【はじめに】
今回も、「トランプ大統領が始めた『麻薬と不法移民問題』の解決策の実現が非常に難しい」と言う私の見立てについて書きます。
もう一つの『関税の問題』は、「アメリカの貿易収支と経常収支が大赤字で緊急に対処する必要が有る!」とトランプ大統領が認識して→→「関税を高くして輸入を減らそうと目論んでいる」のだと思います。この問題については後日投稿します。
《御参考 :グアテマラ》
昔、スペインの植民地だった貧しい!貧しい!国、❶グアテマラ(人口≒1,790万人)、❷エルサルバドル(人口≒650万人)、❸ホンジュラス(人口≒950万人)から、命懸けでアメリカに密入国しようとしています。
第一次トランプ政権の時代、不法移民問題を重要課題の一つにして→→国境にフェンスを設ける予算を取りました→→2019年に、トランプ大統領はグアテマラに「不法移民を減らさないと→→25%の関税を掛けるぞ!」と脅して→→グアテマラ政府は了承しました。
バイデン政権になると→→密入国者の取り締まりを緩和しました。 第二次トランプ政権が始まると、直ぐに→→グアテマラ政府に「犯罪歴の有る不法移民を受け取らなかったら、25%の関税を掛けるぞ!」と再度脅し→→グアテマラ政府は了解し→→既に、不法移民の受け入れを始めています。
【侵入ルート❶ :メキシコ】
メキシコからアメリカに『20万人/月』もの不法移民が流入しており、アメリカに密輸される麻薬の大半もメキシコからです。
アメリカとメキシコの国境線の長さは『3,141km』も有るので、壁を築くのは容易では有りません。 壁が完成しても、軍隊などを配置して監視する必要が有ります。 トランプ大統領の恫喝で→→メキシコ政府は国境に軍隊を配置すると言いました。 メキシコ人とその他の国の人間が→→メキシコの国境を超えて→→アメリカに侵入する人数を少し減らせると私は予想します。
国境線に壁を築いても、麻薬はドロンで運べるので→→麻薬の密輸を減らす事は不可能です。 麻薬の密輸を減らす為には、❶麻薬を製造する組織を壊滅する、❷アメリカ国内での販売組織を壊滅させる、❸アメリカ国内の麻薬使用者を厳しく取り締まる・・・を同時並行で進める以外にには有りません。 トランプ大統領は、メキシコに圧力を加えて→→麻薬の密輸を止めさせようとしています。 ❶~❸の対策については言及していません。
メキシコの麻薬(フェンタニル)は、『麻薬カルテル(マフィア)』が製造しています。 麻薬カルテルは強大な力を持っていて→→政府の役人、軍隊、警察に賄賂を渡して→→便宜を図ってもらっています。
カルテルが組員に渡す金と賄賂に使う金は、アメリカで麻薬を売って得た金です。 カルテルが所有する武器は、アメリカから密輸された物です。アメリカが自国の麻薬取引/使用を厳しく取り締まらない限り→→麻薬の密輸を止める事は出来ません。
・・・ メキシコのデーター ・・・
① アメリカとの国境線の長さ :3,141km
② 海岸線 :13,868km
③ 面積 :1,972,550km2 ・・・日本の『5.2倍』
④ GDP :17,888億ドル (2023年 )IMF
⑤ 一人当たりのGDP :13,641ドル (2023年 ) ・・・アメリカ=82,715ドル
⑥ 軍隊 : 336,050人 (2014年) 1年間の徴兵制 麻薬取締も使命
⑦ 連邦警察 :40,00人
・・・ メキシコの人口推移 ・・・
★ 2023年≒12,974万人 (148 ・・・1993年の人口を100)
★ 13年≒11,834万人 (135)
★ 03年≒10,298万人 (117)
★ 1993年≒ 8,765万人 (100)
出典 :グローバルノート IMF
(豆知識 :メキシカン・マフィア ) メキシカン・マフィア とは、アメリカに住むメキシコ系の人間が組織する犯罪組織(マフィア)の事です。 構成員は350~400人程の様です。
(豆知識 :メキシコの麻薬戦争 ) 1980年代からメキシコの麻薬カルテルは力を付けて→→カルテル同士で殺し合う様になり→→現在も続いています。 この争いを『メキシコの麻薬戦争』と呼びます。
メキシコでの2018年の殺人事件は33,000件以上で、その多くは麻薬がらみの様です。 2022年8月25日の毎日新聞では「麻薬戦争による累計の死者は30万人以上」に及ぶと報道しています。
アメリカから多量の武器がメキシコに密輸され→→麻薬カルテルに渡り→→カルテル同士で殺し合っているのです。 カルテルが武器を調達する金は、アメリカで合成麻薬を売って得た『兆円/年』単位の金の一部です。
