するロシア軍に壊滅的なダメージを与えると私は予想しています。→→ロシア軍は撤退せざるを得なくなります。

 『ケース1』の場合は、中国に打つ手は有りませんが、『ケース2』にならない様に→→定期的に特使をロシアに派遣して→→『脅し賺(すか)し』続けると思います。

(余談) 最近、中国は「ウクライナに武器を支援すべきでない」と言っています。 中国の諜報機関は、「ロシア軍が弱体化しているので、ウクライナ戦争を長引かせる事が出来ない」と判断している可能性が有ります。 逆に、「ロシア軍に十分な力が残っている」と判断するのだったら、ウクライナに対する武器支援には言及しないと、私は考えます。

(余談 :ウクライナ戦争で得をしている国)
 ヨーロッパ諸国はロシアからの原油と天然ガスの輸入が止まって、経済が停滞する状況になっていますが、以下の国はウクライナ戦争で恩恵を受けています。

❶ 中国
❷ インド :ロシア産原油を安値で多量に輸入しています。(インドはロシア製兵器を多量に購入していましたが、今後は欧米製に変更すると思われます。兵器の国産化に投資する様です。インド/中国間には国境紛争問題が有るので、中国製兵器は今後も買わないと予想します。)
❸ イラン :ロシアがイラン製ドローンや弾薬を買っているかも知れません。ロシアから核兵器に関する技術支援を受けているかも?
❹ トルコ :トルコはNATOの一員ですが、ロシアに対する経済制裁に参加していません。トルコはロシアから原油を多量に輸入して、機械類などを輸出しています。2022年は、輸出/輸入ともに大幅に拡大しました。
❺ 北朝鮮 :金額は少ないと思われますが、砲弾などを輸出して、食糧を輸入していると想像しています。
❻ 韓国 :2020年の兵器輸出額は『890億円』→→22年の兵器受注額は『20,000億円(=2兆円)』

自動車業界 (その2)

2022-12-24 07:30:23 | 国際問題
【はじめに】
 今回は、中国の自動車業界について書きます。

 習近平体制は3期目に入り、「指導部7人にイエスマンばかりを任命した」、「裸の王様になってしまう!」、「中国の経済成長は鈍化する」などと言う方が沢山おられます。21世紀になってからの中国の自動車産業の発展を見ていると、私は賛成出来ません。中国政府は、(電気自動車(EV)に関しては、)川上から川下まで一貫した、きめ細かい対応をしています。日本を含む欧米諸国は、EV化の重要性/必要性に付いては気付いていますが、原料の確保、発電設備の増強などは民間任せです。

 中国は、今後10年もしたら、安いEVを多量に生産して世界に売りまくる恐れが有ります。日本を含む欧米諸国が、のんびり構えていたら、5G(第5世代移動通信システム)におけるファーウエイ(華為)の様な問題が発生する恐れが予想されるのです。

(余談 :人材の流動性) 中国共産党には優秀で経験豊富な工学部卒や理学部卒の党員が沢山います。彼ら/彼女らは、国内外を問わず何処に勤務していても共産党から転勤命令が出たら従わなければなりません。習近平氏以外の指導部6人が『ボンクラ』でも、共産党が重点志向した工業分野には人材を集めて、短時間に発展させるのです。中国の政治体制では、個人の自由は尊重されませんが、工業を発展させるには都合が良い様に思います。決して侮ってはいけません!

【中国の現状】
 世界第一位の四輪車大国は中国です。生産台数では、世界第二位のアメリカの『2.8倍』も有ります。現在は、殆どを国内で販売しています。保有台数が急激に増加しており、多分現時点ではアメリカを抜いて、世界第一位の保有国になっています。 中国の人口はアメリカの『4.2倍』も有りますから、自動車の潜在需要はまだ沢山有ると思われます。

 中国は深刻な大気汚染対策として、一早く電気自動車(EV)に力を入れて来ました。21世紀になって、中国政府が国家戦略として金と人を出し→→原発を増設して電力を確保し→→電池の生産に欠かせない地下資源の確保を確実に進めてきています。

