人権への取り組みは、今が正念場であろう。20世紀には民族問題が争乱の原因の大半だった様に、21世紀で起きている揉め事の相当数は、人権を巡る衝突から発していると捉える事も出来る。そんなに大雑把に分類出来るんだったら歴史学者は苦労しないのだが、ヨノナカそんなもんだったかなと錯覚して話に付き合って下さい。社会的マイノリティの人権を保護し、多様性に寛容であろうと先進国では躍起になっている(一部大統領を除く)のであるが、それでも一部の嗜癖は犯罪とされているし、よくて病人扱いである。喫煙者はニコチン依存症であるか、副流煙で周囲を死に追いやる殺人鬼だと決め付けられる様になったのも、多分人権問題なんだろう。結局の所多様性として認められるかは、当事者の社会的発言力の大きさに依存している様に思える。闘争で勝ち取ってこその人権なのかも知れないが、声の上げられない少数者にも寛容であって欲しいと、喫煙者は思うのである。
果たして経産省の目論見通りなのだろうか。キャッシュレス消費者還元事業開始から半月経ったが、5%還元の店で買い物をした事が無い。登録している店舗が少ないので、近場で使えるのは馴染みの米屋だけだからである。地元の特産品ではあるが、雛人形は日常での使い道が無い。十万石まんじゅうも買ってまで食べる気にはならない。結果コンビニでの2%還元に留まっており、制度をしゃぶり尽くしていると云う達成感には程遠い。裏を返せば、決済手数料に耐えられない経営をしている零細小売店が数多いと云う事であろう。キャッシュレス推進と消費の喚起と云う二兎を追う経産省の狙いは外れた事になるのだが、施策が有効活用されなかったのは遺憾、と云う総括でアリバイ作りは出来るし、何より国庫支出が圧縮出来るので財務省は大喜びである。いずれ米は買う事になるので少々の恩恵は受けるのであろうが、もうちょっと賢い税金の使い道は有った様にも思えるのである。
私は日本人である。その法的根拠は「先祖が明治維新の際、何故か日本領に住んでいたので徴税の為に戸籍登録された」事にある。途中で遺伝子的に改竄されていないかを調べるのも面倒なので、ここでは放置する。ただこれは「私は日本国籍を有する」と云う事でしかなく、労働・納税・子弟の教育と云う国民の義務を背負わされているだけに過ぎない。それだけで日本人と云う括りを構成するには無理が有るだろう。日本国経済に貢献しているとか、日本文化の継承発展に尽力しているとか、国際社会で日本の存在価値を高めるとかの積極的活動をしている訳でもない。それらに関しては白鵬関の足元にも及ばないのであり、そこは己の至らなさをちょっと恥じている。私が日本人である事は偶発的事象であり、その立場を維持する為に特段の努力もしていないグータラ国民である。ただ、如何に理屈を捏ねようとも、新米を食べた時の血の沸き立ちは、紛れもなく日本人なのである。
あっづぃ。台風通過後とは言え、今は10月である。いや、本当に10月なのか。10月のフリした8月じゃないのか、と疑いたくなるさいたまである。真夏日を観測した地点もある様だが、空は紛れもない秋の色なのであり、喪われつつある日本の四季を惜しんでいる。その一方で、インフルエンザの流行は始まっているらしい。既に学級閉鎖や休校が43都道府県で累計490施設に及んでいるとの事で、迂闊に半袖で歩き回っていたら数日後高熱と関節痛で悶え苦しんでいると云う悲劇も有り得る。異常気象は今後も続くのだろうが、考え様によってはそれが通常なのかも知れないし、これまでの経験や常識に囚われない発想が求められている様な気もする。そう云う過去の蓄積が無ければ新しい発想もへったくれも無いのはともかくとして、従来の当たり前を疑う姿勢は保ちたい。まずは「夏日」の定義を30度に改めてはどうかと思うのだが、常識をどんなに弄ろうと暑いものは暑いのである。
災害時に使えずして、何のキャッシュレスか。そこは現金を使った方がみんなニコニコなのは重々承知しているのだが、敢えて困難な局面を想定しておくのは、国土強靭化の為にも無駄ではあるまい。尤も電気が使えなければ、キャッシュレスもへったくれも無いのも確かである。ならば決済端末は、太陽光パネルか自家発電機に接続されている事が望ましい。貴重な電気の無駄遣いだが、細かい事を気にしたら負けである。スマホ側もサーバと繋がらなければ残高を取得出来ないので、決済端末側で「ツケ払い」をオプションとして選択出来る様にすると良い。取り敢えず決済情報だけ溜め込んでおき、復旧してから精算出来る様にするのはどうか。それまでの活用実績に基づく利用限度額を設けておけば、踏み倒しによる損害は最小限に収められるだろう。最先端のITを駆使すれば解決すると確信してはいるのだが、少々の小銭を用意しておかないと落ち着かないのも確かなのである。