こう云う状況は確かに気持ち悪い。COCOAから接触通知を受けた職員が59人になったと、敦賀市役所が発表した。うち33人は陰性と診断されたが、検査結果が出るまで自宅待機を余儀なくされた関係で、業務に多大な影響が出たらしい。大事に至らなかったのは不幸中の幸いであるが、それでも大変な思いをした事に変わりない。そうなるとやりたくなるのが犯人捜しである。COCOAは仕様上、何時接触したかは分かるがそれが誰かは分からない。8月12日に集中している様なので、その日に市役所に居た「誰か」が陽性だったと考えるのが自然だろう。処理番号を管理する保健所に色々と圧力が掛かっていないかが心配であるが、この件に限っては自らが身元を明かし疑心暗鬼を解いてあげるのが正解の様に思える。そして周囲は告白した勇気を褒め称えるべきだろう。ただ「バグでした」と云う最悪の可能性はまだ排除されていないのであり、犯人捜しは程々に留めるのが良さそうなのである。
秋にも使える新作アイテムをご紹介！そんなDMがメールで届いたのだが、当たり前の顔をしてマスクが並んでいるのを見て絶望している。興味をそそられたので販売サイトを覗いてみたのだが、確かにオシャレである。防塵防菌機能を無かった事にして飛沫拡散防止に特化すれば、ここまで自由度の高いマスクが作れるものかと感心している。1枚数千円と、マスクとしては高価な品ではあるが、ファッションアイテムとしてなら許容範囲であるのも一つの特徴だろう。周りから浮きたくはないけど、ちょっとした差別化はしたいと云う若い世代にはジャストフィットするかも知れない。それが定着すれば感染予防とかはどうでもよくなり、それを身に着ける事自体が目的化するであろう事は、ネクタイと云う先行事例を見ても明らかである。どうせ着けねばならないなら楽しんで着けようと云うポジティブさは私は嫌いではないし、青海波文の意匠を使ったマスクは実際そそるのである。
高い所に架かる巻雲に季節の変わり目を感じるさいたまである。そうは言っても暑いのは暑いのであり、どうか皆様ご自愛下さいとしか言い様が無い。熱中症による救急搬送も、8月上期は全国で35217回の出動が有った様である。お亡くなりになった方の数は、東京以外は速報値が見つからなかったので分からないが、搬送数から単純に割り出すと1000名を超えると推計される。大部分を高齢者が占め、しかもエアコンが無いか使っていなかったと云うのはヒートアイランド東京に特有な現象なのかも知れないが、エアコンを嫌う年寄りが多いのも事実だろう。昭和のエアコンは爆冷が基本であり、クーラー病と云われる位に体を冷やすものだったから、仕方ない面もある。それに加え「リモコンのボタンの数が増え過ぎた」のも要因らしい。ここはメーカ各社が一致協力し、「暑い」「寒い」以外のボタンを極力排除した共通リモコンの導入を検討して欲しいと、初期高齢者は願うのである。
私も応募したかった。ドイツでベーシックインカムの社会実験が行われるそうである。毎月15万円（1200ユーロ）を3年間支給と云う条件で募集した所、120万人が殺到したらしい。ドイツの人口は8302万人だから、結構な割合である。遊んで暮らすと云うのは人類共通の夢である事を再認識したが、選出された120人がそれを謳歌できるのかが肝となろう。3年後に完璧なダメ人間になった場合の責任の所在は分からないが、実験の尊い犠牲者として程々に遇して欲しい。働くのは当然食う為であるが、同時に社会に居場所を作る為でもある。また社会貢献していると実感出来る人は健康寿命が延びるとも云われており、それが老害の温床になっているのはともかく、何らかの形で働く事を大半の人は選択すると私は思う。何より120万人から選ばれし精鋭である。ドイツ人の気質からして働かない訳にはいかない様に思えるのであり、実験の変なバイアスにならなければと懸念しているのである。
妥当な方針変更だろう。接触確認アプリCOCOAで通知を受け取った人は、PCR検査を無料で受けられる様にすると、厚労省が発表した。と言うより陽性者との接触が疑われる人を検査しないのなら、何で見つけようとするのか理解に苦しむ。通知を受けた人が一気に増えて検査体制が崩壊する事を危惧したのかも知れないが、それならアプリなんぞ使わずに知らない儘にしておいた方がマシだろう。そう云う意味では納期直前のシステムのバグに良く似ている。幸いな事に国民は極めて協力的で、1416万ダウンロードされているのに陽性者登録は360件に留まっている。検査体制が逼迫するどころか、通知が来たら自慢出来るレベルだろう。何より感染経路不明がこれだけ長期に亘って発生していると云う事は、行政の網では掬えない所で定着したと見做すのが妥当である。アプリを使って点と点を繋げていくのも大事だろうが、埼京線の利用者全数検査の様な面での捕捉も検討して欲しいのである。