デジタルツインの実現性が気になる。乱暴に定義すれば「すっごいシミュレータ」なのだが、IoT機器を駆使して現実世界からの膨大なデータを即時にフィードバック出来る所が、初期値しか与えないシミュレータとの大きな違いだろう。デジタルツインのモデルをあれこれ弄っている分には現実に一切影響が及ばないので、例えば生産ライン等の設備の交換に伴う効果測定や障害予測を、あれこれ試す事が出来る。問題はモデリングに際し収集するデータの選別である。対象の全ての原子の位置と運動量を観測しようとするアホは無視するとしても、意味が無い情報を集めても無駄である。逆に絞り込み過ぎると再現性が不十分になる。それに系が複雑になれば処理速度も問題になる。1秒の再現に3日も掛かっていては電気の無駄遣いでしかない。理論は麗しいが実装すると忽ち役立たずになる、そう云う事例を余りにも目にしてきたからか、どうしても懐疑的になってしまうのである。
世界で一番iPhoneを安く買えるのが日本だそうである。折からの円安の影響も有るだろうが、元々の設定価格自体も割安だったらしい。デフレが恒常化した市場環境を考慮した結果であって、安いからって手放しで喜べる話でも無い。ただ年内に発売が予想されている新型iPhoneは、流石に値上げされる様である。最下位モデルが10万円越えするか注目される所であるが、スマホがちょっとしたゲーミングPCと同価格帯に並んでいる事を思うと感慨深い。本体1円とかの歪んだ商慣行のお陰でおかしくなっている値ごろ感を矯正する良い機会であろう。同じ性能ならより小さく作った方が高くなるのが当たり前と思う人とそうでない人の溝は、想像以上に広くて深いと思う。家電だとサイズと価格はほぼ正の相関関係に有るから仕方ない面も有るが、iPhone13は御社が所有するどのデスクトップPCよりもベンチマークが上です、と言われても驚かない程度には、常識をアップデートしていきたいのである。
これはプロの仕業に違いない。GW明けの感染再拡大は結局発生せず、新規陽性者数はダラダラ下がりである。経済活動(主に娯楽遊興方面)の正常化にとって誠に結構だが、何故か陽性率と云う言葉がマスコミから出てこない。東京都のサイトからデータを拾ってきて、ここ2週間の検査数に対する陽性判定数を調べてみた。なんということでしょう。多少のデコボコは有るが、概ね陽性率20%で推移している。5%を超えていたら市中感染を把握出来ていない目安だと言われていたが、病床使用率や重症者数を見れば感染収束は明白である。ここからは推測だが、検査は発熱外来等の陽性者を捕捉し易い施設に絞り込み、尚且つ過剰検査にならない様に制御しているその筋のプロが裏に居るのではないか。検査には税金が注ぎ込まれているので、適切に減らせるのであればグッジョブである。経済活動正常化に水を差す様なデータを出さない目論見では無いと、心の底から推測するのである。
正解が無いのがヨノナカである。学校の試験がそれでは困るが、現実問題に関しては判断する時点で正しい答えを選択出来るかは、ぶっちゃけ運次第だろう。電力逼迫が予想されており、原発の再稼働を甘受すべきとの声も聞かれる様になった。それも勿論解であるし、輪番停電で凌ぐのも解である。正解だったかは10年後位にタラタラレバレバ検証すれば宜しい。そんな昔の事は忘れるハンフリー・ボガード体質の方が多い事は承知しているが、歴史の教訓は別に織田信長からじゃなくても学べる事は覚えておいて損は無いと思う。ちなみに原発再稼働に関する個人的見解は「ここ10年で運用技術者が激減しているから今はやめとけ」である。動かすならきちんと人材育成してからにして欲しい。ともあれ今年の夏冬は厳しくなる事を前提に、色々準備しておきたい。自助可能な範囲は限られるが、当座の季節は公私共にハワイアンスタイルを押し通すのも、一つの立派な解なのである。
やっぱりヨロン的には厳しかったか。先日ネタにした「キャシュふる」であるが、総務大臣の会見を受けて2日間でサービス終了となった。「ふるさと納税の主旨に反するもので、担当部局に対応を依頼した」そうだが、だったら何でβテストを2年以上も放置したのかと云う批判も起きよう。ヨロンが騒ぎ出すまで知らなかった程度の目立たなさだったのかも知れないが、ふるさと納税のキュレーションビジネスに牽制球を投げたと云う見方も出来る。寄付額の10%が手数料の目安との事で、テレビCMもバンバン流せる美味しい商売だが、その分自治体の収入は削られる事になる。今後は目立たない様にやらないと、狙い撃ちされるかも知れない。ただ何処の自治体にどんな返礼品が有るかをいちいち調べる手間を考えればこの手のサービスが無くなるとも思えない。「返礼品目当てに寄付するのは主旨に反する」と建前論を押し通すと、それはそれでヨロンが許さない気がするのである。