
【ピーターの法則】4796
ローレンス・J・ピーター&レイモンド・ハル氏の心に響く言葉より…
《昇進が無能をもたらす》
そのうち私は、こうした事例(優秀だった人が無能になってしまうこと)のすべてに共通点があることに気づきました。
つまり、彼らはいずれも、有能さを発揮できていた地位から無能ぶりを露呈することになる地位へと昇進させられていたのです。
この事態は、遅かれ早かれ、あらゆる階級社会の、あらゆる人々に起こりうることだと私は悟りました。
あなたはパーフェクト・ピル製薬会社のオーナーだとします。
薬を丸める工程の作業班長が胃潰瘍を悪化させて亡くなり、後任を平社員のなかから探すことになりました。
オーバル、シリンダー、エリプス、キューブの四人にはどこかしら欠点があり、彼らにまかせるわけにはいきません。
そこで、この作業に最も有能なスフィアを班長に登用することにしました。
さて、そのスフィアは作業班長としても有能であることが証明されたとしましょう。
すると、総職長のレグリーが工場長に昇進したときには、スフィアがその空席となったポストに昇格すると予想できます。
逆に、スフィアが作業班長として無能であれば、もう出世の声はかかりません。
なぜなら彼は、私が命名した表現で言えば「無能レベル」に到達してしまったからです。
彼は残された日々をその無能レベルに留まり、定年を迎えることになるでしょう。
班長になれなかったオーバルやシリンダーのような従業員の場合は、階層のいちばん下ですでに無能レベルに達しているので、昇進とは縁がありません。
スフィアの場合、作業班長として十分な働きができなかったとすれば、一回の昇進で無能レベルに達したことになります。
自動車修理工場のE・ティンカーの場合は、二回昇進したあとに三番目のステージで無能レベルに達しています。
グッドウィン将軍は、階層の最上部まで昇りつめたところで無能レベルに陥ったということです。
このように、職業にまつわるおびただしい数の無能の事例を分析した結果から導き出した結論が、 次の「ピーターの法則」です。
《階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに到達する。》
ピーターの法則にたどりつくまでの過程で、偶然にも新しい科学の領域をつくりあげていたことに私は気づきました。階層社会を研究対象とする「階層社会学」(hierarchiology)という学問です。
そもそも「階層」(hierarchy)というのは、さまざまな階級の聖職者から成る教会の組織を意味する言葉でした。
しかし今日では、教会に限らず、身分や等級や階級に従って構成員や従業員の配置が決まる組織であれば「階層社会」といってよいでしょう。
まだ歴史は浅いものの、階層社会学は、官公庁であれ、私企業であれ、組織の管理に幅広く適用できる学問だと言えます。
ピーターの法則は、すべての階層社会のからくりを理解するカギとなるもので、文明社会そのものの理解にも有益です。
たまに、階層社会には組み込まれまいとするひねくれ者もいますが、ビジネス界、産業界、労働組合、政界、官公庁、軍隊、宗教界、教育界といった世界に従事する人は一人残らず、このピーターの法則の影響下に同じように置かれていて、その支配から逃れることはできないのです。
有能なレベルから昇進し、その次のレベルでも有能でいられるケースも、一度や二度であれば、多くの人が経験しているかもしれません。
しかし、新しい地位で有能と認められるということは、さらに次の昇進が待っているということです。
つまり、すべての個人にとって…あなたにとっても、私にとっても…最後の最後の昇進は、有能レベルから無能レベルへの昇進となるわけです。
もしも、十分に時間があれば…そして組織に十分な階層があるなら…すべての個人は、その人なりの無能レベルに行きつくまで昇進し、その後はそこに留まり続けることになります。
そこで 「ピーターの必然」は次のような帰結を予測します。
やがて、あらゆるポストは、職責を果たせない無能な人間によって占められる。
もちろん現実問題として、すべての社員が無能レベルに達している組織にはなかなかお目にかかれません。
たいていの場合、組織の表向きの目的を達成するために何らかの仕事が行われているものです。
それでは仕事をしているのはだれ?