・・・ 中国の自動車出荷台数の推移 ・・・

★ 2014年 :NEV割合≒0.3%、出荷合計≒2,350万台、乗用車≒1,971万台、バス≒61万台、トラック≒318万台
★ 2015年 :NEV割合≒1.2%、出荷合計≒2,466万台、乗用車≒2,121万台、バス≒60万台、トラック≒286万台
★ 2016年 :NEV割合≒1.7%、出荷合計≒2,803万台、乗用車≒2,438万台、バス≒54万台、トラック≒311万台
★ 2017年 :NEV割合≒2.6%、出荷合計≒2,888万台、乗用車≒2,472万台、バス≒53万台、トラック≒363万台
★ 2018年 :NEV割合≒4.4%、出荷合計≒2,808万台、乗用車≒2,371万台、バス≒49万台、トラック≒389万台
★ 2019年 :NEV割合≒4.8%、出荷合計≒2,580万台、乗用車≒2,147万台、バス≒47万台、トラック≒385万台
★ 2020年 :NEV割合≒5.4%、出荷合計≒2,531万台、乗用車≒2,018万台、バス≒45万台、トラック≒469万台
★ 2021年 :NEV割合≒13.3%、出荷合計≒2,627万台、乗用車≒2,148万台、バス≒50万台、トラック≒429万台
★ 2022年 :NEV割合≒18.8%、出荷合計≒2,688万台、乗用車≒2,230万台、バス≒53万台、トラック≒405万台 ・・・予想
★ 2023年 :NEV割合≒22.1%、出荷合計≒2,742万台、乗用車≒2,309万台、バス≒47万台、トラック≒386万台 ・・・予想
出典 :自動車産業専門調査会・・・2022年と2023年は予想値です。NEVは下記参照!

【人口集中と大気汚染】
 中国とアメリカの国土面積は、ほぼ同じですが、中国の人口はアメリカの『4.2倍』も有ります。 そして、中国は人口が大都市に集中しています。北京とニューヨークを比較すると、面積はほぼ同じですが、北京の人口はニューヨークの『2.6倍』です。

 中国には深刻な大気汚染問題が有ります。 中国の大気汚染の原因は、❶黄砂と❷工場、自動車、暖房設備/機器の排気ガスです。

 中国政府が電気自動車(EV)の普及に努力し始めたのは、大気汚染対策だったと思われます。その後、欧米諸国でもEV化が叫ばれる様になったので、「中国政府はEVの最先端国になって『EVの世界の工場』になってやろう!」と目論んでいる様に見えます。

・・・ 中国とアメリカの比較 ・・・
★ 中国   :国土面積≒947.9万km2、人口≒14.12億人 ・・・人口は2020年
★ アメリカ :国土面積≒983.4万km2、人口≒ 3.35億人 ・・・人口は2022年
★ 北京     :面積≒1.64万km2、人口≒2,170万人 ・・・人口は2015年
★ ニュ―ヨーク:面積≒1.74万km2、人口≒ 823万人 ・・・人口は2020年

【新エネルギー車(NEV)】
 中国政府は、下記の①~③を『新エネルギー車(NEV)』と呼んで、2016年から補助金を出すなどして普及に努力してきました。

 中国には国営や省営などの自動車会社が多数有り、政府の命令には従います。従って、これらの自動車が急激に増加すると私は予想しています。

① 電気自動車(EV)
② プラグイン・ハイブリッド自動車(PHV)
③ 燃料電池自動車(FCV)

【ご参考 :日本のCEV補助金】
 日本政府は、『令和2年度クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金交付規程』で、下記❶~❹を『クリーンエネルギー自動車(CEV)』に指定して、2020年から購入時またはリース時に補助金を支給しています。

 中国の『新エネルギー車(NEV)』には、クリーン・ディーゼル自動車(CDV)は含まれていません。日本は、バスやトラックのメーカーに妥協したのだと推察します。如何にも日本の政治家がやりそうな、中途半端な政策です。

 大気汚染の原因になる硫黄分が、軽油には『0.005(質量%)』、ガソリンには『0.001(質量%)』含まれています。クリーンエネルギー自動車にディーゼル自動車を含めるのは可笑しいいのです!

❶ 電気自動車(EV)   :上限42万円
❷ プラグイン・ハイブリッド自動車(PHV) :上限22万円
❸ 燃料電池自動車(FCV)   :上限224万円
❹ クリーン・ディーゼル自動車(CDV) :上限15万円

【中国の原子力発電】
 新エネルギー車(NEV)には『電気』が不可欠です。21世紀になって、中国は原発の建設を急ピッチで進めてきました。現在、(国外に建設した分を含めて)53基稼働しており、その総出力は5,560万kWも有ります。そして、23基が建設中です。

 22年9月に『中国核エネルギー発展報告』を発表しました。30年までに原発を『2倍』程にする計画です。EV化に必要な電力を原発で賄おうとしています。

 日本政府も『EV化』の重要性は認識している様ですが、「必要な電気を、どうやって得るか?」まで考える余裕は無い様に見えます。 「新たな原発を建設する案」を言い出したら、選挙に勝てないのでしょうか?