アメリカでは銃を合法的に簡単に入手出来ますが、メキシコで許可証を得るのは少し難しい様です。銃を携帯するには許可が必要で、自動小銃を一般市民が持つ事は禁止されています。 従って、カルテルの組員は銃を不法に持っている事になるのです。
2025年1月、メキシコ政府は「『約21万円』で銃を買い取る」と公表しました。 然し、カルテルが銃を手放すとは思えません。
【侵入ルート❷ :カナダ】
カナダとの国境からも麻薬と不法移民が入ってきています。 トランプ大統領は「対策しないと25%の関税を掛けるぞ!」と脅したので→→カナダ政府は最近『フェンタニル対策担当官』を任命しました。
カナダからアメリカに入ってくる不法入国者の数と麻薬の量は全体の『1%以下』の様ですが→→不法入国者の内、中国人の割合が高いことをトランプ大統領は問題にしている様です。
カナダの面積は広大ですが、人口は4,000万人ほどで→→人口密度は『4.2人/km2』です。そして、軍隊と警察の人数が少ないので麻薬密造工場を摘発するのは難しいと想像します。 更に、国境線が長いので→→密出国と密輸の取り締まりを、カナダ政府だけで行う事は不可能です。
カナダでも麻薬が蔓延しています。 「2017年にオピオイド(ケシから作られる合成鎮痛剤)での死者は『4,000人』もいた」と言う記事を読んだ事があります。 近年は、メキシコの麻薬カルテルがカナダに工場を建設して→→フェンタニルを製造し→→カナダ人に売って→→一部をアメリカに密輸する様になっています。フェンタニル剤を呑むと→→短時間で効果が出るので→→カナダの街中で、ゾンビ状になってしまった人間を見掛けるそうです。
・・・ カナダのデーター ・・・
① アメリカとの国境線の長さ :8,891km (アメリカ本土=6,420km、アラスカ=2,471km)
② 海岸線 :243,042km
③ 面積 :9,984,670km2 ・・・日本の『26倍』
④ GDP :21,425億ドル (2023年 )IMF
⑤ 一人当たりのGDP :53,607ドル (2023年 ) ・・・アメリカ=82,715ドル
⑥ 軍隊 : 67,492人 (?年) 志願制
⑦ 警察 :連邦警察(RCMP)=30,00人、自治体警察=?人
(豆知識 :カナダの人口分布) カナダには『10州』と3つの準州が有りますが、オンタリオ州に『38%』、ケベック州に『23%』、ブリティシュコロンビア州に『13%』、アルバータ州に『12%』が住んでいます。
(豆知識 :カナダの国王) カナダは英連邦王国に加盟していので、『連邦立憲君主制国家』です。 国王はイギリスの国王です。 従って、現在は『チャールズ3世』が国王です。
・・・ カナダの人口推移 ・・・
★ 2023年≒3,997万人 (140 ・・・1993年の人口を100)
★ 13年≒3,503万人 (122)
★ 03年≒3,160万人 (110)
★ 1993年≒2,865万人 (100)
出典 :グローバルノート IMF
【侵入ルート❸ :沿岸】
アメリカの沿岸線の長さは『3万km』も有ります。 沿岸線が長いので→→海からの密入国と密輸を防ぐ事は不可能だと思われます。 (日本の沿岸線の長さもほぼ『3万km』有ります。)
麻薬はドロンで運べるので、船で密輸する必要は無いのでは?と思います。 不法移民を有る程度送り返したら、船で密入国する恐れも無くなると予想します。
【アメリカが経済大国になれたのは?!】
アメリカが経済大国になれたのは、下記の①~③が要因だと思います。 私の独断と偏見の見立てですが、スペインでは無く→→イギリスの植民地だった事が大きかったと思います。スペインの植民地だった国の多くは今でも、貧しく/政情不安定です。
アメリカは『自由』を大切にして来たので→→研究者達は比較的自由に研究テーマを選んで→→素晴らしい論文を発表し→→2024年時点でアメリカのノーベル賞受賞者は『405人』になりました。(日本は25人+1団体です。)
アメリカの投資家や金融機関は、”海の物とも山の物ともつかない”新しいビジネスや機械装置に巨額の資金を投入し→→大成功するケースが多々有り→→アメリカが経済大国になれたのだと思います。
残念ながら日本は真逆です。日本の金融機関は石橋を叩いて→→安全そうだと思っても→→なかなか投資しません。 集まった金を→→アメリカの金融機関に預けて→→利息で満足するのです。 これでは、いつまで経っても日本の経済は発展しません!
