日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

主は彼と共におられ

2012-01-26 | Weblog
 サムエル記上18章 

  13~14節「…ダビデは兵士の先頭に立って出陣し、また帰還した。主は彼と共におられ、彼はどの戦いにおいても勝利を収めた」(新共同訳)

  1節「ダビデがサウルと話し終えたとき、ヨナタンの魂はダビデの魂に結びつき、ヨナタンは自分自身のようにダビデを愛した」。サウルとの話は、彼の前にゴリアトの首を持って出た時に訊ねてエサイの息子だと答えたことだが(17章58節)、ダビデの素情を知らない筈がないのに、何故訊ねたか判らない。この時ダビデは王宮に召し抱えられた訳である。同席していたヨナタンは自分自身のように愛し、契約を結び自分の上着や装束していた武具をも与えた(2~4節)。ヨナタンとの友情物語は19章に出てくる。
  ダビデが出陣する度に勝利を収めた為、サウルは彼を戦士の長に任命した。これはすべての兵士も、サウルの家臣も大いに喜び、町に凱旋して帰ると女たちが歓声をあげ、太鼓や三絃琴を奏で踊りながら、サウル王とダビデ一行を迎えた(5~6節)。これは、出エジプト記15章20~21節、士師記11章34節にもある。この時女たちが「サウルは千を討ち、ダビデは万を討った」と歌ったので、王は激怒し妬んだ。次の日、悪霊が王に降り、ものに取りつかれた状態に陥り、竪琴を奏しているダビデを槍で突き刺そうとした(7~11節)。「ものに取りつかれた状態」を口語訳「狂いわめいた」となっている。10節は16章14、22節と同じ状況だが、違うのは嫉妬で殺意を抱いていること。それにも拘わらずダビデは忍従をもって王に仕えている。
  12節「主はダビデと共におられ、サウルを離れ去られたので、サウルはダビデを恐れ~」。激戦地にダビデを送るが主が共におられたのでどの戦いも兵士の先頭に立って勝利した(14節)。そこでサウルは初め長女を妻として与えようとしたが、アドリエルに嫁がせ、ダビデがミカルを愛していたので、好都合と考え一計を案じた。それは彼が王の婿になるには貧しく身分が低い者だと言った言葉を家臣から聞いて、結納金は望まないから、王の敵の報復のしるしとして二百人のペリシテ人を殺して陽皮百枚を持参するようにと告げた。これはペリシテ人の手でダビデを倒そうという魂胆だった。ダビデは、王の求めに応じたのである(17~25節)。「陽皮」(男性の性器の包皮)を求めたのは、ペリシテ人の無割礼に対する嘲笑行為の意味と考えられるが、陰惨な事柄と言わざるをえない。
  27節「自分の兵を従えて出立し、二百人のペリシテ人を討ち取り、その陽皮を持ち帰った。王に対し、婿となる条件である陽皮の数が確かめられたので、サウルは娘のミカルを彼に妻として与えなければならなかった」。サウルは、主がダビデと共におられること、娘ミカルがダビデを愛していることを思い知らされて、いっそう恐れ、生涯ダビデに対して敵意を抱いたとある。ペリシテ軍との対戦は続いたが、彼はそのたびに家臣のだれよりも武勲を立て、名声を得た(28~30節)。

 箴言4章30節に「娼嫉(ねたみ)は骨を腐らせる」(元訳)とある。必要なのは「分別」である(サムエル記上16章18節)。Ⅱテモテ1章7節も参照したい。