(余談 :中国自前の原子力発電所) 2020年に、中国が自前で開発した『華竜1号』と呼ぶ原子力発電所を一基建設したと発表しました。現在2基が稼働中で、10基建設中の様です。原子力発電所の輸出に力を入れています。

【リチュウムイオン電池】
 リチュウムイオン電池の製造には、下に列記した❶~➍の資源が必要です。

コバルト : アフリカのコンゴ民主共和国は、人口が1.1億人ほどの、地下資源に恵まれた国ですが、政情不安で、治安レベル4(退避)の危険な国です。世界のコバルト鉱石生産量の68%はコンゴで採掘されており、埋蔵量は51%も有ります。

 1972年頃から、中国はコンゴと軍事的/経済的に密接な関係を構築して、コンゴで産出するコバルトのほゞ全量を輸入して→→精製して→→一部は輸出しています。

グラファイト : 中国ではグラファイトを産出しています。その産出量は世界の59%、埋蔵量は23%も有ります。日本は、殆ど中国から輸入しています。

リチュウム : 中国のリチュウムの産出量は世界の17%で、埋蔵量は7%です。今後急激に需要が増加すると予想されている、リチュウムイオン電池の市場を制覇する目論見からだと推察しますが、チリ等のリチュウム関連会社の株を買いあさっています。

 脳天気な日本は、水酸化リチュウムの80%、炭酸リチュウムの13%を中国から輸入しています。未だに、日本はレアメタルの備蓄リストにリチュウムを入れていません。

ニッケル : オーストラリアの東の海に、フランス領のニューカレドニアと言う、人口27万人の諸島が有ります。ニッケルを産出しています。中国は独立派に接近して、ニッケルを確保しようと目論んでいる様です。

・・・ リチュウムイオン電池に必要な鉱物 ・・・
❶ リチュウム
❷ ニッケル
❸ コバルト
➍ グラファイト(黒鉛)

【ご参考 :日本のレアメタルの備蓄】
 1983年から日本でもレアメタル(①~⑦)の国家備蓄がはじまりました。国家が42日分、民間が18日分を備蓄する事になっており、備蓄量は『5年毎』に見直す事になっています。

 リチュウムイオン電池に必要な、リチュウムとグラファイトは、何故か?備蓄していません。 「首相のスタッフに、工学部卒で/民間企業で活躍した人間を採用して、時代に即した種々のアドバイスをする体制が必要だ!」と私は思います。

・・・ 日本が備蓄しているレアメタル ・・・
① ニッケル
② フェロクロム
③ フェロマンガン
④ コバルト地金
⑤ タングステン鉱
⑥ モリブデン鉱
⑦ フェロバナジゥム

自動車業界 (その1)

2022-12-17 10:11:55 | 国際問題
【はじめに】
 20世紀から、世界の先進諸国では(国家として)自動車の重要性が段々と高まって来ました。自動車に関連した技術革新が、『けたたましたスピード』で進められてきました。私と同年配(76歳)で、二十歳代から自動車を運転される方だったら、昔の車と現在の車は全く違う事を理解されていると思います。

 乗り心地、安全性向上、燃費改善などなどに各社が社運を掛けて取り組んで来ました。 近年は国際的に❶排気ガス規制と➋騒音規制が厳しくなっており、現在市販されている自動車は二、三年後には販売出来なくなりそうです。❶と➋の規制をディーゼルエンジン車でクリヤーするのは難しそうで、ガソリンエンジン車でも難しいかも知れません。→→電気自動車(EV)に追い風が吹いています。

(余談 :受動喫煙) 私は喫煙者です! 受動喫煙が社会問題になって、出掛けると喫煙場所を探すのに苦労しています。タバコを吸わない息子が住んでいるマンションのベランダは、幅が2mほど有りますが、そこで来客がタバコを吸うと、上の階の住人から「タバコの臭いがする」、「洗濯物に臭いが付いた」等と言ってくる様です。私は、「自動車の排気ガスの方が、ズット体に悪いのに!」と考えてきました。ヤット世界的に排気ガスが規制される時代になったのです。

