
【「4to4」の時代】5497
パロアルトインサイトCEO、石角友愛(いしずみともえ)氏の心に響く言葉より…
《「リスキリングしないと生き残れない」は当たり前》
米国でも、2023年の年明けはチャットGPTの話題で持ちきりでした。
当時のシリコンバレーでは、大げさな話ではなく、会話の99%がチャットGPTの話題だったといえます。
年始の挨拶もそこそこに、「チャットGPTで、今後何ができるようになるのか」「自分たちの仕事にどんな影響を与えるのか」といった議論がそこかしこでされていました。
もちろん、IT企業はすぐにチャットGPTを仕事に生かし始めました。
適切な指示(プロンプト)さえ与えれば、それなりに精度の高いプログラミングができるとわかったこともあり、とくにエンジニア職の人たちの間では、いかにチャットGPTを使いこなして生産性を上げるかが火急の課題になりました。
それと同じタイミングで、2022年から続いていたGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック=現メタ、アップル、マイクロソフト)の大量レイオフが進みました。
これまで「勝ち組」とされていた、年収3000万円クラスのエンジニアたちが次々と辞めさせられる事態を目の当たりにしました。
実際、これまで年収3000万円のエンジニア3人で回していた仕事を、チャットGPTに指示できるエンジニア1人で十分回せるのではないかという試算が行われています。
シリコンバレーで一番有名なアクセラレーター(起業家育成組織)であるY Combinatorの創業者ポール・グレアム氏は、2023年6月に自身のツイッター(現X)で、「あるプログラマーと話したが、彼はAIコーディング・ツールのおかげで生産性が10倍ほど上がったと言っていた。
このような生産性が当たり前になれば、80人のプログラマーが必要だったことが8人のプログラマーでできるようになる」と述べています。
これだけの事実を見ると、「米国でも、チャットGPTに仕事を奪われているではないか」と思われるかもしれません。
しかし、すでにシリコンバレーでは「あちらでもこちらでも チャットGPTの話題」という時期は終わっています。
というのも、チャットGPTを業務で使いこなすのがもう当たり前になってきていて、この新しい技術を使った場合、自分の仕事はどこまで効率化できるか、効率化した時間で自分は何を提供できるかといった実践のフェーズに移っているからです。
シリコンバレーでは「チャットGPTに代替されない仕事は何? どの職種だったら一生食べていける?」といった議論は最初からされません。
なぜなら、どんな仕事に就いていたとしても、新しい技術を学ぶことができない人は、その職を続けられないからです。
大学時代に学んだことや、新人の頃に教わったことだけで、40年以上に及ぶ仕事人生を全うすることはそもそも無理。
常にリスキリングしていかなければ、自分の居場所がなくなるということを、誰もが知っています。
そのため、社会人になってからMBA(経営学修士)を取得する人も多いし、オンラインで受講できるプログラミングの講座などを取る人も大勢います。
もともと「定期的にリスキリングしないと、これからの時代は生き残れない」と考える人が多かったので、現在のチャットGPTのような革新的な出来事も、すぐ対応しなくてはいけない変化として、すんなり取り込まれていったのでしょう。
『AI時代を生き抜くということ』日経BP
https://amzn.to/46sS6oK
石角友愛(いしずみともえ)氏は「リスキリング」についてこう語っている。
『リンダ・グラットン氏は、2022年に出版した『リデザイン・ワーク 新しい働き方』(同)で、これからの私たちに必要な新しい人生設計について書いています。
グラットン氏は、これからの私たちの人生は「教育→仕事→引退の3ステージの人生から、マルチステージの人生になる」といいます。
「3ステージの人生から、マルチステージの人生」を言い換えると、「『4to40』 のキャリアの時代が終わり、『4to4』のキャリア時代に突入する」ともいえます。
「4to40」のキャリアとは、高度経済成長以降、長く続いてきた「大学で4年間教育を受けて40年働く。 そして60歳で引退」のモデルです。