《仕事は、まだ無能レベルに達していない者によって行われている。》
『ピーターの法則』ダイヤモンド社
https://amzn.to/303Sc9a
「名選手は名監督にあらず」という言葉がある。
その最も著名な例だと言われているのがサッカーのマラドーナ。
選手としては、アルゼンチンを頂点に導いた世界的なスーパープレイヤーだ。
だがしかし、監督経験が少ないにも関わらず、アルゼンチンの代表監督に選ばれた。
W杯では、誰の目から見てもダメな采配をし、実力があるアルゼンチンを敗退させたと言われる。
ピーターの法則への「個人の対策(特効薬)」として、4つがあげられている。
1.予防薬(昇進を回避する方法)
能力以上の地位へ昇進しないよう防ぐことを、創造的に行うこと。
2.痛み止め(無能レベルでも健康と幸福を)
無能レベルに達してしまったとき、研修や勉強によって脱出する。
3.気休め薬(終点到達症候群を抑える)
昇進後実績をあげられないとき、現時点での価値をアピールし、有能な人材の邪魔をせず、人畜無害な存在として組織に留まる努力をする。
4.処方薬(絶大なる治療効果)
予防薬は無能レベルに達するのを防ぐ。他人に害を与えることなく、忙しくて幸せで、健康的でいられるようにしてくれ、生産的な仕事に専念できる。
また、対策として、「働き方」の切り口では…
たとえば、「副業・兼業があたりまえの組織にする」「リカレント教育の推進」「会社以外の組織やグループへの積極的な所属」「メンバーシップ型からジョブ型雇用の推進」等々
コロナ禍、リモートになってからは特に、「働かないおじさん」問題が話題となっている。
リモートでは、中間管理職を飛び越して直接やりとりするシーンが増えたからだ。
今一度、ピーターの法則について学び直したい。
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ローレンス・J・ピーター&レイモンド・ハル氏の心に響く言葉より…
《昇進が無能をもたらす》
そのうち私は、こうした事例(優秀だった人が無能になってしまうこと)のすべてに共通点があることに気づきました。
つまり、彼らはいずれも、有能さを発揮できていた地位から無能ぶりを露呈することになる地位へと昇進させられていたのです。
この事態は、遅かれ早かれ、あらゆる階級社会の、あらゆる人々に起こりうることだと私は悟りました。
あなたはパーフェクト・ピル製薬会社のオーナーだとします。
薬を丸める工程の作業班長が胃潰瘍を悪化させて亡くなり、後任を平社員のなかから探すことになりました。
オーバル、シリンダー、エリプス、キューブの四人にはどこかしら欠点があり、彼らにまかせるわけにはいきません。
そこで、この作業に最も有能なスフィアを班長に登用することにしました。
さて、そのスフィアは作業班長としても有能であることが証明されたとしましょう。
すると、総職長のレグリーが工場長に昇進したときには、スフィアがその空席となったポストに昇格すると予想できます。
逆に、スフィアが作業班長として無能であれば、もう出世の声はかかりません。
なぜなら彼は、私が命名した表現で言えば「無能レベル」に到達してしまったからです。
彼は残された日々をその無能レベルに留まり、定年を迎えることになるでしょう。
班長になれなかったオーバルやシリンダーのような従業員の場合は、階層のいちばん下ですでに無能レベルに達しているので、昇進とは縁がありません。
スフィアの場合、作業班長として十分な働きができなかったとすれば、一回の昇進で無能レベルに達したことになります。
自動車修理工場のE・ティンカーの場合は、二回昇進したあとに三番目のステージで無能レベルに達しています。
グッドウィン将軍は、階層の最上部まで昇りつめたところで無能レベルに陥ったということです。
このように、職業にまつわるおびただしい数の無能の事例を分析した結果から導き出した結論が、 次の「ピーターの法則」です。
《階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに到達する。》
ピーターの法則にたどりつくまでの過程で、偶然にも新しい科学の領域をつくりあげていたことに私は気づきました。階層社会を研究対象とする「階層社会学」(hierarchiology)という学問です。
そもそも「階層」(hierarchy)というのは、さまざまな階級の聖職者から成る教会の組織を意味する言葉でした。
しかし今日では、教会に限らず、身分や等級や階級に従って構成員や従業員の配置が決まる組織であれば「階層社会」といってよいでしょう。
まだ歴史は浅いものの、階層社会学は、官公庁であれ、私企業であれ、組織の管理に幅広く適用できる学問だと言えます。
ピーターの法則は、すべての階層社会のからくりを理解するカギとなるもので、文明社会そのものの理解にも有益です。
たまに、階層社会には組み込まれまいとするひねくれ者もいますが、ビジネス界、産業界、労働組合、政界、官公庁、軍隊、宗教界、教育界といった世界に従事する人は一人残らず、このピーターの法則の影響下に同じように置かれていて、その支配から逃れることはできないのです。
有能なレベルから昇進し、その次のレベルでも有能でいられるケースも、一度や二度であれば、多くの人が経験しているかもしれません。
しかし、新しい地位で有能と認められるということは、さらに次の昇進が待っているということです。
つまり、すべての個人にとって…あなたにとっても、私にとっても…最後の最後の昇進は、有能レベルから無能レベルへの昇進となるわけです。
もしも、十分に時間があれば…そして組織に十分な階層があるなら…すべての個人は、その人なりの無能レベルに行きつくまで昇進し、その後はそこに留まり続けることになります。
そこで 「ピーターの必然」は次のような帰結を予測します。
やがて、あらゆるポストは、職責を果たせない無能な人間によって占められる。
もちろん現実問題として、すべての社員が無能レベルに達している組織にはなかなかお目にかかれません。
たいていの場合、組織の表向きの目的を達成するために何らかの仕事が行われているものです。
それでは仕事をしているのはだれ?
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「名選手は名監督にあらず」という言葉がある。
その最も著名な例だと言われているのがサッカーのマラドーナ。
選手としては、アルゼンチンを頂点に導いた世界的なスーパープレイヤーだ。
だがしかし、監督経験が少ないにも関わらず、アルゼンチンの代表監督に選ばれた。
W杯では、誰の目から見てもダメな采配をし、実力があるアルゼンチンを敗退させたと言われる。
ピーターの法則への「個人の対策(特効薬)」として、4つがあげられている。
1.予防薬(昇進を回避する方法)
能力以上の地位へ昇進しないよう防ぐことを、創造的に行うこと。
2.痛み止め(無能レベルでも健康と幸福を)
無能レベルに達してしまったとき、研修や勉強によって脱出する。
3.気休め薬(終点到達症候群を抑える)
昇進後実績をあげられないとき、現時点での価値をアピールし、有能な人材の邪魔をせず、人畜無害な存在として組織に留まる努力をする。
4.処方薬(絶大なる治療効果)
予防薬は無能レベルに達するのを防ぐ。他人に害を与えることなく、忙しくて幸せで、健康的でいられるようにしてくれ、生産的な仕事に専念できる。
また、対策として、「働き方」の切り口では…
たとえば、「副業・兼業があたりまえの組織にする」「リカレント教育の推進」「会社以外の組織やグループへの積極的な所属」「メンバーシップ型からジョブ型雇用の推進」等々
コロナ禍、リモートになってからは特に、「働かないおじさん」問題が話題となっている。
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