・・・ アメリカが経済大国になれた要因 ・・・
① 広大な耕地化可能な面積
② 豊富な地下資源
③ 広い漁場
❶ 移民の流入→→経済規模が拡大
❷ 発明家の排出→→工業が発展
❸ 優秀な大学が多い→→卒業生が種々の分野で活躍している。
【アメリカの移民政策の歴史】
アメリカは、移民によって人口が増加し→→経済規模が拡大して→→発展してきた国です。 19世紀末までは、自由に移住する事が出来ましたが→→その後は移住を制限する法律が制定/改正される様になりました。
2020年の合計特殊出生率は、アメリカ全体で『1.641』でしたから→→人口を維持する為には→→相応の移民を受け入れる必要が有るのです。
★ 1882年:中国人排斥法 ・・・中国人の移住禁止
★ 1907年:日本人の移住制限
★ 1924年:移民法 ・・・東ヨーロッパ、南ヨーロッパ、アジア(日本、中国等)出身者の移住制限
★ 1952年:改正移民法 ・・・アジア出身者に帰化権を認めました。
★ 1965年:改正移民法 ・・・移民数を制限
★ 1986年:移民改革統制法 ・・・非合法移民の阻止
★ 1990年:改正移民法 ・・・移民数の上限を決めた。
★ 2017~21年:第一次トランプ政権 ・・・特定の国からの移住禁止、不法移民の強制送還など
★ 2021~25年:バイデン政権 ・・・移民政策の緩和
★ 2025年~:第二次トランプ政権 ・・・犯罪歴の有る不法移民の強制送還を始めました。
出典 :gooddoマガジン 2020年8月21日『アメリカにおける移民政策とは?その歴史を振り返ってみよう』
《余談 :イーロン・マスク氏》
マスク氏は、1971年に南アフリカで生まれました→→1989年にカナダに移住し、カナダの大学に入学し→→1991年にアメリカの大学(ペンシルベニア大学ウォートン校)に移り→→1995年にスタンフォード大学の大学院へ進学しました。 同年(1995年)にマスク氏は『Zip2社』を立ち上げ→→事業家になり→→大成功しました。
現在マスク氏は53歳で、『アメリカン・ドリーム』に憧れてアメリカに移住した『一世』です。 そんな分けで、マスク氏はアメリカ、カナダ、南アフリカ・3ヶ国の国籍を所有しています。
【結 論】
トランプ大統領は、『1,100万人』いると言われている不法移民の中で犯罪歴の有る人間を捕まえて→→送り返し始めた様です。 「受取を拒否する国が有る?」と想定している為か、一部はグァンタナモ米軍基地に収容する計画です。
二、三百万人も送り返したら→→新たな密入国者が激減すると私は予想します。 『不法移民と知りながら雇用した人間を処罰する法律』を制定したら→→密入国者を根絶する出来ると思われます。 そんな法律を作ったら→→共和党の票が減ると思われます。 雇用主を罰するのは、政治的に出来なでしょう!
安い賃金で働いてくれる不法移民が必要な分野が有るので→→有る程度の不法移民を送り返し→→新たな密入国者が激減したら→→(不法移民の労力が必要なので)不法移民を捕まえるのは止めると予想します。
麻薬(フェンタニル)の問題は、アメリカ国内の需要を激減させない限り解決出来ないと思います。
トランプ大統領は、メキシコとカナダが麻薬の密輸を止めないのが悪い。アメリカは被害者だと主張していますが、私は「アメリカの方が加害者だ!」と思います。 麻薬の密売で得た多額の金を→→メキシコとカナダに流すので→→両国の麻薬カルテルが潤い/強力な組織になっているのです。 アメリカから多数の武器がメキシコに密輸されるので→→メキシコがカルテルの取り締まりが出来ないのです!