少子化で財源の確保が難しくなっているほとんどの先進国では、そもそも60歳で引退という人生プラン自体が破綻し始めています。
どの国の政府も「定年後も、いかに働き続けてもらうか」を議論しています。
それは日本も同様です。
一方の「4to4」のキャリアとは、「4年間学んだ知識で4年働く」といったモデルです。
学び直しをしてスキルアップし、また働く。
2023年9~10月号のハーバード・ビジネス・レビューでは、偶然にも 「Reskilling in the age of AI(AI時代のリスキリング)」という記事が特集されていました。
そこには「スキルの平均的な半減期は今や5年以下であり、一部の技術分野では2年半にまで短縮されている」と書かれていました。
日本でも40代、50代になって大学や大学院で学ぶ人が増えてきましたが、米国ではこれらが当たり前になってきています。
とくにオンラインの大学院では、年齢に関係なく幅広い人たちが学んでいます。
この「学び直し」は、学校に通ってMBAを取るといったものだけではありません。
サバティカル休暇で旅に出て知見を広めたり、副業をして新しいスキルを身に付けたりする人もいます。
実に幅広い視野で取り組まれています。
英語では「レレバント (relevant) でいる」という言葉がよく使われます。
レレバントとは直訳すると「関係性がある」という意味で、「常に市場にとって自分の関連性が高い状態でいる」といったニュアンスです。
その業界にとって、どれだけ求められる人材でい続けられるか。
そのためにも、学び続けることが必須だと考えられているのです。』
常に市場にとって自分の関連性が高い状態とは、「自分が必要とされている」ということだ。
どれだけ必要とされているか、求められている人材であり続けるためには、自ら学び続け、自分をアップデートし続けるしかない。
リスキリングは学校の勉強と違って受け身でいたら身につかない。
今、学校教育で始まっている探求学習のように、自ら課題を設定し解決に向けて学ぶ姿勢が重要だ。
「4to4」の時代…
いくつになっても、学び続ける人生でありたい。
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パロアルトインサイトCEO、石角友愛(いしずみともえ)氏の心に響く言葉より…
《「リスキリングしないと生き残れない」は当たり前》
米国でも、2023年の年明けはチャットGPTの話題で持ちきりでした。
当時のシリコンバレーでは、大げさな話ではなく、会話の99%がチャットGPTの話題だったといえます。
年始の挨拶もそこそこに、「チャットGPTで、今後何ができるようになるのか」「自分たちの仕事にどんな影響を与えるのか」といった議論がそこかしこでされていました。
もちろん、IT企業はすぐにチャットGPTを仕事に生かし始めました。
適切な指示(プロンプト)さえ与えれば、それなりに精度の高いプログラミングができるとわかったこともあり、とくにエンジニア職の人たちの間では、いかにチャットGPTを使いこなして生産性を上げるかが火急の課題になりました。
それと同じタイミングで、2022年から続いていたGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック=現メタ、アップル、マイクロソフト)の大量レイオフが進みました。
これまで「勝ち組」とされていた、年収3000万円クラスのエンジニアたちが次々と辞めさせられる事態を目の当たりにしました。
実際、これまで年収3000万円のエンジニア3人で回していた仕事を、チャットGPTに指示できるエンジニア1人で十分回せるのではないかという試算が行われています。
シリコンバレーで一番有名なアクセラレーター(起業家育成組織)であるY Combinatorの創業者ポール・グレアム氏は、2023年6月に自身のツイッター(現X)で、「あるプログラマーと話したが、彼はAIコーディング・ツールのおかげで生産性が10倍ほど上がったと言っていた。
このような生産性が当たり前になれば、80人のプログラマーが必要だったことが8人のプログラマーでできるようになる」と述べています。
これだけの事実を見ると、「米国でも、チャットGPTに仕事を奪われているではないか」と思われるかもしれません。
