名選手にして名将、だけど持ってない。読売巨人軍の原監督に対する私の評価である。球団通算6000勝と云う大きな節目が無観客試合(リモートマッチと呼びましょうと何処かが呼び掛けているが)と云うのは100%監督のせいではないが、そう云う巡り合わせの悪さは筋金入りに思える。「満塁男」と今でも呼んでもらえる駒田氏と好対照である。ON時代の後と云うのも間が悪いと思うしかないし、12年連続20本塁打と云う安定した記録を叩き出しても、前任者がバケモノ(後任者はゴジラ)だったので評価されなかったのは今思っても不憫である。監督としてもリーグ優勝8回、日本一3回、WBC世界一と堂々たる成績なのだが、勝ち方も負け方もひたすら堅実で、メークドラマを演出する事など有り得ない采配ぶりである。実力は折り紙付きなんだけど華が無い分だけ低く評価されると云う運命を敢えて受け入れ、無観客でも淡々と6001勝目を狙いに行くその姿勢を、私は潔いと思うのである。
そこら辺は柔軟に認めていいんじゃないかな。利用者減少に喘ぐタクシー業界であるが、窮余の一策としてフードデリバリーを始めた所が有るらしい。クラウンで運ぶのは少々勿体ない様な気もするし、多分利益も出ていないとは思うが、一つの突破口にはなり得ると思う。例えば利用者が急増しているネットスーパーであるが、配送の人手が足りないのが悩みの種である。クリーニング屋も然りである。それらの「持ち運び代行」のニーズは大きいと私は見ている。コストをどう抑えるかと云う問題は有るが、黒塗りの大型車を新調するのを止めて超小型EVに切り替えていく事で、何とか補えないものかと思っている。配車アプリによって流しの客探しが無くなれば、台数も減らせるだろう。タクシーがフル稼働する雨の日とか終電後とかの機会損失をどう考えるかであるが、使う側からすれば乗り心地に拘る状況ではないのであり、荷物扱いされても妥協出来る範囲に思えるのである。
明日から都道府県を跨ぐ移動自粛が緩和される。まずは町田市民にお祝いを申し上げたい。これまで抑え付けられていた物見遊山の需要がすぐ復活するとは思えないので、これから夏休みシーズンまでが観光業の堪え所だろう。ただそこまで頑張っても海外からの旅行客は全く期待出来ない。どこまで耐えれば良いのか問題は何とも悩ましい。5月の来日者数は1700人余りで、新規は165人と云う強烈な数字が発表された。約247.5万人だった前年同月と対比するのがアホらしくなる激減であり、失われた需要をレジャー下手な日本人が埋められるとも思えない。ここは少々手荒な手段に訴える必要がありそうである。まずテレワークを義務化し、逆らう経営者・管理者は荒川と多摩川に沈んでもらう。従業員は最低週3日、県外の観光旅館からビデオ会議への参加を問答無用に要請するのである。ただ日本最大の観光地と言えば東京であり、業界の救済策としては少々工夫が必要そうなのである。
正しいFinTechの活用だと思う。麻布獣医学園が学習環境補助費をpringで配布した。馴染みが無いと思うが、「お金のやりとりが出来るSNS」だと思ってもらえば宜しい。pringに紐付いた電話番号にリアルタイムで送金出来る上に、手数料は銀行よりもずっと安い。セブンのATMで月1回は無料で引き出せるので、都心部に住んでいる分には不便はあるまい。相模原市が都心なのかと云う意見はあろうが、本筋から離れる議論なのでここでは考えない。問題はその学習環境補助費でスマホを初めて購入しようとする学生がデッドロックに陥る事であるが、例外処理で何とかなろう。FinTechと言うと仰々しいが、要するに「スマホさえ配っておけばそれをベースにお金をあれこれ出来る」と云う程度のものと考えておけば、庶民レベルでは十分である。是非これをモデルケースとして欲しいと思っているが、「現金の有難さ」の教育が今後は必要になりそうだなあと、本筋から離れた感想を抱いているのである。
統計マニアの苦悩は尽きない。先日、さいたま市で肺炎から回復・退院後に程なくして別の疾病で亡くなった方を報告に含めていなかったと云う事案が発生した。直接の死因ではないからと云うのがその理由であるが、死者数を過少に見せる情報操作ではないかと叩かれていた。個人的には死亡診断書に記載の事由で統一すべき様に思うのだが、例えば退院3日後に心不全でお亡くなりになった場合が対象外になるのは納得し難いのも理解出来る。統計はそこら辺の基準値をどうするかで全く見え方が異なるものであり、例えば退院後100年以内に死亡した場合でも間接的な死因と定義すれば、致死率100%の恐ろしい病と云う結論が導き出される。そこまで吹っ切れば逆にスッキリするのだが行政も馬鹿ではないので「2週間を目途に総合的に判断」の様な玉虫色基準を示すだろう。実運用上でもそう云う曖昧なゾーンが無いと立ち行かないのであり、マニアの苦悩は深まるばかりなのである。