サムエル記上10章
26節「…神に心を動かされた勇士たちはサウルに従った」(新共同訳)
1節「サムエルは油の壺を取り、サウルの頭に油を注ぎ、彼に口づけして、言った。『主があなたに油を注ぎ、御自分の嗣業の民の指導者とされたのです』」。9章27節につながっている。サムエルは主から告げられた通り(9章16節)、若者サウルの人間性を見極める前に王の任職を示す頭に油を注いだ(サムエル記上16章3節=ダビデ、列王記上1章39節=ソロモン)。これは秘密時になされた。サムエルは彼にベニヤミン領のツェルツァにあるラケルの墓の脇で二人の男に出会い、ろばが見つかったこと、父親が気遣ってどうしたものかと言っていると告げる。更にタボルの樫の木まで行くとベテルに神を拝みに上る三人の男に出会い、子山羊三匹とパン三個、ぶどう酒一袋を持っていて、挨拶し、二個のパンをくれる。次にペリシテ人の守備隊がいるギブア・エロヒムに向かい、琴、太鼓、笛、竪琴を持った人々を先頭にした預言者の一団に出会い預言状態(恍惚状態を指す)になっている。主の霊があなたに激しく降りあなたも預言する状態になり、あなたは別人のようになる。この三つのしるしを示された(3~6節)。
7節「これらのしるしがあなたに降ったら、しようと思うことは何でもしなさい。神があなたと共におられるのです」。そして先にギルガルに行き、燔祭と酬恩祭を献げて七日間待つようにと言った。サウルはサムエルと別れて帰途についた時、神は彼の心を新たにされ、以上のしるしはすべてその日に起こった(8~9節)。その第三のしるしがこの後細述されている。ギブアに行くと預言者の一団が彼を迎え、神の霊が彼に激しく降り、サウルは彼らのただ中で預言する状態になった。サウルを知っていた人々がこれを見てキシュの息子に何が起こったのだ。サウルもまた預言者の仲間かと言った(10~11節)。この言葉が19章24節にもあることから、サウルを形容する文言となったようだ(12節)。預言の状態から覚めサウルは聖なる高台(5節see)に上った。そこで伯父に会い、何処に行っていたか。サムエルは何と言ったかを問われた。王位のことについては話さなかった。1節の頭に「油を注がれた」ことは秘密裏になされたからである(13~16節)。サムエルはミツパで主のもとに民を呼び集め、イスラエルの人々に、エジプトから導き、救い出し、圧迫するすべての王国からも救い出した主、あらゆる災難や苦難から救われたあなたたちの神を退け、『我らの上に王を立ててください』と主に願っている。部族ごと、氏族ごとに主の御前に出なさいと呼び掛けた(17~19節)。
20節「サムエルはイスラエルの全部族を呼び寄せた。ベニヤミン族がくじで選び出された」。更にベニヤミン族を氏族ごとに呼び寄せ、マトリの氏族がくじで選ばれた。次にキシュの息子サウルがくじで選び出されたが、彼は荷物の間に隠れていた。連れて来たところ、民の真ん中に立つと、だれよりも肩から上の分だけ背が高かった(21~23節)。これは9章2節にあった。
24節「サムエルは民全体に言った。『見るがいい、主が選ばれたこの人を。民のうちで彼に及ぶ者はいない』。民は全員、喜び叫んで言った。『王様万歳』。」サムエルは民に王の権能について話し、書に記して主の御前に納めた。サウルもギブアの自分の家に向かった。神に心を動かされた勇士たちは、サウルに従った。しかしならず者は、こんな男に我々が救えるかと言って侮ったが、サウルは何も言わなかった。
王様万歳という喚声は、付和雷同の嫌いがあるが、「神はサウルの心を新たにされた」(9節)ことと、「神に心を動かされた勇士たちはサウルに従った」(26節)ことがせめてもの救いである。
26節「…神に心を動かされた勇士たちはサウルに従った」(新共同訳)
1節「サムエルは油の壺を取り、サウルの頭に油を注ぎ、彼に口づけして、言った。『主があなたに油を注ぎ、御自分の嗣業の民の指導者とされたのです』」。9章27節につながっている。サムエルは主から告げられた通り(9章16節)、若者サウルの人間性を見極める前に王の任職を示す頭に油を注いだ(サムエル記上16章3節=ダビデ、列王記上1章39節=ソロモン)。これは秘密時になされた。サムエルは彼にベニヤミン領のツェルツァにあるラケルの墓の脇で二人の男に出会い、ろばが見つかったこと、父親が気遣ってどうしたものかと言っていると告げる。更にタボルの樫の木まで行くとベテルに神を拝みに上る三人の男に出会い、子山羊三匹とパン三個、ぶどう酒一袋を持っていて、挨拶し、二個のパンをくれる。次にペリシテ人の守備隊がいるギブア・エロヒムに向かい、琴、太鼓、笛、竪琴を持った人々を先頭にした預言者の一団に出会い預言状態(恍惚状態を指す)になっている。主の霊があなたに激しく降りあなたも預言する状態になり、あなたは別人のようになる。この三つのしるしを示された(3~6節)。
7節「これらのしるしがあなたに降ったら、しようと思うことは何でもしなさい。神があなたと共におられるのです」。そして先にギルガルに行き、燔祭と酬恩祭を献げて七日間待つようにと言った。サウルはサムエルと別れて帰途についた時、神は彼の心を新たにされ、以上のしるしはすべてその日に起こった(8~9節)。その第三のしるしがこの後細述されている。ギブアに行くと預言者の一団が彼を迎え、神の霊が彼に激しく降り、サウルは彼らのただ中で預言する状態になった。サウルを知っていた人々がこれを見てキシュの息子に何が起こったのだ。サウルもまた預言者の仲間かと言った(10~11節)。この言葉が19章24節にもあることから、サウルを形容する文言となったようだ(12節)。預言の状態から覚めサウルは聖なる高台(5節see)に上った。そこで伯父に会い、何処に行っていたか。サムエルは何と言ったかを問われた。王位のことについては話さなかった。1節の頭に「油を注がれた」ことは秘密裏になされたからである(13~16節)。サムエルはミツパで主のもとに民を呼び集め、イスラエルの人々に、エジプトから導き、救い出し、圧迫するすべての王国からも救い出した主、あらゆる災難や苦難から救われたあなたたちの神を退け、『我らの上に王を立ててください』と主に願っている。部族ごと、氏族ごとに主の御前に出なさいと呼び掛けた(17~19節)。
20節「サムエルはイスラエルの全部族を呼び寄せた。ベニヤミン族がくじで選び出された」。更にベニヤミン族を氏族ごとに呼び寄せ、マトリの氏族がくじで選ばれた。次にキシュの息子サウルがくじで選び出されたが、彼は荷物の間に隠れていた。連れて来たところ、民の真ん中に立つと、だれよりも肩から上の分だけ背が高かった(21~23節)。これは9章2節にあった。
24節「サムエルは民全体に言った。『見るがいい、主が選ばれたこの人を。民のうちで彼に及ぶ者はいない』。民は全員、喜び叫んで言った。『王様万歳』。」サムエルは民に王の権能について話し、書に記して主の御前に納めた。サウルもギブアの自分の家に向かった。神に心を動かされた勇士たちは、サウルに従った。しかしならず者は、こんな男に我々が救えるかと言って侮ったが、サウルは何も言わなかった。
王様万歳という喚声は、付和雷同の嫌いがあるが、「神はサウルの心を新たにされた」(9節)ことと、「神に心を動かされた勇士たちはサウルに従った」(26節)ことがせめてもの救いである。