《余談 :大麻(マリファナ)》
大麻(マリファナ)を合法化した国が有ります。タイ、オランダ、カナダ、ドイツ等です。 アメリカではカリフォルニアなどの州で合法化され、「連邦政府として合法化すべきだ!」と言う動きが有る様です。
「大麻の害はタバコと同程度だ!」と主張する方がおられますが、それは嘘です。 大麻中毒によって脳に異常をきたすケースが多々有る様で→→タイでは大麻中毒患者が増加しています→→タイ政府は大麻を非合法化したい様です。
大麻を合法化したら→→フェンタニルを使用する人が減少するので有れば→→大麻の合法化に一理が有ります。 然し、大麻を合法化してもフェンタニルの需要は減少しないと予想します。
「大麻を合法化した国は、使用者が増えて→→取り締まる為の費用が増加した為だ」と私は見ています。 日本でも大麻を使用する人が絶えませんが→→取り締まり費用が、財政を圧迫する様な状況にはなっていません。 政府は、「大麻とフェンタニルが危険な薬物だ!」と常に広報すべきです。
《御参考 :グァンタナモ米軍基地》
トランプ大統領は、不法移民の一部(3万人)をキューバに有るグァンタナモ米軍基地に収容しようとしています。
キューバはスペインの植民地でしたが、1898年に発生したアメリカとスペインの戦争(米西戦争)でアメリカが勝利して→→アメリカがキューバを占領しました。 1902年にキューバは独立しましたが→→アメリカの保護国の様な扱いでした。 1903年に、グァンタナモ基地を借地料『約2,000ドル/年』で永久に租借出来る取り決めが結ばれました。
カストロがキューバ革命で→→1959年に新政権を樹立しました。 キューバ政府はグァンタナモ米軍基地の返還を要求し、続けて→→借地料の受け取りを拒否しています。 基地の周辺には地雷をキューバが沢山設置ししており→→基地から外に出る事は出来ない様です。
グァンタナモ米軍基地はアメリカの正規の領土では無いので→→アメリカの憲法や法律が適用されません→→アメリカ軍の『軍法』のみが有効なのです。
★ 面積≒116km2 ・・・世田谷区の2倍ほど
今回も、「トランプ大統領が始めた『麻薬と不法移民問題』の解決策の実現が非常に難しい」と言う私の見立てについて書きます。
もう一つの『関税の問題』は、「アメリカの貿易収支と経常収支が大赤字で緊急に対処する必要が有る!」とトランプ大統領が認識して→→「関税を高くして輸入を減らそうと目論んでいる」のだと思います。この問題については後日投稿します。
《御参考 :グアテマラ》
昔、スペインの植民地だった貧しい!貧しい!国、❶グアテマラ(人口≒1,790万人)、❷エルサルバドル(人口≒650万人)、❸ホンジュラス(人口≒950万人)から、命懸けでアメリカに密入国しようとしています。
第一次トランプ政権の時代、不法移民問題を重要課題の一つにして→→国境にフェンスを設ける予算を取りました→→2019年に、トランプ大統領はグアテマラに「不法移民を減らさないと→→25%の関税を掛けるぞ!」と脅して→→グアテマラ政府は了承しました。
バイデン政権になると→→密入国者の取り締まりを緩和しました。 第二次トランプ政権が始まると、直ぐに→→グアテマラ政府に「犯罪歴の有る不法移民を受け取らなかったら、25%の関税を掛けるぞ!」と再度脅し→→グアテマラ政府は了解し→→既に、不法移民の受け入れを始めています。
【侵入ルート❶ :メキシコ】
メキシコからアメリカに『20万人/月』もの不法移民が流入しており、アメリカに密輸される麻薬の大半もメキシコからです。
アメリカとメキシコの国境線の長さは『3,141km』も有るので、壁を築くのは容易では有りません。 壁が完成しても、軍隊などを配置して監視する必要が有ります。 トランプ大統領の恫喝で→→メキシコ政府は国境に軍隊を配置すると言いました。 メキシコ人とその他の国の人間が→→メキシコの国境を超えて→→アメリカに侵入する人数を少し減らせると私は予想します。
国境線に壁を築いても、麻薬はドロンで運べるので→→麻薬の密輸を減らす事は不可能です。 麻薬の密輸を減らす為には、❶麻薬を製造する組織を壊滅する、❷アメリカ国内での販売組織を壊滅させる、❸アメリカ国内の麻薬使用者を厳しく取り締まる・・・を同時並行で進める以外にには有りません。 トランプ大統領は、メキシコに圧力を加えて→→麻薬の密輸を止めさせようとしています。 ❶~❸の対策については言及していません。
