何とも遣る瀬無い事件である。「刑務所に行きたいんですけれど」等と268回も警視庁に電話したとして、47歳男性が偽計業務妨害の疑いで逮捕されたそうである。無関係な人を犠牲にした無敵の人による犯行が続発している昨今である。根が優しい人なのかも知れないが、この程度の罪では執行猶予付きになる可能性が高い。もう一工夫欲しかった所だが、凶悪犯罪に走られても困る。公判中に逃走を試みる等、裁判官の心証を悪くする行為を繰り返せば、もしかすると願いが叶うかも知れないので頑張って欲しい。人手不足なのに真っ当に働いても十分な収入が得られないと云う労働環境は明らかにおかしい。しかしコンビニバイトの八面六臂の多能工ぶりが労働者の標準と見做される現在、黙々と単純作業するのに向いている人の勤め口は極く限られるのも確かである。人手の足りない職場での労役を命じる刑罰を、人権に抵触しない範囲で考えても良いのではないかと思うのである。
終わり良ければ総て良し。それも一つの考え方であろうが、将来の教訓を得る反省は欠かせないと思う。感染拡大下で開催された令和五輪であるが、大会関係者との接触を極力回避する努力によって水際対策は成功したかに見えた。しかしその時期に国内で流行したデルタ株の変異種AY.29が海外でも捕捉され、ゲノム解析の結果メイドインジャパンであるとの結論に至ったそうである。幸いな事にこの変異種は拡散しなかったので結果オーライで済ませても良いのだが、あれだけの厳戒態勢で臨んでも移る時は移るのであり、何事も完璧は有り得ないと云う教訓にしても良かろう。ついでに言えば、令和五輪のレガシーに就いて検証するのも意義が有ると思う。過ぎた話は水に流すのも悪くはないが、何千億円もの公費が注ぎ込まれた大規模な公共事業である。全て目論見通り完璧で結果オーライです、と断言出来るんだったら構わないが、いっぺん反省しておくに越した事は無いのである。