しかし、すでにシリコンバレーでは「あちらでもこちらでも チャットGPTの話題」という時期は終わっています。
というのも、チャットGPTを業務で使いこなすのがもう当たり前になってきていて、この新しい技術を使った場合、自分の仕事はどこまで効率化できるか、効率化した時間で自分は何を提供できるかといった実践のフェーズに移っているからです。
シリコンバレーでは「チャットGPTに代替されない仕事は何? どの職種だったら一生食べていける?」といった議論は最初からされません。
なぜなら、どんな仕事に就いていたとしても、新しい技術を学ぶことができない人は、その職を続けられないからです。
大学時代に学んだことや、新人の頃に教わったことだけで、40年以上に及ぶ仕事人生を全うすることはそもそも無理。
常にリスキリングしていかなければ、自分の居場所がなくなるということを、誰もが知っています。
そのため、社会人になってからMBA(経営学修士)を取得する人も多いし、オンラインで受講できるプログラミングの講座などを取る人も大勢います。
もともと「定期的にリスキリングしないと、これからの時代は生き残れない」と考える人が多かったので、現在のチャットGPTのような革新的な出来事も、すぐ対応しなくてはいけない変化として、すんなり取り込まれていったのでしょう。
『AI時代を生き抜くということ』日経BP
https://amzn.to/46sS6oK
石角友愛(いしずみともえ)氏は「リスキリング」についてこう語っている。
『リンダ・グラットン氏は、2022年に出版した『リデザイン・ワーク 新しい働き方』(同)で、これからの私たちに必要な新しい人生設計について書いています。
グラットン氏は、これからの私たちの人生は「教育→仕事→引退の3ステージの人生から、マルチステージの人生になる」といいます。
「3ステージの人生から、マルチステージの人生」を言い換えると、「『4to40』 のキャリアの時代が終わり、『4to4』のキャリア時代に突入する」ともいえます。
「4to40」のキャリアとは、高度経済成長以降、長く続いてきた「大学で4年間教育を受けて40年働く。 そして60歳で引退」のモデルです。
少子化で財源の確保が難しくなっているほとんどの先進国では、そもそも60歳で引退という人生プラン自体が破綻し始めています。
どの国の政府も「定年後も、いかに働き続けてもらうか」を議論しています。
それは日本も同様です。
一方の「4to4」のキャリアとは、「4年間学んだ知識で4年働く」といったモデルです。
学び直しをしてスキルアップし、また働く。
2023年9~10月号のハーバード・ビジネス・レビューでは、偶然にも 「Reskilling in the age of AI(AI時代のリスキリング)」という記事が特集されていました。
そこには「スキルの平均的な半減期は今や5年以下であり、一部の技術分野では2年半にまで短縮されている」と書かれていました。
日本でも40代、50代になって大学や大学院で学ぶ人が増えてきましたが、米国ではこれらが当たり前になってきています。
とくにオンラインの大学院では、年齢に関係なく幅広い人たちが学んでいます。
この「学び直し」は、学校に通ってMBAを取るといったものだけではありません。
サバティカル休暇で旅に出て知見を広めたり、副業をして新しいスキルを身に付けたりする人もいます。
実に幅広い視野で取り組まれています。
英語では「レレバント (relevant) でいる」という言葉がよく使われます。
レレバントとは直訳すると「関係性がある」という意味で、「常に市場にとって自分の関連性が高い状態でいる」といったニュアンスです。
その業界にとって、どれだけ求められる人材でい続けられるか。
そのためにも、学び続けることが必須だと考えられているのです。』
常に市場にとって自分の関連性が高い状態とは、「自分が必要とされている」ということだ。
どれだけ必要とされているか、求められている人材であり続けるためには、自ら学び続け、自分をアップデートし続けるしかない。
リスキリングは学校の勉強と違って受け身でいたら身につかない。
今、学校教育で始まっている探求学習のように、自ら課題を設定し解決に向けて学ぶ姿勢が重要だ。
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