メキシコの麻薬(フェンタニル)は、『麻薬カルテル(マフィア)』が製造しています。 麻薬カルテルは強大な力を持っていて→→政府の役人、軍隊、警察に賄賂を渡して→→便宜を図ってもらっています。
カルテルが組員に渡す金と賄賂に使う金は、アメリカで麻薬を売って得た金です。 カルテルが所有する武器は、アメリカから密輸された物です。アメリカが自国の麻薬取引/使用を厳しく取り締まらない限り→→麻薬の密輸を止める事は出来ません。
・・・ メキシコのデーター ・・・
① アメリカとの国境線の長さ :3,141km
② 海岸線 :13,868km
③ 面積 :1,972,550km2 ・・・日本の『5.2倍』
④ GDP :17,888億ドル (2023年 )IMF
⑤ 一人当たりのGDP :13,641ドル (2023年 ) ・・・アメリカ=82,715ドル
⑥ 軍隊 : 336,050人 (2014年) 1年間の徴兵制 麻薬取締も使命
⑦ 連邦警察 :40,00人
・・・ メキシコの人口推移 ・・・
★ 2023年≒12,974万人 (148 ・・・1993年の人口を100)
★ 13年≒11,834万人 (135)
★ 03年≒10,298万人 (117)
★ 1993年≒ 8,765万人 (100)
出典 :グローバルノート IMF
(豆知識 :メキシカン・マフィア ) メキシカン・マフィア とは、アメリカに住むメキシコ系の人間が組織する犯罪組織(マフィア)の事です。 構成員は350~400人程の様です。
(豆知識 :メキシコの麻薬戦争 ) 1980年代からメキシコの麻薬カルテルは力を付けて→→カルテル同士で殺し合う様になり→→現在も続いています。 この争いを『メキシコの麻薬戦争』と呼びます。
メキシコでの2018年の殺人事件は33,000件以上で、その多くは麻薬がらみの様です。 2022年8月25日の毎日新聞では「麻薬戦争による累計の死者は30万人以上」に及ぶと報道しています。
アメリカから多量の武器がメキシコに密輸され→→麻薬カルテルに渡り→→カルテル同士で殺し合っているのです。 カルテルが武器を調達する金は、アメリカで合成麻薬を売って得た『兆円/年』単位の金の一部です。
アメリカでは銃を合法的に簡単に入手出来ますが、メキシコで許可証を得るのは少し難しい様です。銃を携帯するには許可が必要で、自動小銃を一般市民が持つ事は禁止されています。 従って、カルテルの組員は銃を不法に持っている事になるのです。
2025年1月、メキシコ政府は「『約21万円』で銃を買い取る」と公表しました。 然し、カルテルが銃を手放すとは思えません。
【侵入ルート❷ :カナダ】
カナダとの国境からも麻薬と不法移民が入ってきています。 トランプ大統領は「対策しないと25%の関税を掛けるぞ!」と脅したので→→カナダ政府は最近『フェンタニル対策担当官』を任命しました。
カナダからアメリカに入ってくる不法入国者の数と麻薬の量は全体の『1%以下』の様ですが→→不法入国者の内、中国人の割合が高いことをトランプ大統領は問題にしている様です。
カナダの面積は広大ですが、人口は4,000万人ほどで→→人口密度は『4.2人/km2』です。そして、軍隊と警察の人数が少ないので麻薬密造工場を摘発するのは難しいと想像します。 更に、国境線が長いので→→密出国と密輸の取り締まりを、カナダ政府だけで行う事は不可能です。
カナダでも麻薬が蔓延しています。 「2017年にオピオイド(ケシから作られる合成鎮痛剤)での死者は『4,000人』もいた」と言う記事を読んだ事があります。 近年は、メキシコの麻薬カルテルがカナダに工場を建設して→→フェンタニルを製造し→→カナダ人に売って→→一部をアメリカに密輸する様になっています。フェンタニル剤を呑むと→→短時間で効果が出るので→→カナダの街中で、ゾンビ状になってしまった人間を見掛けるそうです。
・・・ カナダのデーター ・・・