(余談 :花粉症) 春先になると花粉情報が出ますが、「タバコの煙以上に針葉樹の花粉は問題だ!」と思いませんか? 「針葉樹の植林を規制すべきだ!」と言う方は、何故か?おられません。

【〇〇は国家なり】
 戦後、日本では「鉄は国家なり」と言われ、国は鉄鋼産業に力を入れてきましたが→→国賊と呼んで良い稲山嘉寛氏が韓国に製鉄所の建設に必要な図書類と鉄の製造に必要な要領書/ノウハウを全て渡してしまい→→日本の鉄鋼産業の成長が止まってしまいました。 一時期、「造船は国家なり」に近い状態になりましたが、韓国と中国が追い越してしまいました。

 日本の半導体産業が急成長して、1980年代には世界シェアの50%以上を生産し、「半導体は国家なり」に近づきましたが、アメリカの圧力で半導体産業を縮小せざるを得なくなりました。 その後、韓国(サムスン電子、SKハイニックス)と台湾(TSMC、メディアテック、UMC、ASE、SPIL、・・・)が急成長しました。

 その後、トヨタを始めとした企業が頑張って「自動車は国家なり」の時代になりました。

 中国が先頭に立って電気自動車(EV)化を進めようとしています。 EVに使用される電池は『リチウムイオン二次電池』が主流になると予想されていますが、この電池を製造する為には、❶リチウム、➋、ニッケル、➌コバルト、➍グラファイト(黒鉛)が必要です。中国政府は先手を打って、これらの資源を抑えています。 中国の自動車に関する国家戦略については、次回私の見立てを書く予定です。

 EV化が進むのか?効率の良いハイブリッド自動車の開発に戻るのか?マダマダ不透明ですが、何れにしても、企業だけの努力では対応が難しい時代になっています。来年早い時期に、EV化の問題について私の考えを投稿したいと考えています。

【日本の自動車メーカー】
 日本には自動車メーカーが12社有ります。その合計売上高は『66兆円』、従業員数は『95万人』で、まさに「自動車は国家なり」と言える状態です。

 日本自動車工業会の資料によると、全製造業の2019年の出荷額(≒326兆円)の内、自動車が『18.6%』を占めています。自動車関連の仕事に従事している方は、『552万人』もおられます。

 2024年頃には排気ガス規制と騒音規制が世界的に一段と厳しくなり、電気自動車(EV)にシフトせざるを得なくなると予想されています。「全てEVになると、100万kW(1GW)級の原子力発電所を新たに10基建設する必要が有る」と見積もっておられる方がいました。 聡明で実行力の有る総理大臣が誕生しなかったら、日本はトンデモナイ状況になってしまいます!

・・・ 日本の自動車メーカー ・・・2017年~22年
★ トヨタ自動車    :売上(兆円)≒29.93 ;従業員≒372,817(人)
★ ダイハツ工業   :売上(兆円)≒ 1.33 ;従業員≒ 12,426(人)
★ 日野自動車    :売上(兆円)≒ 1.46 ;従業員≒ 12,691(人)
★ 本田技研工業   :売上(兆円)≒13.17 ;従業員≒204,035(人)
★ 日産自動車    :売上(兆円)≒ 8.42 ;従業員≒134,111(人)
★ スズキ        :売上(兆円)≒ 3.57 ;従業員≒ 68,499(人)
★ 三菱自動車工業 :売上(兆円)≒ 2.39 ;従業員≒ 28,796(人)
★ 三菱ふそうトラック・バス :売上(兆円)≒ 0.66 ;従業員≒ 10,000(人)
★ いすゞ自動車   :売上(兆円)≒2.51 ;従業員≒ 44,299(人)
★ UDトラックス    :売上(兆円)≒ 0.27 ;従業員≒ 6,146(人)
★ スバル(SUBARU) :売上(兆円)≒ 2.74 ;従業員≒ 36,910(人)
★ 光岡自動車     :売上(兆円)≒ 0.023 ;従業員≒ 480(人)
出典 :ウイキペディア等に公表されている、各社の最新データーです。売上と従業員数は連結の値が基本ですが、単独しか公表していない会社は単独の値を採用しています。

【世界の自動車メーカー】
 世界の主要自動車メーカー12社を、2021年度の販売台数順に列記します。近年、トヨタ自動車とフォルクスワーゲンが世界一位、二位を争っています。

