人生、程々頑張っても3万日である。それが多いか少ないかは分からないが、もう幾つ寝ると2万日に達しそうなので、残りを有意義に過ごしたいと思うと同時に、めんどくせえなとも思う。ただ残り1万日が確実に保証されている訳でもないので、それなりに大切に使うべきなのだろう。またそれに合わせて、食事の残り回数も毎日順調に減っている。楽しみは後に残すタチなのだが、こればかりは先延ばししても空腹の時間が長くなるだけで、カウントダウンが止まる訳では無い。気合を入れて1日30食とかすれば数は稼げるが、人生の楽しみをわざわざ苦行にする意味は無いし、暴飲暴食がたたってトータルの食事回数はさして変わらない様な気もする。美食に拘る必要は無いが、冷凍フライドポテトだけで腹を満たすと云う暴挙も、そろそろ慎むべきだろう。程々にヘルシーで程々にジャンクで値段も味も程々な食べ物を細々と楽しむ人生を、もう暫く程々に頑張りたいのである。
迅速におカネをばら撒くならキャッシュレス。そう云う方向にヨノナカの認識が転がると面白い。みずほ銀行の「J-Coin Pay」の送金サービスを利用して、明治大学が学生支援金を支給するそうである。しかも今回のウィルス騒動に起因するとみずほが認めた場合、手数料は当面取らないと云う太っ腹な対応である。みずほ銀行口座への入出金はタダであるし、直接利用出来るドラッグストアや家電量販店等も増えている(支払方法がMPMだけなのはもう少し頑張れ)。銀行にとって振込手数料は、今となっては数少ない収入源である。それを減らしてでもスマホ送金サービスに乗っておかなければジリ貧になると云う危機感は、恐らく正しい。その事にPaypayやau PAYがアプリ内で保険や無担保ローン等の金融商品を販売し始める前に気付いて欲しかったが、メガバンクとしては迅速な方であろう。給付金事業を丸投げしてもらえる信用力をバックに、新興勢力と丁々発止を繰り広げて欲しいのである。
果たして特ダネか、お得意の飛ばし記事か。FNNは「政府がマイナンバーとスマホの一体化の検討を始めた」と報じた。6時間経っても後追い取材が見られないので、「マイナンバーも健康保険証も運転免許証もスマホに入ってたら便利だよね」と云う政府高官の独り言を拾った程度のものかも知れない。健康保険証との一体化は難航しているし、運転免許証の発行は莫大な利権である。そう云うどうでもいいパワーゲームのあおりで、検討したけど時期尚早とか訳の分からない理由で立ち消えになりそうな気がする。何より一体化は、今となっては筋が悪い。官製iPhoneを作るのならともかく、日本ブランドのAndroid端末だけが対象では、取得者の増加には一切寄与しない。事前登録した電話番号からのリクエストで10分だけ有効なバーチャルカードをダウンロード出来る仕組みの方が余程気が利いているのであり、物理カードの発行枚数を稼ぐだけの策を弄する段階では既に無いと思うのである。
小学生の87%は、将来マイカーが欲しいと思っている。そんな記事を何処かで読んだ。結果が圧倒的に偏ったデータを、私は信用しない。出所を辿ったら日本マイスター検定協会なる団体で、「くるまマイスター検定」なるものを実施している社団法人の様である。そんなもん受検する母集団から得られたデータなのに何故100%にならないのかと逆に不安になったが、世の中の2割はヘソマガリと云う経験則からすれば妥当なのかも知れない。ともあれ「若者のクルマ離れ」と言われ始めて幾星霜、そんな彼らも人の親となり、「車も持ってないのかよダッセェ」と子供から痛罵される年頃になったと云う事であろう。親世代の行動や信念を否定し超克する事で人は成長するのであり、そう云う意味では健全である。ただ彼らは「自分の空間を確保するツール」としてクルマを再定義している様に見えるのであり、暴走老人会とのイデオロギー闘争に発展する将来を私は懸念しているのである。
科学の進歩には瞠目するばかりである。先日、最新の量子コンピュータを用いて興味深いシミュレーションが行われた。繁華街の人混みを減少させるには、どうすれば良いか。その結果「滞在時間を半分にすれば混雑のピークを56%から49%減らせる」と云う推計が弾き出された。これを電気と技術の無駄遣いと考えるかの判断は、実践してみた後でも遅くはあるまい。ただしタイムセールとか見切り品シール貼付等の外乱要因は恐らく考慮していないので、計算通りにはならないと私は考えている。どんなシミュレーションでもそうだが、「全ての標本は同じ様な振る舞いを示す」事を前提としている。そうでもしないと話が進まないから仕方ないのであるが、その標本が人間であった場合、往々にして当てが外れる様な気がする。用も無いのに繁華街をブラブラし偶然見つけた怪しいジャンク品を衝動買いする様な人間の行動は、そう容易く数値化出来そうにないと実感するのである。