① アメリカとの国境線の長さ :8,891km (アメリカ本土=6,420km、アラスカ=2,471km)
② 海岸線 :243,042km
③ 面積 :9,984,670km2 ・・・日本の『26倍』
④ GDP :21,425億ドル (2023年 )IMF
⑤ 一人当たりのGDP :53,607ドル (2023年 ) ・・・アメリカ=82,715ドル
⑥ 軍隊 : 67,492人 (?年) 志願制
⑦ 警察 :連邦警察(RCMP)=30,00人、自治体警察=?人
(豆知識 :カナダの人口分布) カナダには『10州』と3つの準州が有りますが、オンタリオ州に『38%』、ケベック州に『23%』、ブリティシュコロンビア州に『13%』、アルバータ州に『12%』が住んでいます。
(豆知識 :カナダの国王) カナダは英連邦王国に加盟していので、『連邦立憲君主制国家』です。 国王はイギリスの国王です。 従って、現在は『チャールズ3世』が国王です。
・・・ カナダの人口推移 ・・・
★ 2023年≒3,997万人 (140 ・・・1993年の人口を100)
★ 13年≒3,503万人 (122)
★ 03年≒3,160万人 (110)
★ 1993年≒2,865万人 (100)
出典 :グローバルノート IMF
【侵入ルート❸ :沿岸】
アメリカの沿岸線の長さは『3万km』も有ります。 沿岸線が長いので→→海からの密入国と密輸を防ぐ事は不可能だと思われます。 (日本の沿岸線の長さもほぼ『3万km』有ります。)
麻薬はドロンで運べるので、船で密輸する必要は無いのでは?と思います。 不法移民を有る程度送り返したら、船で密入国する恐れも無くなると予想します。
【アメリカが経済大国になれたのは?!】
アメリカが経済大国になれたのは、下記の①~③が要因だと思います。 私の独断と偏見の見立てですが、スペインでは無く→→イギリスの植民地だった事が大きかったと思います。スペインの植民地だった国の多くは今でも、貧しく/政情不安定です。
アメリカは『自由』を大切にして来たので→→研究者達は比較的自由に研究テーマを選んで→→素晴らしい論文を発表し→→2024年時点でアメリカのノーベル賞受賞者は『405人』になりました。(日本は25人+1団体です。)
アメリカの投資家や金融機関は、”海の物とも山の物ともつかない”新しいビジネスや機械装置に巨額の資金を投入し→→大成功するケースが多々有り→→アメリカが経済大国になれたのだと思います。
残念ながら日本は真逆です。日本の金融機関は石橋を叩いて→→安全そうだと思っても→→なかなか投資しません。 集まった金を→→アメリカの金融機関に預けて→→利息で満足するのです。 これでは、いつまで経っても日本の経済は発展しません!
・・・ アメリカが経済大国になれた要因 ・・・
① 広大な耕地化可能な面積
② 豊富な地下資源
③ 広い漁場
❶ 移民の流入→→経済規模が拡大
❷ 発明家の排出→→工業が発展
❸ 優秀な大学が多い→→卒業生が種々の分野で活躍している。
【アメリカの移民政策の歴史】
アメリカは、移民によって人口が増加し→→経済規模が拡大して→→発展してきた国です。 19世紀末までは、自由に移住する事が出来ましたが→→その後は移住を制限する法律が制定/改正される様になりました。
2020年の合計特殊出生率は、アメリカ全体で『1.641』でしたから→→人口を維持する為には→→相応の移民を受け入れる必要が有るのです。
★ 1882年:中国人排斥法 ・・・中国人の移住禁止
★ 1907年:日本人の移住制限
★ 1924年:移民法 ・・・東ヨーロッパ、南ヨーロッパ、アジア(日本、中国等)出身者の移住制限
★ 1952年:改正移民法 ・・・アジア出身者に帰化権を認めました。
★ 1965年:改正移民法 ・・・移民数を制限
★ 1986年:移民改革統制法 ・・・非合法移民の阻止
★ 1990年:改正移民法 ・・・移民数の上限を決めた。
★ 2017~21年:第一次トランプ政権 ・・・特定の国からの移住禁止、不法移民の強制送還など
★ 2021~25年:バイデン政権 ・・・移民政策の緩和
★ 2025年~:第二次トランプ政権 ・・・犯罪歴の有る不法移民の強制送還を始めました。