 ゼネラルモーターズ(GM)は、かっては超!巨大企業でしたが、経営が苦しくなって、2009年に日本の『民事再生法』に相当する手続きをしました。要するに『破産』したのです。負債総額は1,728億ドル(約16兆4100億円)→→アメリカとカナダが金を出して→→国有化されました。 2013年にアメリカ政府はGM(株)を全て売却し→→民間企業に戻りました。

 アメリカには、アメリカン・モーターズと言うメーカーが有りましたが→→1987年にクライスラー社に吸収され→→ライスラー社は、現在はステランティス社の一部門になっています。

 ステランティス社は、フランスとイタリアの会社が2021年に合併して出来た会社です。本社はオランダのアムステルダムに有ります。アルファロメオ、クライスラー、ジープなどなどの有名なブランド名の車種を、種々の国に有る工場で生産しているグローバル企業です。

 下のリストには中国企業が登場していませんが→→近い将来→→中国では自動車メーカーの統合が進んで→→巨大企業が誕生すると私は予想しています。

・・・ 世界の自動車メーカー ・・・ 販売台数は2021年度、売上高は2020年
① フォルクスワーゲン(ドイツ) :販売≒878万台 ;売上≒2,476億$
② トヨタ自動車  (日本)    :販売≒823万台 ;売上≒2,430億$
③ ゼネラルモーターズ(アメリカ):販売≒629万台 ;売上≒1,225億$
④ ステランティス (オランダ)  :販売≒593万台 ;売上≒ 963億$
⑤ フォードモーター(アメリカ) :販売≒394万台 ;売上≒1,271億$
⑥ ヒュンダイモーター(韓国) :販売≒391万台 ;売上≒ 867億$
⑦ スズキ  (日本)      :販売≒271万台 ;売上≒ 284億$
⑧ ルノー  (フランス)    :販売≒270万台 ;売上≒ 483億$
⑨ BMW    (ドイツ)    :販売≒252万台 ;売上≒1,100億$
⑩ 本田技研工業  (日本) :販売≒242万台 ;売上≒ 1,176億$
⑪ メルセデスベンツ(ドイツ) :販売≒233万台 ;売上≒ 1,715億$
⑫ 日産自動車  (日本)  :販売≒229万台 ;売上≒ 702億$
出典 :販売台数はdeallab『自動車メーカーの販売数ランキング(連結ベース)』、売上高は業界SEARCH.COM『自動車業界』

【世界の四輪車】
 主要国の四輪車の生産、販売、保有台数を調べてみました。色々の事が分かります。 生産台数よりも販売台数の方が多ければ、車の輸入国です。

 ヨーロッパでは、ドイツとスペインは四輪車の輸出国ですが、フランス、イギリス、イタリア、ロシアは輸入国です。

 次回、中国、アメリカ、イギリスなどの自動車業界について書く予定です。

・・・ 世界の四輪車 ・・・ 2020年末現在
★ 中国   :生産≒2,608万台、 販売≒2,627万台、保有≒27,339万台
★ アメリカ :生産≒ 917万台、 販売≒1,541万台、保有≒28,904万台
★ 日本   :生産≒ 785万台、 販売≒ 445万台、保有≒ 7,846万台
★ ドイツ   :生産≒ 331万台、 販売≒ 297万台、保有≒5,228万台
★ インド   :生産≒ 440万台、 販売≒ 376万台、保有≒ 6,853万台
★ 韓国   :生産≒ 346万台、 販売≒ 173万台、保有≒ 2,437万台
★ メキシコ  :生産≒ 315万台、 販売≒ 105万台、保有≒ 4,509万台
★ ブラジル :生産≒ 225万台、 販売≒ 212万台、保有≒ 4,572万台
★ スペイン :生産≒ 210万台、 販売≒ 103万台、保有≒ 2,971万台
★ フランス :生産≒ 135万台、 販売≒ 214万台、保有≒ 4,054万台
★ タイ    :生産≒ 169万台、 販売≒ 75万台、保有≒ 1,964万台
★ カナダ  :生産≒ 112万台、 販売≒ 170万台、保有≒ 2,499万台
★ ロシア   :生産≒ 157万台、 販売≒ 174万台、保有≒ 6,523万台
★ イギリス  :生産≒ 93万台、 販売≒ 204万台、保有≒ 4,035万台
★ イタリア  :生産≒ 80万台、 販売≒ 166万台、保有≒ 4,500万台
出典 :日本自動車工業会『世界各国の四輪車保有台数 (2020年末現在)』