出典 :gooddoマガジン 2020年8月21日『アメリカにおける移民政策とは?その歴史を振り返ってみよう』
《余談 :イーロン・マスク氏》
マスク氏は、1971年に南アフリカで生まれました→→1989年にカナダに移住し、カナダの大学に入学し→→1991年にアメリカの大学(ペンシルベニア大学ウォートン校)に移り→→1995年にスタンフォード大学の大学院へ進学しました。 同年(1995年)にマスク氏は『Zip2社』を立ち上げ→→事業家になり→→大成功しました。
現在マスク氏は53歳で、『アメリカン・ドリーム』に憧れてアメリカに移住した『一世』です。 そんな分けで、マスク氏はアメリカ、カナダ、南アフリカ・3ヶ国の国籍を所有しています。
【結 論】
トランプ大統領は、『1,100万人』いると言われている不法移民の中で犯罪歴の有る人間を捕まえて→→送り返し始めた様です。 「受取を拒否する国が有る?」と想定している為か、一部はグァンタナモ米軍基地に収容する計画です。
二、三百万人も送り返したら→→新たな密入国者が激減すると私は予想します。 『不法移民と知りながら雇用した人間を処罰する法律』を制定したら→→密入国者を根絶する出来ると思われます。 そんな法律を作ったら→→共和党の票が減ると思われます。 雇用主を罰するのは、政治的に出来なでしょう!
安い賃金で働いてくれる不法移民が必要な分野が有るので→→有る程度の不法移民を送り返し→→新たな密入国者が激減したら→→(不法移民の労力が必要なので)不法移民を捕まえるのは止めると予想します。
麻薬(フェンタニル)の問題は、アメリカ国内の需要を激減させない限り解決出来ないと思います。
トランプ大統領は、メキシコとカナダが麻薬の密輸を止めないのが悪い。アメリカは被害者だと主張していますが、私は「アメリカの方が加害者だ!」と思います。 麻薬の密売で得た多額の金を→→メキシコとカナダに流すので→→両国の麻薬カルテルが潤い/強力な組織になっているのです。 アメリカから多数の武器がメキシコに密輸されるので→→メキシコがカルテルの取り締まりが出来ないのです!
《余談 :大麻(マリファナ)》
大麻(マリファナ)を合法化した国が有ります。タイ、オランダ、カナダ、ドイツ等です。 アメリカではカリフォルニアなどの州で合法化され、「連邦政府として合法化すべきだ!」と言う動きが有る様です。
「大麻の害はタバコと同程度だ!」と主張する方がおられますが、それは嘘です。 大麻中毒によって脳に異常をきたすケースが多々有る様で→→タイでは大麻中毒患者が増加しています→→タイ政府は大麻を非合法化したい様です。
大麻を合法化したら→→フェンタニルを使用する人が減少するので有れば→→大麻の合法化に一理が有ります。 然し、大麻を合法化してもフェンタニルの需要は減少しないと予想します。
「大麻を合法化した国は、使用者が増えて→→取り締まる為の費用が増加した為だ」と私は見ています。 日本でも大麻を使用する人が絶えませんが→→取り締まり費用が、財政を圧迫する様な状況にはなっていません。 政府は、「大麻とフェンタニルが危険な薬物だ!」と常に広報すべきです。
《御参考 :グァンタナモ米軍基地》
トランプ大統領は、不法移民の一部(3万人)をキューバに有るグァンタナモ米軍基地に収容しようとしています。
キューバはスペインの植民地でしたが、1898年に発生したアメリカとスペインの戦争(米西戦争)でアメリカが勝利して→→アメリカがキューバを占領しました。 1902年にキューバは独立しましたが→→アメリカの保護国の様な扱いでした。 1903年に、グァンタナモ基地を借地料『約2,000ドル/年』で永久に租借出来る取り決めが結ばれました。
カストロがキューバ革命で→→1959年に新政権を樹立しました。 キューバ政府はグァンタナモ米軍基地の返還を要求し、続けて→→借地料の受け取りを拒否しています。 基地の周辺には地雷をキューバが沢山設置ししており→→基地から外に出る事は出来ない様です。
グァンタナモ米軍基地はアメリカの正規の領土では無いので→→アメリカの憲法や法律が適用されません→→アメリカ軍の『軍法』のみが有効なのです。
★ 面積≒116km2 ・・・世田谷区の2倍ほど